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前法相の「指揮権」発言 検察自ら厳しく処分を
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh201206060095.html
'12/6/6 中国新聞 社説
指揮権発動とは、いかにも穏やかでない。個別案件の取り調べや処分について、法相が検察トップの検事総長に指揮できる特別の権限である。
小沢一郎民主党元代表の資金管理団体、陸山会の土地購入をめぐる事件の捜査で、虚偽の報告書が作成されたことが問題になっている。
おととい退任した小川敏夫前法相がこの問題の処理で、身内に甘い検察当局の方針を改めさせようと野田佳彦首相に相談したという。了承を得られず発動しなかったと明かした。
裁判官、検察官、弁護士と法曹三者をすべて経験している小川氏は指揮権発動の重みを百も承知だろう。
1954年の造船疑獄で与党幹部を逮捕しようとした検察にストップをかけた当時の法相は「政治の圧力」と批判され、辞任に追い込まれた。以来、一度も発動されたことがない。
退任直後に内幕を暴露した小川氏の真意は測りかねる。自身を更迭した首相への不満をぶちまけただけとしたら、軽率のそしりは免れまい。
しかし虚偽報告書問題を「検察が適当に幕引きしてしまえば、国民の信頼が得られない」とした小川氏の主張そのものはまっとうである。
検察当局は指揮権の発動を待つまでもなく、自らを厳しく律するべきではないか。
厚生労働省元局長の冤罪(えんざい)を生んだ大阪地検特捜部の証拠改ざん隠蔽(いんぺい)事件で、検察への信頼は根底から覆った。
陸山会事件の捜査でも、実際の聴取にない記載をした虚偽報告書の問題が起きた。東京地検特捜部に在籍していた田代政弘検事が、小沢元代表の秘書だった石川知裕衆院議員を取り調べた際にやりとりを録音されていて、うそが発覚したのである。小沢氏の強制起訴を議決した検察審査会にも提出されていた。
しかし裁判では証拠に採用されなかった。当然だろう。
虚偽有印公文書作成容疑などで市民団体から告発された田代氏は「過去の取り調べなどと混同していた」と述べ、故意ではなく記憶違いだと弁明しているという。
検察当局はこれを認めて、関係者の人事処分にとどめ、不起訴とする方向で最終調整していると報じられた。国民が納得できるよう、丁寧な説明をしなければならない。
一連の経緯が明らかにしているのは、厳正であるべき検察の捜査報告書があまりにずさんに作られているという問題だ。組織に悪習が染みついているのではないかと疑ってしまう。
最高検は2011年7月、特捜事件の取り調べ可視化をはじめ監察指導部の設置や公判での組織的なチェック体制の確立といった改革案を示した。
証拠改ざん隠蔽事件をきっかけに設けた外部の有識者による「検察の在り方検討会議」の提言を受けての措置だった。
ところが、この改革が軌道に乗らないうちに、虚偽報告書問題でも再発防止策を迫られている。検察審査会の議決後の再捜査では検事を交代させるとか報告書の作成指針を策定するといった案を検討中と伝えられる。
具体策の実行は当然だろう。それを確実に進めるには、検察組織全体の出直しを求められているとの覚悟が要る。
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