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内閣総理大臣臨時代理、指定弁護士、そして臨時に検察審査員の職務を行う者の権限
公務を担う者、中でも責任が重い職階にある者は、その人が欠けた時の代理の選出方法や代理する権限について、あらかじめ取り決められている。もっとも代表的な代理は、内閣法に定められた『内閣総理大臣臨時代理』であろう。
内閣総理大臣が「欠けた場合、事故ある場合」つまり死亡や病気だけでなく、外交交渉・国際会議への出席など海外出張の場合を含めて「不在時の対応」が定められている。
内閣法に基づく【内閣総理大臣臨時代理】 (以下、wikipediaより)
内閣総理大臣臨時代理は、日本の内閣総理大臣が欠けた場合又は事故のある場合に、臨時にその職務を担う国務大臣としてあらかじめ指定された大臣が用いる職名である。この職名の使用は、実際に当該事態が発生しその職務を行う場合に限られる(俗称「副総理」と異なり、当該指定をされた大臣が日常的に称することはできない)。
内閣法第9条は「内閣総理大臣に事故のあるとき、又は内閣総理大臣が欠けたときは、その予め指定する国務大臣が、臨時に、内閣総理大臣の職務を行う」と規定している。
内閣総理大臣が死亡・病気・海外出張等で不在となったときは、あらかじめ指定された国務大臣が「内閣総理大臣臨時代理」の職名で職務を代行する。なお、指定されていても実際に総理不在の状態が生じなければ、当該指定された大臣の権限・呼称等は他の大臣と変わるところはない。
内閣総理大臣臨時代理の権限は基本的に内閣総理大臣と同一であるが、内閣総理大臣の【専権事項】については及ばない。
内閣法制局は内閣総理大臣臨時代理は閣僚を任免したり衆議院解散をすることは内閣総理大臣の一身専属的な権能に属するためできないが、内閣が行う予算編成や条約締結や防衛出動をすることは可能という見解を示している。(以上、wikipediaより引用)
ここで重要なのは、その「臨時に、内閣総理大臣の職務を行う」者の持つ権限である。事故や海外出張で総理大臣が不在の間に、総理大臣の職務を代わりに行うことは必要だが、総理大臣の持つすべての権限が臨時代理に移行し、付与されるかというと、そうではない。
総理が海外に出ている間に、臨時代理が勝手に「衆議院を解散」することなどを許す制度ではない。一時、問題となっていたが、現在は内閣法制局が前述のような見解を示している。
そして、臨時代理が総理大臣の代理として署名する必要がある場合は、次のような形式で署名する、ということも決まっている。
臨時代理の署名形式 内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 日本 三郎
以上のことからわかるのは、内閣総理大臣臨時代理は、その時だけ「総理大臣になる」のではなく、必要な場合に「総理大臣の職務を行う」のであり、その身分は「国務大臣のまま」であるし、代理権限の範囲は「すべて」ではない、ということである。
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指定弁護士については、総理大臣の臨時代理とはまったく異なる制度である。しかしながら、ある条件下において特定の権限を持った者の代わりに「その職務を行う」、という意味において共通することろはある。
「検察官の代わりに」「検察官の職務を行う」のは、刑事訴訟法に定められた付審判請求と、検察審査会法に基づく指定弁護士があり、それぞれの法律によって規定されている。この違いについては以前にも論考したが、本日の主題ではないので割愛する。
まずは、それぞれを規定した法律の条文をご覧戴きたい。
刑事訴訟法の付審判請求における【指定弁護士】
刑事訴訟法 第二百六十八条
裁判所は、第二百六十六条第二号の規定により事件がその裁判所の審判に付されたときは、その事件について【公訴の維持にあたる者】を弁護士の中から指定しなければならない。
○2 前項の指定を受けた弁護士は、事件について公訴を維持するため、裁判の確定に至るまで検察官の【職務を行う】。但し、検察事務官及び司法警察職員に対する捜査の指揮は、検察官に嘱託してこれをしなければならない。
検察審査会法に基づく【指定弁護士】
