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平和ボケの産物の大友涼介です。
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「そして増税派はいよいよいなくなった〜大新聞がなぜか書かない”消費増税反対派”勢力図」週刊ポスト2012/06/01号
「永田町深層レポート」〜そして増税派はいよいよいなくなった〜
<書き起こし開始→
霞が関と首相官邸と大メディアが手を携えて消費増税を実現しようと突き進む姿を、本誌はこれまで大本営発表とか、増税翼賛会と呼んで批判してきた。
いよいよ消費税法案の審議が始まった今の国会は、確かに翼賛政治ではあるのだが、むしろもっとみじめな姿だ。ミッドウェー海戦に負け、戦線は日に日に後退し、兵站の蓄えも蓄えも補給ラインも失っているのに、戦争を推進した責を負うことが嫌で、誰も「もう負けだ」と言えずに無駄な戦いを続けてしまった終戦直前の様相を呈している。
■”消費増税賛成派”と”消費増税反対派”の勢力図
大新聞やテレビの筋書きはだいたいこうだ。
民主党内には「増税に反対する非主流の小沢派が100人いる」ものの、「自民党が解散と引き換えに消費増税に賛成する」から法案は成立する。あえて意地悪く言えば、”皇国に敵対する鬼畜米英の部隊はまだ近海にうろついている”が、”大東亜共栄圏の同胞とロシアが共闘して敵を打ち破る”と叫んでいるようだ。
事実は、財務官僚、野田執行部、大メディアのいずれもガックリと肩を落とす八方塞である。
まず民主党内だが、衆院約300人の内訳は、ざっと執行部派(増税賛成)が100人、小沢支持派(増税反対)が100人、中間派が100人といったところ。
執行部は、いざ法案採決となれば党議拘束がかかるから、中間派は賛成に回り、小沢派も切り崩せば何割かは賛成するとみる。一方の小沢派は、党内論議がきちんとした手続きで行われておらず、執行部が勝手に討議を打ち切って法案を作文したのだから党議拘束などかけられるはずがないと突っ張っている。
小沢派は党内最大勢力とはいっても、選挙の基盤が弱い1、2回生議員が大半で、代表選の投票行動などを見ても、確かに執行部から揺さぶられるとぐらつくものも少なくない。やはり中間派がまとまって賛成に回るのか、それともその中から反対勢力ができてくるのかが鍵を握る。
中間派には2つの流れがあり、1つは「経済成長優先派」で、デフレ不況下に増税することに反対する馬淵澄夫元国交相や小沢鋭仁元環境相らが中心。両氏が昨年末に発足させた「円高・欧州危機等対応研究会」はその牙城と見られており、現在、76人の議員が名を連ねる。研究会の幹事で、「小沢派とは一緒に行動しない」という中間派の初鹿明博代議士は「一体改革の大綱に反しているのは執行部であり、党議拘束なんてとんでもない。今の法案には到底、賛成できない」と憤る。
もう1つが、長妻昭元厚労相ら社会保障部門会議のメンバーが中心の勢力で、「一体改革というが、増税の話ばかりで社会保障の充実がまるでない」というのが主張の柱。大きな勢力ではなく、グループとして結束しているわけでもないが、仙石由人政調会長代行や前原誠司政調会長らが強引にまとめた「一体改革案」に対しては、「もともと菅内閣が引っ張り込んだ与謝野馨前経済産業相や財務省OBらが作ったもので、民主党のオリジナル案ではない」(関係議員)という不満が強く、その案を前原氏らが討議を打ち切って押し通した経緯にも恨みが深い。
さらに後章で述べるように、自民党の無茶苦茶な修正要求に一番敏感に反応するのもこの勢力なので、執行部としては実は扱い難い「うるさ型」である。
「一人狼」にも強硬な反対派がチラホラ。元自民党の小林興起代議士は今から”造反”を明言する。
「消費増税にはもちろん反対です。採決になったら反対票を投じます。執行部は反対意見を押し切って採決に持ち込むでしょうから、私のように党を出る覚悟がなければ反対できません。
野田さんは自民党と手を組んで『増税党』を作ろうとしているのでしょうが、それならば私は反増税の第三極を作ります」
大本営発表とは異なり、民主党内は増税反対派の方が数も多く、活動、発言も威勢がよいのである(もちろん報道されないが)。
■自民「修正案」に盛られる毒
さて、「増税党」の伴侶となる自民党は、本当に包囲されつつある野田本陣に援軍として駆けつけるのだろうか。これもNOである。
谷垣禎一総裁は「自民党の考え方と首相の考え方は基本的に同じ方向を向いている」(4月16日の講演)とラブコールを送り、審議拒否だといって”対決姿勢”を演出していたはずの一体改革特別委員会の野党筆頭理事に伊吹文明元幹事長、党の税調会長に野田毅氏という大蔵OBの増税派を抜擢して、「増税賛成サイン」をビシバシ出している。
翼賛メディアが報じるのは、この”華々しい援軍の将軍たち”だけだが、現場の兵士たちの士気はまったく上がっていない。
