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田代検事の「不起訴と懲戒処分」観測報道 法務・検察の内部抗争激化か
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/1f99a7f0b768948b368396fcaf4c3a71
2012年05月24日 世相を斬る あいば達也
懲りもせずに、法務省か検察の世論動向調査報道がなされている。田代検事の処分は、たしか人事処分から懲戒処分に格上げ?された筈だ。田代検事に虚偽記載と云う積極的行為をさせた組織的、時系列的問題に触れず、当時の田代検事の上司に当たる人々を、人事処分ではどうだろうか?世間の反応を調べて欲しい、と癒着報道機関に依頼したような”観測報道”である。東京地検が内定したと云う、田代検事不起訴処分の流れから出来あがっていた、シナリオ通りなのだろうが、ことはそれほど簡単には行かない様相になっている。以下が、田代検事関連の朝日新聞と、佐久間検事ら関連の産経の観測記事である。
≪ 石川議員を聴取の検事、嫌疑不十分で不起訴へ
http://www.asahi.com/national/update/0516/TKY201205150820.html
石川知裕衆院議員を取り調べた検事が、虚偽の捜査報告書を作成したとされる問題で、検察当局が、虚偽有印公文書作成・同行使容疑で市民団体から刑事告発された田代政弘検事(45)=現・法務総合研究所教官=について、嫌疑不十分で今月中に不起訴処分とする方向で最終調整を進めていることが分かった。
「逮捕中のやりとりなどと記憶が混同した」とする田代検事の説明には、一定の合理性があると判断した模様だ。ただし、人事上の処分はする方針だ。
田代検事は2010年5月、「検事から『うそをつけば選挙民を裏切ることになる』と言われたのが効いた」と石川議員が語ったなどのやりとりを記載した。≫(朝日新聞)
≪ 石川議員の取り調べ「不適切」 担当検事、懲戒処分へ
http://www.asahi.com/national/update/0521/TKY201205200477.html
東京地検特捜部の田代政弘検事(45)=現・法務総合研究所教官=による石川知裕衆院議員の取り調べについて、検察当局は20日までに「不適切な取り調べだった」と断定した。捜査報告書に事実と異なる記載をしたことと合わせて懲戒処分が相当と判断。近く法務省と協議した上、内部調査の結果を公表する方針だ。
田代検事は2010年1〜2月、小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」による土地取引をめぐり、政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で逮捕された石川議員の取り調べを担当。同年5月には、検察審査会が小沢氏を「起訴相当」と議決したのを受けた再捜査でも、保釈中の石川議員を調べた。
同年5月の調べでは石川議員が「隠し録音」したため、(1)虚偽記載とは別の容疑で特捜部が再逮捕できる(2)小沢氏の関与を否定すると、検察審査会の 判断により小沢氏が強制起訴される――などと田代検事が取り調べの中でほのめかしていたことが発覚。小沢氏と元秘書の公判ではそれぞれ、東京地裁から「虚偽供述に導く危険性の高い取り調べ」「威迫とも言うべき心理的圧迫と利益誘導」などと批判を受けた。≫(朝日新聞)
≪【陸山会事件】田代検事の上司 元特捜部長も処分へ
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120523/crm12052308090001-n1.htm
資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で、小沢一郎民主党元代表(69)の元秘書、石川知裕衆院議員(38)を取り調べた元東京地検特捜 部の田代政弘検事(45)が虚偽の捜査報告書を作成した問題で、法務・検察当局が当時の佐久間達哉特捜部長(55)=現法務総合研究所部長=に人事上の処分を科す方針を固めたことが22日、関係者の話で分かった。訓告処分とするか、国家公務員法に基づく懲戒処分とするか最終調整を進めている。
法務・検察当局は既に田代検事を懲戒処分とすることを決めており、佐久間元部長以外の当時の東京地検幹部についても、訓告処分などとする方向で検討している。来週中にも処分を発表する方針。
問題の報告書は平成22年5月17日付で、小沢元代表を起訴相当とした検察審査会の1回目の議決後に作成され、石川議員が話していない内容が含まれていた。田代検事の捜査報告書の記述は、特捜部副部長が作成した別の捜査報告書にも引用され、ともに検審に資料として提出されていた。
