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http://archive.mag2.com/0000017208/index.html
犯罪を防止できない硬直化した警察組織に改革提言！（会員制経済情報誌『現代産業情報』6月1日号より転載）
警察がおかしい。そう思っている識者は少なくない。
犯罪を防止する二枚看板は検察と警察で、小沢一郎事件のような善くも悪しく
も華々しい犯罪は、地検特捜部が行なうために、「検察捜査」に目が奪われが
ちだが、大半の事件を捜査するのは警察である。
ここ数年、厚労省女性局長の冤罪事件のように検察の失態が相次ぎ、「検察改
革」のうねりの中で、警察の体制と体質に批判が寄せられることはなかったが、
検察という組織がそうであったように、捜査権限を持つ役所は、唯我独尊に陥
って、外部からのチェックを受けないまま硬直化し、尊大になる。
今の警察がそうである。警察官に不祥事が絶えず、暴力団抗争は解決できず、
犯罪検挙率は下がり続けている。
なのに、改革の機運は起きず、どの役所より警察とべったりのマスコミは、警
察批判をしない。
だから弊誌は提言する。
警察は、組織と体制と人員と予算を、一から見直すべきだ──。
警察の能力低下を象徴するのが、福岡県における指定暴力団工藤会への対応だ
ろう。
住民に向かって発砲された数々の銃撃事件に、工藤会が関与した疑いが強いと
して、殺人未遂容疑で本部などを家宅捜査しながら、事件はなにひとつ解決で
きない。
殺人の立証が難しいのはわかるが、不可解なのは工藤会の無法を、ここまで放
置してきた警察の責任である。
暴力団対策法、組織犯罪処罰法、暴力団排除条例など、包囲して殲滅する法的
整備は出来ているハズだ。
安藤隆春前警察庁長官は、「暴力団壊滅作戦」の陣頭指揮を取った。
むろん、壊滅には至らなかったが、山口組系弘道会を暴力団の象徴として締め
上げた捜査は、弘道会を疲弊させたという意味で一定の効果はあった。
だとすれば、縦割り組織の弊害を乗り越え、工藤会のほかに、道仁会と九州誠
道会の抗争も抱える福岡県警だけの仕事にせず、10年以上前から住民への脅し
を続ける工藤会への別の対処法もあったハズだ。
しかし現実には、今年に入ってようやく近隣の県警が支援体制を組むようにな
った。
そして警視庁は、5月26日、第五機動隊150名を北九州市に派遣した。
警備警護はともかく、事件の解決には役に立たず、「警察をあげてやっていま
す」というパフォーマンスに過ぎない。
国家公安委員長のもとに警察庁が置かれ、年に数十人採用されるキャリアが、
管区警察局や都道府県警の本部長に就き、全国の治安を預かっている。
この組織は、「離島の交番」に至るまで、全国に毛細血管を走らせ、監視の目
を向けているようでいて、実は警察庁と警視庁と道府県警の思惑がバラバラで、
横の連絡はなく、
しかも、同じ組織内でも警備、公安、刑事、生活安全と、部署が違えば連携せ
ずに、自分の所属する部の評価につながることだけを考える蛸壺組織なのであ
る。
まず、国家公安委員長は、マルチ商法支援の山岡賢次代議士が「前」、事件屋
や仕事師など怪しい人脈の多い松原仁消費者相が「現」であることが証明する
ように、
総務省に付随する「腰掛ポスト」であり、就任する政治家に、本気で治安を考
える技量や知識はない。
ならば、キャリア官僚が掌握すればいいのだが、彼らの頭にあるのは、予算と
人員を確保したうえでの組織の温存で、その結果、組織内で評価され、出世し
て天下り先を確保できればいい。
全国を渡り歩く彼らも、ノンキャリアからみれば「腰かけ」なのである。
一方で、ノンキャリアにとって、例えば警視庁なら、警備部、公安部、刑事部
といった組織に一度、配属されれば、そこが終の棲家であり、一家を形成、
仕事も老後も運命共同体なのだから、ここでも予算と人員確保が第一の使命と
なり、そのためにノルマのように仕事をこなす。
1954年の新警察法施行から58年が経過、組織は硬直化し、キャリアにとっても
ノンキャリアにとっても「組織維持」が、第一の目的になってしまった。
本気で公安を考えず、組織犯罪に対処せず、刑事事件を防ごうとしない。
工藤会放置は、そうした体制と体質のなかで生まれたが、革命など誰も考えて
いない日本共産党を未だに反国家組織と位置付け、徹底監視の公安部、
「犯罪のるつぼ」と表現した日本振興銀行を潰しながら、事件としては検査忌
避でしか立件できず、
その際、自らの能力の低下を悟ったのか、「詐欺事件捜査」と、そうあるべき
形でAIJ投資顧問事件を報じたら、詐欺事件に出来なくなった時が恥ずかしく、
報じたマスコミ各社を出入り禁止処分にした刑事部など、歪みは数え切れない。
では、組織をどう改革すればいいのか。
そこから始めなければならない。キャリア制度、公安委員会制度などを含め、
一から話し合う改革検討委員会を設置、徹底的に議論すべきだろう。
そうしなければ警察は、ますます仕事をしない（出来ない）、税金ムダづかい
の組織になってしまう。
警察改革は喫緊の課題。今から動き出すべきなのだ。>>
（私のコメント）
警察は国の顔でもあり、まともでしっかりしてくれないと困る。警察がおかしくなっているのにはカルトのせい、パチンコのせいもあるが、何より与党、内閣の能力の無さが一番大きいのだろう。省庁の組織の在り方もこれでいいのだろうか。初めから作り直すことが必要ではないか。
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