「ゴールデンウィーク明けに各委員会の筆頭理事と参院の国対が集まって増税法案への対応を協議した。もし衆院で可決されたら参院はどう対処するかという議題だったが、結果は『衆院で採決できないだろう』ということで終わった。笑い話のようだが、民主、自民の党内勢力をきちんと色分けして出した結論だ」
自民党国対幹部はそう苦笑する。要するに、谷垣執行部を除いた自民党幹部は、消費増税が実現するとはまったく思っていないのである。
いや、執行部以外に増税派がいないわけでもない。森喜朗元首相は講演で、「谷垣さんは、消費増税に賛成してしっかり副総理に入ればいい」
とエールを送り、消費税と引き換えに大連立したいという邪心を隠しもしない。前述の伊吹、野田両氏を含め、自民党長老の中にも増税賛成派が多少はいる。「あの人たちの頭にあるのは、第一に『解散しないで政権復帰したい』ということ。次の選挙が怪しい旧世代の考えそうなことだ。第二に、かつて党税調が税制を牛耳って各種業界団体に睨みを利かせていた”古き良き時代”が消費増税でまたやってくるという勘違い。軽減税率をどの品目に認めてやるかを差配して利権にしようという狙いなのだろう」(自民党中堅議員)
一方、多くの自民党議員は増税に反対だ。本誌取材に増税反対を明言した(4月13日号)菅義偉元総務相、中川秀直元官房長官ら実力者が谷垣執行部に従う可能性は低く、安倍晋三元首相も菅義偉氏らと同調して反増税の立場だ。
野田政権は、自民党が近く出す修正案を丸呑みすれば手が組めると思っているようだが、その修正案こそが自民党からの「最後通牒」になる可能性がある。
「修正案には、民主党が絶対に呑めない『毒』を入れることになる。総合こども園計画の撤回、最低保障年金の撤回、後期高齢者医療制度の廃止の撤回などが候補になる。無理難題を突き付ければ民主党内がまとまらないから採決に至らないだろう」(自民党政調幹部)
その「毒」に真っ先に反応するのが、前章で述べた長妻氏ら「社会保障グループ」の議員たち。そうでなくともマニフェスト無視の野田、仙石、前原一派に苛立っているところに、自民党の要求で目玉政策まで潰されれば、もはや党議拘束があろうとなかろうと増税反対に回るだろう。
■幹事長室「明け渡し」の珍事
自民、民主がまとまらないのは、法案をめぐる多数派工作、勢力争いが9月の総裁選、代表選と絡むからでもある。
民主党の中間派糾合の動きは非常にきな臭いし、自民党では、本来は増税賛成派の石破茂前政調会長が執行部と距離を置くのも総裁選を睨んだ「遠回しの谷垣降ろし」と見られている。安倍氏の増税反対も再登板狙いとの説が有力だ。
一方、増税派に擦り寄ったのが石原伸晃幹事長。もともと「言うことをよく聞く」と、かつて森氏や青木幹雄元参院議員会長らに可愛がられた(重宝がられた)無味乾燥な人で、今度は前出の伊吹氏の子分になって「谷垣の次」のご指名を待っているらしい。
「伊吹さんは石原さんを完全に見下しており、『この委員会では私が幹事長であり国対委員長だ』と全権掌握を宣言し、言葉だけでなく院内の自民党幹事長室を石原さんから奪い取って自分で使い始めた。こんなことは前代未聞だが、石原さんは何も言わない」(前出・中堅議員)
かつては総理さえ一目置いていた自民党幹事長の地位もここまで落ちたか。所詮は衆院117人(参院82人)しかいない”中政党”になった悲哀なのか。その中でいったい何人が増税に賛成するのかというと、
「長老がまとめられるのは、せいぜい衆参40〜50人。谷垣さんが動かせるのが、悲しいことに10人くらい」(前出の国対幹部)
というのだから、推して知るべしである。本誌取材にも、「若手を中心に増税反対が多い。情けないことに自民党執行部には、ちゃんとしたリーダーがいない」(松浪健太代議士)と、執行部の方針ばかりか陣容にまで異を唱える若手が何人もおり、求心力はない。
多少色をつけて、民主、自民それぞれの半分が衆院の本会議採決で増税に賛成したとしても、210程度で過半数(241)には遠く及ばない。公明党の21議席が加わればきわどい勝負に持ち込めるが、その見込みは日に日に薄くなっている。政界情勢に通じた創価学会幹部は明言した。
「3つの理由で公明党は増税に賛成しない。1つ目が選挙日程。民主党の輿石東幹事長は来夏の衆参同日選を口にした。これは都議選と日程が重なるから絶対に認められず、民主との協力には党内、学会に反対論が多い。2つ目は学会員に消費税が不人気であること。そして3つ目は大阪維新の会との関係。増税に手を貸して自民と選挙を戦うより、反対して維新と共闘する方が公明党にはメリットが大きい」
維新の会は増税に反対の立場を取り、公明党とは「喧嘩せず」だ。公明が奪還に燃える大阪の4選挙区、兵庫の選挙区には候補を擁立しない見通しで、公明にとっては悲願だった「常勝関西の復活」が成る。そして、「二股」かけられた自民が捨てられることになる。
官僚と記者クラブに踊らされた「増税党」の命運は尽きている。次の選挙では、有権者は誰が増税党だったか、そうでなかったか、しっかり覚えて一票を投じることになるだろう。
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