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“無罪”の小沢一郎を叩き続ける新聞社と検察のふしだらな関係
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120531-00000302-cyzoz-soci
サイゾー 5月31日(木)19時38分配信
小沢一郎はなぜ、新聞各社に叩かれるのだろうか。
「結論はシロだが、『潔白』ではなく『灰色』という司法判断だろう」(読売新聞)
「証人喚問に応じ、説明責任を果たすべき。このまま政治的に復権することは許されない」(産経新聞)
政治資金規正法違反の罪に問われていた民主党の小沢元代表に無罪判決が下された翌4月27日、大手新聞各紙は、そんな判決などまるでなかったかのような小沢バッシングに終始した。あるベテラン司法記者も「司法の場で無実となった人に向かい、大手新聞がことさら“犯人視”報道をぶり返したケースは記憶にない」と、違和感を隠さない。「人権派」であるはずの朝日新聞ですら、自社サイト「WEB RONZA」【1】で、無罪判決の2日後、こんなコラムを掲載している。
「東北のゼネコン談合組織の中で語られてきた小沢事務所の影響力について、私も1990年代に複数の関係者から情報を得ていた。だが、決定的な裏付け証拠をつかめないまま、何年も過ごした記憶がある。独自の調査報道をめざした我々の取材で、政治家側とゼネコンの間でやりとりされる水面下の資金を突き止めるのは、容易なことではない。検察が、小沢事務所の利権解明に乗り出して成果をあげたことに対しては、今でも高く評価している」(市田隆・朝日新聞編集委員のコラムより)
強引に利権解明に切り込んだものの、小沢氏を起訴すらできなかった検察の体たらくに苦言を呈するかと思いきや、まるで談合事件に裁きが下ったかのような書きっぷり。大手新聞はなぜ、「小沢憎し」のスタンスを続けるのか? 大手新聞社記者が語る。
「社会部についていえば、司法記者クラブに所属していると検事たちの意向に染まりやすい面はある。例えば、法務省の事務次官は判決前、『半分有罪、半分無罪』と漏らしていました。小沢公判で、次々と検察の調書が証拠として不採用となる中で、池田光智元秘書の調書だけ採用されたものですから、池田氏がかかわった虚偽記入罪だけ有罪になるのでは、という考えが社会部内に広まりました。あるいは、弁護士になった元特捜部長の大鶴基成さんも、いまだに『あれは有罪だった。証拠がある』と主張しているそうです。こうした日常的なネタ元からの影響で、彼らの“長年の敵”である小沢憎しのスタンスに、記者も陥りやすいんです」
一方で、政治部発の記事についても、「重要情報を取るためには、政権中枢にすり寄る必要があります。現在では、野田(佳彦)首相や岡田(克也)副総理、前原(誠司)政調会長、そして仙谷(由人)らからネタを取ろうとすると、どうしても小沢叩きにくみしないといけなくなります」(同)
さらに、判決後も小沢批判を続ける背景には、引くに引けない事情があるようだ。
「捜査当局リークに引きずられた記者たちが、今度は、お白州の場に立たされるかもしれない。小沢氏の無罪が確定しようものなら、主任弁護士の弘中惇一郎氏が先頭に立って、行き過ぎた報道をしたマスコミ各社を訴えるのではないかという憶測が流れているんだ。84年、故三浦和義氏の保険金殺人疑惑(ロス疑惑)報道では、殺人罪に問われた三浦氏の無罪が最高裁で確定するまでの間、洪水のような犯人視報道やプライバシーに踏み込んだ報道が行われたため、三浦氏や弘中氏らは500件近い訴訟を起こし、約8割で勝訴した。法廷では、警視庁クラブに所属する捜査1課担当記者が次々と証言台に立たされ、まるで見てきたかのようなリーク情報をもとに書き殴ってきた記者たちの横暴さが糾弾されています。記者たちは、このことを昨日のことのように覚えているんです」(司法ジャーナリスト)
