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【社会保障改革のウソ】年金問題の真実…おカネの問題ではない!(ZAKZAK)
★(4)2012.05.25
代表的な社会保障支出である年金について、「このままでは若い世代が将来、年金をもらえなくなる」などと、特に若年層の危機感を煽りたてる論調が少なくない。この種のレトリックを使用している時点で、その人は国民経済について「全く理解していない」と断言できる。
国家が支払う年金の「真の問題」とは「お金」の問題ではないのだ。何しろ「お金」など、日銀が通貨を発行すれば、それで話が済んでしまう。政府が日銀に命じ、通貨を発行して年金受給者に年金を支給すれば、「財源が枯渇する」などという話は論理的に起き得ない。
無論、読者の多くは「そんなことをすれば、インフレ率上昇が止められなくなる!」と反発を抱くと思う。まさしくその通りだ。政府が通貨発行による年金支出を拡大した日には、インフレ率上昇が止められなくなる。
とはいえ、例えば日本のデフレ深刻度がさらに増し、デフレの真因である「デフレギャップ」が拡大していった場合はどうなるだろうか。国民経済の供給能力が十分以上に蓄積されていると(すなわちデフレ)、政府が年金支出を増やし、年金受給者の需要が増えたとしても、インフレ率は上がらない。
多くの日本国民が勘違いしているが、インフレ率は「通貨を発行する」ために上昇するわけではないのだ。発行された通貨により「需要」が膨れ上がり、供給能力が不足し、インフレギャップが発生するからこそ、物価が上昇するのである。
逆にいえば、通貨を発行しなかったとしても、国民経済の供給能力が需要を大きく下回っていた場合、インフレギャップ発生によりインフレ率が上昇する。
すなわち、年金の「真の問題」とは、お金うんぬんではなく、高齢者の需要拡大を日本国の供給能力では賄いきれず、悪性的なインフレーションが発生してしまうことなのだ。
図で言えば、右の「デフレギャップ」の状況から、左の「インフレギャップ」へと経済環境が移行してしまうのである。インフレギャップが拡大すると、政府は通貨発行で年金を賄うことはできない。逆に言えば、日本国民が投資を拡大し、人材の生産性を高め、常に需要を満たせるように供給能力を高めていけば、別に通貨発行で年金を賄っても、一向に構わないのである。
無論、通貨発行の前に名目GDPを成長させ、税収を増やしていくことが社会保障を維持する王道だ。とはいえ、究極的には年金とは「お金の問題」ではないのである。
■三橋貴明(みつはし・たかあき) 1969年、熊本県生まれ。評論家、中小企業診断士。大学卒業後、外資系IT業界数社に勤務。現在は株式会社「三橋貴明」事務所社長。著書に「国民の教養」(扶桑社)「真説 日本経済」(ベストセラーズ)など。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120525/plt1205250738001-n1.htm
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