http://www.asyura2.com/12/senkyo130/msg/447.html
Tweet |
【社会保障改革のウソ】笑止千万の民主“一体改革”に騙されるな!(ZAKZAK)
2012.05.22
野田佳彦政権は「税と社会保障の一体改革」と標榜し、消費税増税路線を邁進している。今回の連載では、上記の「社会保障」あるいは「社会保障の財源としての消費税」に焦点を当ててみたい。
財務省の得意技の1つに、国民に「木を見せ、森を見せない」というものがある。情報の一部だけを小出しにし、全体像は決して語らず、国民の危機感をあおり、あるいは国民を納得させ、結論が決して変わらない目標(増税)を実現しようとするわけだ。
「木を見せ、森を見せない」ことによる、増税実現のための代表的なレトリックの1つに「日本の消費税はわずかに5%。それに対し、イギリスは17・5%、フランスは19・6%、スウェーデンは25%。他の先進国と比べ、日本国民は社会保障などのための負担をしていないのです。だから、増税」というものがある。
イギリスの消費税は確かに17・5%だが、食料品はゼロだ。フランスやスウェーデンにしても、食料品の消費税は、それぞれ5・5%、12%と低く据え置かれている。生活必需品についてまで一律の税率を適用している国は少数派なのだが、その話は置いておいても、上記のレトリックはおかしい。何しろ、日本国民の公的負担は、別に消費税に限らない。
国民が政府の公的支出(社会保障支出、公共事業費、教育費など)を負担する際の手法は、主に2つある。1つは税金(租税負担)、2つ目が健康保険料や年金保険料などの支払い、すなわち社会保障負担になる。
国民所得に対する租税負担の割合を「租税負担率」、社会保障負担の割合を「社会保障負担率」、そして租税負担率と社会保障負担率を合計したものを「国民負担率」と呼ぶ。
国民が政府の公的支出のためにどの程度の負担を強いられているか否かは、国民負担率で比較されるべきで、「税金の一部」に過ぎない消費税の税率で語られるなど、ナンセンス極まりないわけだ。
図の通り、2008年の日本の国民負担率(=租税負担率+社会保障負担率)は40%程度で、別に主要国の中で突出して低いわけではない。しかも、社会保障の負担に限れば、実は日本国民はイギリスやスウェーデンよりも「現時点で」多めに負担しているのである。消費税の税率と社会保障の維持を絡めて語るならば、少なくとも図のような「事実」を認識していなければならないはずである。
全体を知らずに「税と社会保障の一体改革」を語るなど、
笑止千万としか言いようがないのだ。
■三橋貴明(みつはし・たかあき) 1969年、熊本県生まれ。評論家、中小企業診断士。大学卒業後、外資系IT業界数社に勤務。現在は株式会社「三橋貴明」事務所社長。著書に「国民の教養」(扶桑社)「真説 日本経済」(ベストセラーズ)など。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120522/plt1205220748003-n1.htm
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK130掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。