仮に、新聞記者たちが法廷に立たされるようなことがあっても、自分たちの報道の正当性・公益性を主張していくためには、小沢氏はあくまで「グレー」な存在であり続けてもらわなければならない。 「せめて社会の空気だけは味方につけておかねば、という新聞社のエゴを感じる」(同)との指摘もある。そして、「小沢事件」報道においても、ロス疑惑同様の先走り報道があったということも見過ごせない。本誌も2年前の当欄で、このような指摘をしている。
それは、09年11月18日深夜のこと。共同通信から「小沢幹事長側に1億円」とヤミ献金疑惑が速報されると、これが呼び水となり、配信を受けた東京新聞と産経新聞は翌日の朝刊で、さらに踏み込んだ特ダネを打っている。その内容といえば、水谷建設首脳が04年10月と05年4月、小沢一郎幹事長(当時)の資金管理団体「陸山会」の会計責任者だった石川知裕衆院議員らと東京都内のホテルで密会し、2度にわたり計1億円を受け取ったというもの。その後、こうした、いまだ立証されていない裏金のやりとりと、今回の4億円の虚偽記載問題をリンクさせた報道が頻出した。本誌は当時、「この報道の手法には、新たな検察タブーの芽があります」という全国紙社会部デスクの声を詳しく紹介した。
「例えば共同は、三重刑務所で服役中の水谷建設元会長と接見し、特捜部の取り調べ内容についてただしています。記事上にもこうした関係者取材に基づく『自社モノ』であることを明記し、検察情報に依拠した報道ではないと暗にうたっているが、実はリークの情報源になっている特捜部幹部と最高検幹部の2人が民主党からマークされているので、ばれないようにとカモフラージュしたんです。ここまで検察をかばい、情報をもらおうと記事に細工を施したケースは聞いたことがない」
こうした中で、検察に“乗っかった”形で進んできた「小沢事件」報道は、「それでも小沢はグレー」という印象を残して収束しようとしている。また、本稿執筆時点では決定していない状況だが、控訴の如何にかかわらず、無罪がひっくり返ることはないだろうというのが大方の見方だ。東京地検関係者が話す。
「指定弁護士【2】は、『一審判決は秘書たちによる虚偽記入罪の成立を認めたのに、小沢氏の共謀認定に至らなかった』という点をとらえ、無罪判決では結論が逆ではないかと発言しています。ですから、控訴すれば有罪を勝ち取れるのではないか、と世間は受け取ったかもしれません。しかし、実際は指定弁護士には決定的に不利。初公判を迎える前の準備段階から公判中に至るまで、指定弁護士は東京地検特捜部の捜査班のひとつ『直告2班』の事務官たちを補助要員として使いました。ところが、今回、この手足となるべき特捜部自体がニセの捜査報告書をつくったと判決で断罪されました。高裁に移っても、この手足である特捜部の信用性がない。ほかに捜査能力があるわけではなく、手詰まりの状態です」
検察も大手マスコミも、「小沢憎し」報道から足を洗う時が来たのではないか。
(編集部)
【1】「WEB RONZA」
朝日新聞が運営する、政治から芸能まで幅広く扱う論説ウェブメディア。本文で紹介したような「反小沢」的なコラムを朝日新聞記者が書いたかと思えば、同時に共同通信OBの魚住昭氏が、陸山会事件について「そもそもこの事件は初めから終わりまで東京地検特捜部の『妄想』によってつくられたものだ。『妄想』はなぜ生まれたのか。それは、功を焦った検事たちが『04年10月15日、胆沢ダム工事受注の謝礼として石川秘書(当時)に5000万円の裏金を渡した』という水谷建設元社長の供述をろくな裏付けもなしに信じ込んでしまったからだ」と書くなど、朝日らしからぬ、多様性があるメディアとして、一部に支持されている。
【2】指定弁護士
検察審査会による強制起訴などによる公判にて、検察官役を務める弁護士。被疑者逮捕権や強制捜査権など、検察官と同等の権限が一部与えられる。小沢事件裁判では、3人の弁護士が選ばれた。
最終更新:5月31日(木)19時38分
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