検察審査会法 第四十一条の九
第四十一条の七第三項の規定による議決書の謄本の送付があつたときは、裁判所は、起訴議決に係る事件について公訴の提起及びその維持に当たる者を弁護士の中から指定しなければならない。
ここで確認しておきたいのは、この二つの制度に共通している「弁護士が一時的に検察官の職務を行う」、という大雑把なところの意味である。
いずれも、弁護士が一時的に検察官の職務を行う。
弁護士が一時的に検察官になるのではない。あくまで検察官の職務を行う者として弁護士が指定されるに過ぎない。予め指定された国務大臣が総理の臨時代理を努めても「総理大臣になるのではない」のと同じ事だ。
指定弁護士が、どのような目的で、どのような範囲で検察官の職務を行うか、その権限の範囲はそれぞれの条文に書かれている。(私は検察審査会法に基づく指定弁護士に上訴権はない、との立場を取っている)
もし、無限定に、臨時的にという「期間の限定」以外は検察官とまったく同等の身分・権限・義務を持つ、というのであれば、弁護士の中から期間を限定して「臨時的に検察官に任用」すればよい。そうすれば、刑事訴訟法を準用するしないで揉める必要もなく、そのまま適用できる。(この場合も、上級庁と相談しない指定弁護士に上訴権が与えられるべきかどうか疑問だが)
本日の論考も長くなってしまったが、最後の重要な部分を割愛する訳にはいかない。
ここまでは「前振り」であり、今日のメインテーマは、臨時に検察審査員の職務を行う者についてである。
例によって関連法規を抜粋する。
検察審査会法に基づく【臨時に検察審査員の職務を行う者】
検察審査会法 第二十五条
検察審査会は、検察審査員全員の出席がなければ、会議を開き議決することができない。
○2 検察審査員が会議期日に出頭しないとき、又は第三十四条の規定により除斥の議決があつたときは、検察審査会長は、補充員の中からくじで臨時に検察審査員の職務を行う者を選定しなければならない。
同 第二十五条の二
補充員は、検察審査会の許可を得て、検察審査会議を傍聴することができる。
同施行令 第十五条
補欠の検察審査員又は臨時に検察審査員の職務を行う者が選定されたときは、その選定に立ち会つた検察審査会事務官は、選定録を作らなければならない。
同施行令 第二十七条
法第二条第一項第一号に規定する事項に関する会議録は、事件ごとに作らなければならない。
2 前項の会議録には、次に掲げる事項及び会議の経過を記載し、検察審査会長が検察審査会事務官とともに署名押印しなければならない。
一 会議をした検察審査会及び年月日
二 検察審査会長又は臨時にその職務を行う者、検察審査員、臨時に検察審査員の職務を行う者、会議を傍聴した補充員、審査補助員及び検察審査会事務官の職名及び氏名
(三 以下省略)
同施行令 第二十八条
法第四十条に規定する議決書には、次に掲げる事項を記載し、検察審査会長及び検察審査員がこれに署名押印しなければならない。ただし、被疑者の年齢、職業及び住居が明らかでないときは、これを記載することを要しない。
もう皆さんは、私が何を主張したいかを理解し、共有して戴けたのではないだろうか。
臨時に検察審査員の職務を行う者 に議決書に署名する権限があるのか?
臨時に検察審査員の職務を行う者は、審査会議で発言権を持った補充員に過ぎない、と私は理解している。通常、補充員は会議を傍聴することが認められている。議論に参加して意見を述べるのは検察審査員の仕事だ。臨時に検察審査員の職務を行う者は、補充員の身分ではありながら、臨時的に、その日だけ議論に参加する、という権限を与えられるのだ。
「検察審査員の職務」には議決書への署名が含まれる、という反論・疑問があるだろう。
検察審査会法施行令第28条を読み直して戴きたい。議決書に署名するのは検察審査会長と検察審査員である。臨時に検察審査員の職務を行う者が選定されている場合は、その者が署名する、とは書かれていない。臨時に検察審査員の職務を行う者の身分は補充員であって検察審査員ではない。総理大臣の臨時代理はあくまで総理の職務を一時的に行う一国務大臣にすぎないのだ。女房役は女房ではないし、犯人役は犯人ではない。代わりに仕事をする人が身分まで得る訳ではないのだ。
総理大臣の臨時代理は代理で署名をする場合もあるではないか!
