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“小沢裁判”で裁判官が無罪にしたワケ…心証はクロなのに
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20120525/dms1205250742007-n1.htm
2012.05.25 連載:読み解き鍵で350度視界良好 夕刊フジ
東京地方裁判所が小沢一郎被告人に言い渡した無罪判決を不服として、検察官役の指定弁護士が控訴したため、舞台は東京高等裁判所に移る。本日は、無罪を言い渡した裁判官が事件の本質をいかに考えていたのか、無罪判決の内容を踏まえながら視界良好にしたい。その読み解き鍵は「心証は黒、しかし、小沢被告人を暴力団組長とは同視できない」である。
私は、判決が出る前から無罪の可能性が極めて高いと思っていた。それは私自身、判決が出る前に有罪判決を想定して実際に犯罪事実の骨子を試しに書いてみたが、筆が止まった。小沢被告人が収支報告書の虚偽記載につき、石川知裕元秘書らといつ気持ちを一つにしたか(共謀)の点がどうしても書けなかった。一般的に共謀が問題となる事件において有罪判決を書くには、犯罪に関し、いつ気持ちを一つにしたかを明示すべき基本ルールがある。その明示がない有罪判決は、その体を成していない。結局、私には、それを明示できる証拠が探せず筆が止まった。
そして、実際に無罪判決が出され、その判決要旨を十数回読んだ私は、その内容に照らし、担当裁判官は心証的には黒であるが、いつ気持ちを一つにしたかを明示することができず、やむなく無罪判決にしたと思った。
ところで、それを明示すべきとの基本ルールには例外がある。それは、最高裁の判例として「暴力団組員が、拳銃を所持して自らの組長のボディーガードをしていた場合には、拳銃所持に関し、組長と組員がいつ気持ちを一つにしたかをはっきりさせられなくても、組長に拳銃所持の刑事責任がある」旨判断したものがあるからである。
この判例の考え方を本件でも適用できれば例外的に、いつ気持ちを一つにしたか明示できなくとも有罪判決が書ける。おそらく、裁判官はこの判例の適用の可否を詰めたものと思う。指定弁護士がこの判例を引用して有罪を主張したことに対し、相応の根拠がある旨をあえて判決で言及しているからである。
ただ、最終的に裁判官の判断として、「暴力団の場合、組員が組長の生命身体を命がけで守るという行動原理があり、組員と組長との間には、拳銃所持(犯罪)につき『あうん』の呼吸によって絶えず気持ちを一つにしているといえるのに対し、小沢被告人と秘書との間には、秘書が命がけで小沢被告人を守るという人間関係までは認められず、小沢被告人と秘書の相互間に収支報告書の虚偽記載(犯罪)につき『あうん』の呼吸で絶えず気持ちを一つにしていたとまでは認めがたい。小沢被告人を暴力団組長に、秘書を配下組員と同視することまではできない。そこで基本ルールに従い、無罪判決を出さざるを得ない」との結論に至ったものと思えてならない。
■若狭勝(わかさ・まさる) 元東京地検特捜部副部長、弁護士。1956年12月6日、東京都出身。80年、中大法学部卒。83年、東京地検に任官後、特捜部検事、横浜地検刑事部長、東京地検公安部長などを歴任。2009年4月、弁護士登録。座右の銘は「桃李言わざれども下自ずから蹊を成す」。
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