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平和ボケの産物の大友涼介です。
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「野田官邸『機密費6億3000万円』はどこへ消えたのか」週刊ポスト2012/06/08号
<書き起こし開始→
■「増税より延命」に方針転換
野田首相は、「政治生命を懸けて、命を賭ける」と消費増税法案の今国会成立を断言し、かたや小沢一郎民主党元代表は、「国民に負担をいただく前にやるべきことがある」と法案反対の姿勢を変えようとはしない。
消費税政局の行方を決める2人の直接会談が決まると、小沢嫌いで増税礼讃の大メディアは、「小沢切りのセレモニー」だと囃し立てたが、それだけなら会談が成立するはずはない。
実は、会談に至る水面下では、野田首相が小沢氏に直接、電話を入れてサシでの会談を求めていた。それに対して、「小沢さんは、”我々に話し合う余地があるのか”と取り合わなかった」(小沢側近)という。
「法案に賛成して欲しい」
「それはできない」
そう持論を述べ合うだけでは、官邸側に都合のいい内容がメディアにリークされ、それこそ「決裂セレモニー」にされることを小沢氏はよくわかっている。
それでも、小沢氏は最終的には仲介者の輿石東幹事長が立ち会うことを条件に3者会談を受け入れた。”落としどころ”は見えているのか。
「総理はここにきて採決より政権延命に舵を切った。官邸では、『チーム野田』と呼ばれる補佐官たちが””代表選選対”をつくり、中間派議員の陳情の面倒を見るなど票集めに走っている。岡田克也副総理や前原誠司政調会長ら有力な代表候補は一体改革の責任者だから代表選の準備をする暇がない。無罪判決を受けた小沢氏も控訴で出馬は難しくなった。
このまま強引に消費増税法案の採決に臨んで失敗すれば政権は終わる。総理も側近たちも、法案を土壇場で継続審議にして、9月の代表選で再選された後、採決に持ち込めば衆院の任期満了まで最長2年政権を保てるという欲が出てきた」(内閣官房の中堅官僚)
継続審議なら、増税解散を阻止して首相交代に持ち込みたい小沢氏も受け入れ可能で、党分裂を避けたい輿石氏の国会戦略とも一致する。三者三様、思惑は違うものの、増税先送りで妥協する芽が出たことで会談の舞台が整ったわけである。
野田首相が皮算用の通り政権延命できるほど情勢は容易でないにせよ、口では「増税に命を懸ける」とか、「ここで決断しなければ野田内閣の存在意義はありません」と言いながら、国民に見せる姿勢と、見えないところでやっている裏工作がまったく違うことが、この政権の本質なのだ。
6億3000万円。それが野田政権が今年3月末までの半年間で使った官房機密費(内閣官房報償費)の総額である。機密費は国内外の機密情報の収集活動などに充てられる資金で、毎月約1億円が官邸の金庫に納められ、官房長官のサインひとつで自由に使える。だが、普天間基地移設問題で怪しい動きが多かった鳩山内閣ならいざ知らず、野田政権下では官邸が直接乗り出すような外交や内政案件はほとんどない。
何に使われたのか。機密費の使途は公表されないが、この間、国民生活に直結する重要な政治課題のポイントで、キーマンが不可解な行動を示して政策の流れが変わることが少なからずあった。機密費の使途を推定しようと政権の舞台裏を探ると、図らずも野田政権が得意とする裏工作が浮かび上がってくる。
■橋下も斑目も再稼働容認に
まず怪しいのは原発再稼働だ。野田首相が就任直後の所信表明演説では極めて慎重な言い方をしていたことを国民は忘れていない。
「安全性を徹底的に検証・確認された原発については、地元自治体との信頼関係を構築することを大前提として、定期検査後の再稼働を進めます」
細野豪志原発担当相はより明確に、「再稼働するかどうかと電力の需給は関係ない。電力の供給がどうあろうとも、原発を再稼働させるかどうかは原発が安全かどうかのみで判断する」と言明していた。
それが今や政権を挙げて「電力が足りないから再稼働せよ」の大合唱である。