そう、その点を指摘したいが為に、総理大臣臨時代理の署名の方法(形式)まで記載しておいた。
検察審査員臨時代理(補充員) ○○○○ 印
果たして、あの議決書の11名の署名の内、3名がこのような形式で署名したのであろうか?
検察審査員 ○○○○ 印
あの臨時の3名は、このように署名する権限はない。このように署名するためには、臨時に検察審査員の職務を行う者 として選定されるのではなく、補欠の検察審査員 として選定されていなければならない。
そして、臨時に検察審査員の職務を行う者の選定録に補欠の文字はない。
議決は無効である。
さらに、「とどめ」を刺しておく。
検察審査会法25条で
「検察審査会全員の出席がなければ、会議を開き議決することができない」
と規定されているが、同条第2項に「検察審査員が会議期日に出頭しないとき(略)は、検察審査会長は、補充員の中からくじで臨時に検察審査員の職務を行う者を選定しなければならない。」と定め、欠席者がいても【会議を開く】ことが可能になっているではないか、第1項の「会議を開き議決することができない」の状態が、第2項の選定によってクリアされるのではないか、との意見はあるだろう。
しかし、日本人として、日本語をしっかりと読んで欲しい。
・検察審査員全員の出席がなければ、会議を開き議決することができない(25条1項)
・検察審査員が会議期日に出頭しないときは、臨時に検察審査員の職務を行う者を選定しなければならない。
「前項に関わらず、臨時に〜行う者を選定した場合は会議を開催し議決できる」ではない。
そして、検察審査会法第十八条
検察審査員が欠けたとき、又は職務の執行を停止されたときは、検察審査会長は、補充員の中からくじで補欠の検察審査員を選定しなければならない。
この「補欠の検察審査員」に選定された場合、そこではじめて「補充員」ではなく、歴とした「検察審査員」になるのである。故に、施行令27条の会議録に出席者として記載されなくてはならない身分・立場の中に「補欠の検察審査員」はないのだ。補欠であっても選定された場合は堂々と「検察審査員」なのだから。
議決書に署名する場合も、「補欠の検察審査員 ○○○○ 印」なんてバカな肩書きで署名などしなくていい。「検察審査員 ○○○○ 印」と書く訳だ。
こんなことをここに書いて、悪人どもが今からでも捏造するヒントを与えてしまうのではないか。・・・以前、私はそのようなことにも気を遣った時があった。
でも、もういい。もういい加減にして欲しい。
この件に関わった法務省の役人どもが、いくら東大を出たエリート中のエリートでも、もう繕いようがない。
仮に、「3名は臨時に選定されただけでなく、同時に補欠にも選定されておりました」と捏造して黒塗りを剥がしたように持ってきたら・・・・。
「どあほっ!」
「どの検察審査員が欠けたんや!正規の検察審査員は余るほど出席しとるやんか!」
こういうことです。
そして、私がここまで書くのは、官僚が時間を掛けて体裁を繕おうとしても、もはや繕いきれないだろうという確信とともに、
ほとんど公開情報のみを調べて、私のような一般人がここまで考えているのに、国会議員どもは何をしとんじゃ! と思うのです。
押さえに押さえてきたのに、大阪人の下品さを隠しきれなくなってしまいました。
森ゆうこさん以外の国会議員の皆さま。
言いにくいけど、ホンキで生命を賭けて下さい。比喩じゃないです。
下らん言い訳してる刑事局の課長なんか、
「誰がそんなことゆうとんじゃ!」と、どつき倒して下さい。
それで逮捕拘留されたら、私、大阪から、必ず差し入れに行きますから。
後記:私(大阪都民N)は、できるだけ冷静に、慎重に、言葉を選び、推敲し、論理的に問題点を明らかにしたいと努めてきました。でも、もう限界です。大阪弁の罵声を文字にしてしまいました。しかも赤字の太字で。読者の皆さま、失礼お許し下さい。
それはそうと、今日、森ゆうこさんの事務所から「検察の罠」出版記念パーティの案内状を貰って、仕事のある平日だけど行きたくて我慢しきれなくなってます。
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