佐久間元部長は、副部長の捜査報告書で小沢元代表の関与をうかがわせる部分に下線を引いて強調するなど手を加えており、法務・検察当局は積極的な関与を 重視したもようだ。≫(産経新聞)
東京地裁の大善裁判長の判決要旨における、極めて異例の指摘そのものを無視する形で幕引きを図ろうと思うけど、皆さんどうですか?と問いかけているようでもある(笑)。田代検事が懲戒処分を受ける程重大な行為を行ったのだとすれば、なぜそのような行為に至ったが問われるが、減給、戒告程度の懲戒処分であれば、個人的資質によるウッカリと云うことだ。笑わせる話だが、世間はこの程度で騙せるかも?と云う、国民を完全に舐め切った態度が観察できる。
八木啓代女史が徹底抗戦の姿勢を貫いているので、陰ながら応援を送ろうと思う。女史は、ブログ・ツイッターで情報を発信すると同時に、告発と云う具体的行動にも出ているわけで、尊敬に値する。当初の告発は最高検察庁から東京地検刑事部扱いに回されたようだが、最近になって、最高検察庁事務局から同女史の告発受理の知らせがあったようである。どうも、法務省・検察内部においても、「誤魔化し派」と「組織修正派」の権力闘争が展開されているようである。
おそらく、起訴猶予ではなく、「嫌疑不十分の不起訴」でお茶を濁さないと、あらゆる点で矛盾が露呈するので、「記憶の混同」一本槍で、起訴便宜主義と云うか、起訴独占主義の弊害が露呈した典型的事犯になるのは確実で、此の儘「不起訴」を押し通せば、日本の検察の構造自体が今後の重大な政治課題に成長していくことになるだろう。嫌疑不十分で不起訴の検察官を「懲戒処分」する事は、不注意に対する懲戒で、常識的には免職はありえないだろう。免職ともなれば、田代検事の法務人生の終焉であり、個人的抵抗に遭うだろう。「洗いざらい話しちゃう」(笑)。また、嫌疑不十分で、不起訴の検事を免職にする事は、矛盾が生まれる。最高に重くて停職だが、それでも嫌疑不十分との整合性がない。不注意だから、減給だろう(笑)。
それで、一件落着は絶対に無理で、国民に永遠の検察庁への不信感を生む事になるだろう。なにせ「記憶が混同した」と被疑者が発言するのが流行語大賞をとる事態になれば、モノ笑いのタネである。大阪地検特捜部の前田元検事の犯罪よりも悪質なのは自明なのだから、佐賀検事、大坪元特捜部長らへの処分以上でなければならない犯罪、最低でも同等である必要があるのだ。最高検察庁が、重い腰を上げざるを得なくなった点について、筆者は大坪元特捜部長の弁護団に郷原氏が加わった事が大きな影響を与えたと推察する。
郷原氏は弁護団参加に際し、大坪被告と腹を割って話し合い、“同氏を無罪には出来ないかもしれないが、同氏が検察組織の加害者であり、被害者である事を洗いざらい語る事で、検察官として、人間として、正義の陳述をすべきだと約束を取り付けた故の参加だ”と云う趣旨の発言を、会見で語っている。マスメディアは郷原参加だけを伝えているが、さにあらずだ。
郷原氏の弁護団参加自体が最重要問題ではなく、大坪氏が“腹を決めた”部分が重要なのである。おそらく、無罪の方向で決着するだろうと読んでいた同氏の被告人陳述は奥歯にモノが挟まった歯切れの悪さで、一審において裁判官の心証さえ悪くしていたようだ。しかし、大阪地裁の判決は懲役1年6カ月、執行猶予3年だった。同氏は「勾留百二十日 特捜部長はなぜ逮捕されたか」 を昨年末、文藝春秋より出版した。その中で「検察の全てを話す…」と“ほのめかし”な意志を書いているが、その時点では本気ではなかっただろう。裁判所と検察の癒着構造に期待し、無罪だと信じていた筈なので、本の中での“ほのめかし”は司法関係者へのブラフだったろう。
しかし、現実は同氏の期待を裏切り「有罪」だったわけだ。そこで、今度こそ本気で「洗いざらい」と云う勝負に出たのだろう。大坪弘道被告は、例の大阪高検公安部長・三井環氏を直接取り調べを行った担当検事であり、そこまで洗いざらいとなると、検察は堪ったものではない。郷原氏は、検察改革を命題に弁護士活動を行っている立場なので、大坪氏と郷原氏の思惑の一致度によっては、想像もつかない大疑獄事件に発展するわけであり、又東京地検特捜部の小沢事件への波及も必至の情勢になる。このような状況下で、法務検察が、田代検事問題における半端なお茶濁しが、致命傷になる恐れが出始めた点が最大のポイントだ。
大坪氏と郷原氏の思惑が今後の公判弁護活動において、一致するとは限らないが、一致してしまう可能性もあるだけに、最高検察庁としても、筋の通った東京地検特捜部の組織的犯罪への対応を求められる立場に追い込まれつつあると読むのが現時点での分析だ。この問題の対処の対応次第では、マスメディアも検察に追随できない状況も生まれ、全面的検察バッシングに、日本中が包まれる危機である。何故か、原発事故によって、徹底的に暴露されている電力行政・企業の闇と同様の構図になりかけている。笠間検事総長の決断が待たれる!
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