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小川 敏夫 前法相 退任記者会見(抄録)
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2012-06-05 八木啓代のひとりごと
メディア関係者から、小川前法相の退任記者会見抄録を入手しました。
非常に重要な内容だと思われますので、そのまま、転載いたします。
小川敏夫前法相 退任記者会見(6月4日)
(前略)
一番は検察の信頼回復というのが強いと思う。村木さんの事件と虚偽捜査報告書の事件がたて続いて起きて、検察に対する国民の信頼が大きく傷ついている。検察が身内に甘い、適当な形で幕引きをしてしまえば、国民の信頼回復は得られないのではないか、と非常に心配した。そうした中で、私自身は指揮権の発動と言うことも決意したのでありますが、総理の了承を得られないということで、大変残念に思っております。
−指揮権発動を考えて総理に相談したということか。
はい、そうです。
−いつごろ、どのように。
具体的詳細は内部のやりとりなので。5月の下旬だ。
−捜査について指揮権を発動したいということか。
捜査ではない部分については、人事上には法務大臣の権限。指揮権はあくまでも捜査に関してだ。
−野田首相はどのように
了承してもらえなかった
−現行の田代検事に対する捜査について、大臣として不満だったと
不満ではなく、再三述べているように、国民の理解が得られる対応をしなければ、国民からの信頼は得られないだろうと考えた。理解を得られる対応をするようにとの観点だ。
−総理にはどのような言葉で伝えたのか。
具体的詳細は内部のやり取りなので差し控えさせてください。
−再任されなかった理由にそのことが関係している可能性はあるか。
私自身は、再任されなかった理由については知らない。任命権者の考えなので、そのまま受け入れたということだ。
−もしかしたら指揮権発動が引き金になったのでは
なんの具体的根拠はない。想像や推測で物事を言ってもはじまらないし、そうだという具体的なことは何もない。
−捜査報告書問題には「重大な関心を持っている」とのことだった。指揮権発動はどういう問題意識からか
きちんとした形で対応しなければ、国民の信頼は回復できない。いいかげんな形で幕引きすることがある、そのように国民から受け止められれば、国民からの信頼回復は遠のいてしまう。検察の信頼回復を、なんとしてでも実現したいという思いだった。
−どういう指揮をするつもりだったのか
具体的にしないで終わったことだから。それ以上の詳細説明は控える
−相談した時点では、既に報道各紙で不起訴方針が出ていた。
報道関係は随分早かった。5月の始めくらいからいろいろ出ていた。
−報道内容を受けてそのような気持ちになったのか。
報道そのものが、具体的事実関係を反映しているのか、というのはあるので、一つの資料として、報道内容について、ちゃんと担当部署に直接・間接に確認するようなことはあった。
−それを踏まえてそういう判断に至った
はい。
−指揮権について考えるまでの捜査経過を踏まえて、不十分だったという考えか
捜査の内容そのものは、法務大臣は中身には入らないので、捜査内容全部を把握しているわけではない。
−指揮権についての思いは滝法相に伝えるのか
指揮権は別にして、捜査報告書について国民の信頼が得られる対応が必要という総論部分は、政務三役会議などで認識は共有していた。
―滝法相も認識していたのか。
指揮権は法務大臣の専権なので。政務三役会で相談して協議して決定したわけではない。
−具体的にどう指揮をするつもりだったのか
指揮しなかったのだから、退任した今は具体的にどうとは差し控える。
−不起訴という報道。どういう考えだったのか。
客観的資料を見れば分かることだが、捜査報告書の中身、捜査状況の録音を詳細に見てみれば、記憶違いではないと、誰しもが思うんじゃないかと思う。逆に、捜査報告書と録音をインターネットで流出しているようだから、それを見れば判断できると思う。
捜査資料は捜査に干渉するので入手しなかったが、流出した資料を基に比較対照すれば、そういう結論になる。
−それを見て指揮権発動を考えたのか。
それも含めて。総合的な判断
−報道が出たことについて、直接・間接に確認したと・・
検察庁に確認したことはないので。直接は消して。間接だね。
−省内で
省内。捜査の具体的情報そのものを、検察庁から話を直接聞いたことはない。
−首相の言葉は
中のやり取りなので、具体的なやりとりは差し控える。了承いただけなかったのが、結論だ。
―5月のいつか。
今はわからない。戻ればわかるけれど。官邸に行った日は5月に1回しかない。
−政治介入ということで慎重に扱われてきたが、在り方についての考え方は。
50年前に指揮権発動が国民の不評をかう指揮権が発動されて以来、かなり抑制的だったように思うが、私自身は、今回のように検察部内の件で検察が消極的である場合、指揮権を発動する、一般論として典型的なケースではないかと思う。
―典型的なケースとは。
つまり、消極的な場合、積極的ならしめるということについては、国民から選ばれた法務大臣の本来の姿ではないかと思う。そういう意味で指揮権の発動に似合った、ふさわしいケースだったと思う。
−5月初め段階で不起訴方針だった。起訴すべき案件と思ったと言うことか。
起訴するかどうかは、捜査を行ってからの判断。十分徹底した厳正な捜査を行って、なおかつ公判請求できなければ仕方がないでしょうね。
−不十分だと感じたと
まだ終わったわけではない。終わったところで、その報告を受けて、ではないので。継続中の状況において、それをさらにということだ。
−総理とは完全に密室?2人だけでしたのか。
内部の話しは容赦下さい。私と総理がいたことは間違いないけれど、ほかに誰がいたかというのは容赦下さい。
−官邸に大臣が行ったと
そういうこと。
−省内で指揮権発動について相談したことは
相談という言葉がふさわしいのかどうか。まったく、それに関する情報交換なり意見交換がないところで、私が抜き打ちでということではない。
−総理に駄目だと言われて、それで大臣としてはあきらめたと。
別にあきらめていない。状況によって再度説明に上がることも考えていた。
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