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陸山会事件:「虚偽」捜査報告書…背景に検察内部の「溝」
http://mainichi.jp/select/news/20120522k0000m040127000c.html
毎日新聞 2012年05月22日 02時30分
小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」を舞台にした政治資金規正法違反事件を巡り、元秘書の再聴取時に実際にはなかったやり取りが記載された「虚偽」の捜査報告書が作成された問題で、検察当局は月内にも内部調査の結果をまとめる。刑事告発された田代政弘検事(45)は故意の虚偽記載を否定し、当時の上司らも「虚偽とは知らなかった」と説明。刑事責任は問われずに決着する見通しだが、問題の背景には捜査方針を巡る検察組織内部の大きな溝があった。【山本将克、島田信幸、鈴木一生】
規正法違反事件で東京地検特捜部は10年2月、衆院議員の石川知裕被告(38)ら元秘書3人を起訴し、元代表を不起訴とした。だが、東京第5検察審査会は同年4月、元代表を「起訴相当(起訴すべきだ)」と議決。検察に再捜査を求めた。
複数の検察関係者によると、元代表の刑事処分を巡り、検察内部は当時、最高検検事(後に東京地検次席検事)や特捜部長ら「積極派」と、最高検幹部らの「消極派」に分かれていた。石川議員は逮捕・勾留中に「(虚偽記載した)収支報告書の内容を元代表に報告し了承を得た」と供述。積極派は「元代表の起訴は可能」と主張したが、消極派は「石川供述には迫真性がなく有罪立証には弱い」と後ろ向きだった。当時の幹部は「起訴相当の議決が出て積極派は『我が意を得た』と思ったはず」と振り返る。
この背景にあったのが、検察審が「起訴すべきだ」と2度議決すれば強制的に起訴されるという新制度を導入した09年5月施行の改正検察審査会法だ。1度目の議決を受けた再捜査は従来より議決を尊重する必要があり、最高検も同年春、各地検へ同様に通知した。
議決後の再捜査で積極派の幹部らは、田代検事に石川議員の供述を維持させるよう指示。10年5月17日、田代検事による約5時間の再聴取で石川議員は勾留中と同じ内容の供述調書に署名した。
ここで「ボタンのかけ違い」(検察関係者)が起きた。田代検事は「再聴取の後になって捜査報告書の作成を指示された」(内部調査への説明)という。指示通りの供述調書を取ったため証拠価値の低い報告書を作ることまで想定していなかったとみられ、メモも取っていなかった。ある幹部は「再聴取時、2人(石川議員と田代検事)の間では勾留中の取り調べ内容が『大前提』となっていた。それが(報告書に誤って)記載された可能性を否定できない」と指摘する。
一方、当時の佐久間達哉特捜部長(55)ら積極派は田代検事の報告書などを基に、検察審向けに再捜査状況をまとめた別の報告書を副部長名で作成させ、元代表の関与が疑われる箇所に下線を引いた。元代表側から「2度目の議決に影響を与えようとした」と指摘されていることに対し「議決を受け不起訴前提の再捜査はできない。下線は捜査結果を分かりやすく説明するため引いただけ」と主張しているとされる。
だが、検察には「検察一体の原則」がある。検察首脳の一人は「再捜査でも新しい証拠はなかった。検察一体で一度不起訴にした事件は、たとえ新制度の下でも不起訴維持の姿勢が妥当」と指摘。組織の意思から逸脱した積極派を厳しく内部処分する可能性も示唆した。
◇捜査報告書◇
警察官や検事が捜査の経過や結果を明らかにするために作成する公文書。内容は多岐にわたり、裏付け捜査の結果や取り調べ状況のまとめなど。主に捜査指揮の判断材料に使われ、内部文書として扱われることが多い。作成に法的根拠はなく、容疑者や参考人の署名・押印も不要。このため刑事裁判では被告側が同意した場合などを除き、原則的に証拠として使えない。
◇検察一体の原則◇
一人一人の検察官は容疑者の起訴、不起訴を決める権限を持ち(独任官庁)、政府や国会から独立して権限を行使することが保障されている。その一方で、個々の検察官が行き過ぎた事件処理をしないよう、検察庁法は上司の指揮命令に従う義務も規定しており、この原則を指す。
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