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政治家たちが口から出任せに語る「政策論」や立派な余所行きの「政治哲学」なるものを、僕はまったく信用しない。僕が信用するのは、それが実行に移され、具体的な政治状況や権力闘争の場面で、成功するか失敗するかは別として、現実のもになる場合だけである。
政治家の本質は実践・実行にある。ご立派な政治理念や政治哲学、そして政策を、美しい声で、声高に「語る」ことは、第二義的な問題でしかない。言い換えれば、実践・実行の政治家はいつでも責任をとって「死ぬ」気構えが出来た「葉隠」武士のような存在である。
たとえば、政策論や政治的信念、政治哲学などを、一言も語らずとも、それを実行して見せてくれたら、僕はその政治家の政策論や政治的信念、政治哲学を全面的に、信用する。理論より実践である。実践あっての理論である。政治家の本質は、実践にある。マックス・ウェーバーの「責任倫理」「結果責任」の論理である。
僕が政治家・小沢一郎にこだわるのは、小沢一郎が政治理念や政治哲学はともかくとして、実践、実行の政治家だからだ。実践・実行の政治家は、すぐ結果が出るから失敗すれば責任を問われ、場合によっては政治生命も危うくなる。小沢一郎は黙々と実践・実行するが、いっさい、言い訳や弁明をしない。そういう実存的政治家が僕は好きだ。
ところで、小沢一郎を批判することを生きがいとしている野中広務は、先ごろ、沖縄復帰40年の式典会場で、登壇し、その前に登壇して「米軍基地県外・国外移転論」を再度主張し、首相時代の「米軍基地移設」の失敗を謝罪したのに対して、なにをとち狂ったか、「沖縄県民 に泥を塗ったような人が壇上に上がっていることは、腸(はらわた)が煮えくり返る思いだ」(5月16日付琉球新報)と、例によって意地汚い口調で、激しく批判・罵倒したそうである。
野中広務には、自分の言葉が何を意味しているかが分かっていない。自分は正論を吐いたつもりらしいが、勘違いも甚だしい。野中広務は、沖縄県民に同情するふりをして、利権狙いの日米安保マフィアの「沖縄米軍基地存続論」を主張しているにすぎないのである。そんなことも分からない政治家がまともな政治家であるわけがない。野中広務の「インチキ」「自己欺瞞性」を見抜いている沖縄県民の某氏から、東京新聞に、こんな投書があつたらしい。
・『最低でも県外』とした公約が反故にされたことに対して、私たちは心底怒ったし今も変わりません。しかし、私たちは鳩山氏 から泥を塗られたと思っているわけではありません。むしろ1%足らず の県土に、74%の基地が集中している異常性が誰の目にも見えるよう に明示されたことは、鳩山氏のおかげだと思っています。残念なのは、 立派な信念を実現するだけの政治的力量が鳩山氏に欠けていたことです。 野中氏が鳩山氏に腸が煮えくり返るのは自由ですが、沖縄県民を引き 合いに出して、さも自身は沖縄の味方面をしているのはやめて欲しい。 県民の怒りは、長年沖縄差別を続け・・普天間基地の沖縄県内移設を、今なお進めようという政治エリートや官僚たちへの怒りなのです。 野中氏も当然その一人ではないですか。(「天木直人ブログ」より引用)
その通りだ。野中広務のようなインチキ政治家が、さっさと政治家を廃業してよかった、と言わなければならない。野中広務の最大の業績は「引退宣言」であった。
http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20120526/1337979649
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