再稼働に歯止めが利かなくなった原因は、この人物の腰砕けだった。原発の安全性を科学的に判断する役目を負う原子力安全委員会の斑目春樹委員長である。
斑目氏は今年2月20日、政府が安全審査(ストレステスト)の1次評価だけで原発の再稼働にゴーサインを出そうとしていることに、「1次評価では不十分。安全委員会としての要求を満たすには2次評価まで終わらないといけないと思う」と記者会見でストップをかけた。
ところが、である。3月23日には一転して大飯原発を「安全」とする原子力安全・保安院の評価を追認し、「安全委は安全性の確認を求められているのではない。1次評価を運転再開と結び付けるのは政府の判断で、安全委として申し上げることではない」と完全に態度を翻した。斑目氏は誰に何を言われたことで、いったんは見せた科学者の良心を捨てたのだろうか。
さらに再稼働問題で国民を驚かせたのは橋下徹大阪市長の発言だった。頑なに「安全確認ができていない」と政府の再稼働方針に反対してきた橋下氏が、さる5月19日の関西広域連合の会合では、「1〜3ヶ月なのか、期間限定の動かし方もあるのではないか」と、大飯原発の期限付き再稼働を提案した。
この間、官邸はさまざまな工作を巡らせていた。
野田政権で原発再稼働を推進する中心人物は仙石由人政調会長代行だ。その「特命」を受けて慎重派への工作を担当しているのが内閣審議官を兼務する今井尚哉資源エネルギー庁次長とされる。日本原子力産業協会会長を務める今井敬元経団連会長の甥で「将来の事務次官」の呼び声が高い。これまで京都府や滋賀県庁を訪問し、反原発派の嘉田由紀子滋賀県知事は今井氏から「再稼働しないと電力不足になる」と恫喝されたことを講演で明かしている。
その今井氏は今年2月21日に橋下氏と前原氏が都内のホテルオークラで極秘会談した際に同席していたという情報があり(5月1日付『しんぶん赤旗』報道等)、再稼働への理解を得るために早くから橋下氏に接触していたとみられる。
「橋下市長はじめ関西広域連合の首長たちがいくら再稼働に反対しても、いざ電力不足で病院に電気が届かないような事態になれば彼らが責任を問われる。この夏、他の電力会社から関西電力にどのくらい電力を融通するかもエネ庁の胸三寸。今井さんは硬軟織り交ぜて関西の首長たちを説得し、向こうもずいぶん歩み寄ってきた」(経産省中堅幹部)
官邸の工作は奏功してるようだが、民主党エネルギーPT幹部は、「仙石さんたちは、野田首相に再稼働をやらせて支持率がうんと下がるようなら使い捨てにするつもり」と言い放つのだから、もし再稼働工作に機密費が使われたとすれば、大事なカネで自分の墓穴を掘ったようなものだ。
■自民党議員に「一席設けたい」
消費税増税では、もっと魑魅魍魎が蠢く。
野田首相の側近議員は、「総理は消費税を導入した竹下内閣の国会対策を熱心に研究している」と明かす。当時はまさに国対政治の全盛期で、消費税法案を成立させるために野党に巨額の官房機密費がばら撒かれた。現在では民主党も自民党も批判している「古い政治」の時代である。
ところが、官邸は自民党の中でも、「解散なき大連立」を狙っている「古い政治」の長老グループを標的に工作を仕掛けているフシがある。
そのルートのひとつが、かつて国対政治を担った早稲田大学雄弁会人脈だ。
野田首相側近の手塚仁雄首相補佐官がこの間、雄弁会の大先輩にあたる森喜朗元首相のもとに何度も足を運んだことは永田町の通説だ(手塚氏は否定)。
その森氏の盟友の青木幹雄元自民党参院議員会長には、やはり雄弁会の後輩にあたる安住淳財務大臣が接触している。青木氏はかつて「参院のドン」と呼ばれた大物とはいえ、現職の財務大臣が引退した議員を訪ねて「法案への協力」を求めるのは異例だ。
さらに手塚氏は、森・青木氏周辺の自民党議員たちにもしきりに接待攻勢をかけようとしていた。旧森派議員の1人は、「手塚から一席設けたいとしつこくいってきた」とそれを認めた(手塚氏は否定)。
効果はてきめん。森氏は「谷垣さんは、消費増税に賛成してしっかり副総理に入ればいい」(3月25日の講演)と増税大連立の旗振り役になった。
