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「野田政権はG8首脳宣言を拳々服膺すべし」でも書きましたが、19日に閉幕したG8では、「成長と財政の両立」を謳った首脳宣言が採択されました。緊縮財政も必要だが、成長戦略が不可欠だと、G8諸国は再確認したのです。言うまでもなくこれは、フランスやギリシャ、ドイツの選挙結果を踏まえてのことです。民意は「緊縮ノー」であり、緊縮財政一辺倒では支持を得られなくなったからです。
昨年吹き荒れた「アラブの春」も、米国などがソーシャル・メディアを使って仕掛けたわけですが、若年層を中心に貧困に対する不満が存在したが故に拡大してゆきました。根底に経済問題があるわけです。ウォール街近くから始まり、各地へ広がって行った格差是正デモも同様です。つまり、「既得権益を潰して富を平等に配分せよ」というのが、世界のトレンドになっているのです。
既得権益層に後押しされている各国政府も、次第にその動きを無視できなくなり、G8首脳宣言も民衆に配慮せざるを得なくなったのです。こうした世界の流れに抗しているのが、亡国の野田内閣です。岡田副総理は、国家公務員の新規採用を抑制し、定年を延長するという若者いじめの政策を平然と語っています。母校東大の講演で学生から批判されましたが、当然でしょう。批判されても岡田氏は正当化するだけで、カエルの面に何とかという有様でした。
消費税増税しか頭にない野田総理ですが、いくら愚鈍でもG8に出席したのですから、増税が不可能であることぐらい悟らねばなりません。潮目は変わり、緊縮一辺倒から成長戦略重視へ転換したのですから、我国でも増税のゴリ押しはできません。日本国民の民意も、世界の潮流に合わせるが如く、60%の人たちが拙速な増税に反対しています。
民意というのは概ね正しいものですし、民主主義国なら当然尊重しなければなりません。まともな政治家なら、自身の不明を恥じて退陣するところでしょう。ところが、国会の論戦を見ても、野田総理の増税方針には変化がありません。それどころか、マニフェストと民意を重視して増税に反対している小沢氏に会って説得しようとしています。何ともKYな男で、最早犯罪的です。
野田総理はG8に出席したのですから、首脳宣言にも同意したはずです。しかし、どうも理解していないようです。昨日付の「日刊ゲンダイ」には、G8のお粗末な光景がすっぱ抜かれていて、東海東京証券チーフエコノミストの斎藤満氏はこう述べています。(http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-5871.html)
「今回のサミットは原点回帰で、普段着の各国首脳が小さなテーブルを囲むスタイルでした。そのため、イヤホンで同時通訳の言葉を聞くための機器も用意されていなかったようで、野田首相は盛んに後ろを向き、日本語によるレクチャーを受けていた。それだけに気になるのです。もしかしたら、その場で何が話し合われていたのか、本当は分かっていないのかもしれません」
何と同時通訳がセッティングされていなかったというのです。他の首脳は皆英語ができるでしょうから、野田総理だけが蚊帳の外に置かれていたわけです。「アイツはいてもいなくても同じだから放っておけ」ということになったのでしょう。これでは恥をかかされるために行ったようなものです。
外務省の役人が概要を教えたはずですが、正確なのかどうか確かめようがなく、充分な意思疎通が図れなかったことは間違いありません。本来なら外務省が同時通訳をセッティングすべきですが、小さなテーブルを囲んで和気藹々とやっているという演出を優先する方を選んだようです。
だから実際にはどのようなやり取りが会合でなされたのか、分らないのです。部外者が知り得ないのは当然ですが、出席した総理大臣も解らないのでは話になりません。ロシアのプーチン大統領が欠席したのは何らかの情報を掴んでいたからで、野田総理のように恥をかかされる懸念があったのかも知れません。(もちろん、英語ぐらいできるでしょうが…)
野田総理を増税一色に染め上げたのは財務省ですから、KYということで言えば、この役所が諸悪の根源です。彼らは東大法学部を卒業して難関の公務員試験を突破したエリートですが、本当の意味で頭がいいわけではなく、辻褄合わせに長けているだけです。与えられた条件の中で解法を探すことは得意ですが、その前提が正しいかどうかまで考えが及びません。
政策を実行させる際には能力を発揮しますが、立案は不向きです。その彼らが増税方針で望んでいるのですから困るのです。ある霞が関関係者は、こう述べています。「財務省は景気回復を望んでいないのです。景気が上向いて金利が上がれば、国債の発行コストが増え、財政負担が大きくなる。だから、国民生活にプラスとなる経済政策を用意しようという気がない。デフレ万々歳。経済が拡大して、インフレになる方が困るのです」 (同前)
「国の借金が増えたら、利息の支払も増加する。そうなったら困るから、不景気で金利が低いままの方がいい」「国の借金が増えすぎたから、増税して減らそう」財務省の役人は、単純にそう考えているのです。岡田副総理も同様でしょう。
自分たちのことだけを考えていたら、当然こうなります。企業や国民生活がどうなろうと、知ったことではないのです。普通の人なら、「そんなバカな」と思うでしょうが、官僚組織に入ると、自省の利益しか顧みなくなります。自分たちの省益しか考えなくなるのです。
この悪弊は昔から指摘されていますが、強固な組織論理故に改められることはありません。一度解体しないと無理でしょう。先の大戦でも主要省庁は潰されることなく生き延びましたから、その体質は筋金入りです。官僚組織を解体するには、戦争のような強力な外力が必要ですが、その場合は国自体が亡んでしまう危険性があります。このままではこの国は、官僚組織とともに自滅することになります。その前に起死回生の動きが起こればよいのですが…。
http://yokodo999.blog104.fc2.com/blog-entry-636.html
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