それだけではない。
自民党では伊吹文明元幹事長、町村信孝元官房長官らが消費増税法案を審議する一体改革特別委員会の理事として”アリバイ国会”を推し進め、それまで党内で逼塞させられていた派閥領袖や長老グループが息を吹き返している。
官房工作の仕上げとみられているのが森氏のロシア訪問計画である。
「プーチン大統領と個人的な信頼関係がある森元首相に一肌脱いでもらうことをお願いしたい」(5月18日の記者会インタビュー)
野田首相は6月18〜19日にメキシコで開かれるG20でプーチン大統領との首脳会議を調整しており、その前に森氏を「首相特使」としてロシアに派遣する意向を明らかにしている。民主党の首相経験者たちを差し置いて野党議員を特使で派遣するなど前代未聞だが、外遊好きの森氏を喜ばせることは間違いない(森事務所は「政府から正式な要請はない」と回答)。
民主党外交部門のベテラン議員は、「あくまでも森さんが断らなければの話だが」と前置きして官邸の狙いをこう見ている。
「昔から議員団の外遊の際には、官邸が野党議員にも機密費を餞別として渡してきた。首相特使として行ってもらうとなれば、相手国要人への贈り物費用や情報収集の名目でまとまった機密費を渡すのは当然のマナーだろう」
自民党は9月に総裁選を控え、長老グループは谷垣降ろしを仕掛けて自分たちの言うことを聞く新総裁へと首を挿げ替える準備をしている。そのためには分資金も必要だ。
「政治の世界は一寸先は闇」というのが、「首相の座」を夢見て野田首相に解散を迫りながら、機密費で総裁の座を追われることになりかねない谷垣氏もまた、いい面の皮である。
■大メディアの異常な”野田マニア”ぶり
野党も国民も恐れぬ野田内閣が最も警戒する敵は、いうまでもなく小沢元代表である。
小沢氏が復権すれば消費増税法案どころではなくなる。一審の無罪判決後、指定弁護士たちは勝ち目が薄いと控訴断念に傾いていると見られていた。しかし、控訴期限直前の5月9日、指定弁護士は一転して控訴を決めた。
それに先立ち、野田政権の中枢幹部が主流派議員と飲んだ席で上機嫌に酔い、こう漏らしていた。
「検審もオレが動かした。これからも小沢は絶対に復活させない」
この発言の主はほら吹きでも知られるから、そのまま信じるような話ではないかもしれないが、話した本人も相手も大臣経験者である。言葉が軽率過ぎるし、一方で、それほど「小沢封じ」が政権の大命題になっていることがうかがわれる。
大メディアも怪しい。本誌はかつて、機密費が新聞の論説委員やテレビのコメンテーターにび流れた疑惑を追及し、当事者たちの貴重な証言も報じてきた。
不人気かつ悪政を次々と繰り出す野田政権と大メディアの蜜月ぶりは、つとに目立つ。支持率は就任半年で20%台と過去最悪のペースで急降下しているにもかかわらず、大メディアの評価はなぜか落ちない。
読売新聞は「谷垣氏は、首相に妥協を促すためにも、消費税と社会保障の対案を早期にまとめるべきだ」(5月15日付社説)と消費税問題でもっぱら野党側に注文をつける。朝日新聞は一見批判的な見出しも目立つが、よく読むと増税路線には「(国民に増税への方針転換を)謝罪しつつ、解散する力を手にしておく。こうした条件を整えないと首相は前へ進めない」(5月18日付社説)とエールを送り、原発再稼働も、「7月から全国的に節電を求める。電力会社からデータを出させ、第三者の目で検証したことは評価する」(5月19日付社説)とべた褒めして政府に加担しているのである。
しょせん大メディアと権力者の関係はそんなものだともいえるが、彼らの”野田マニア”ぶりは異常というほかない。
鳩山、菅両内閣はもちろん、森元首相や麻生太郎元首相などの自民党政権も、大メディアは支持率が高いうちはチヤホヤしたが、下がると掌を返して退陣に追い込んだ。過去の不人気総理と比べても報道姿勢の違いが際立つ。
カネも権力も、使い慣れない者が手にすると、ろくなことにならない。野田官邸は、その両方を見事に証明している。
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