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政治がギリシャ化しているこの国 野田政権下のこの国はどうなるのか
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2012/5/21 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
【経済で日本はギリシャになるというがすでに政治はギリシャ以下】
政権を握りメチャクチャをやっている小沢排除の民主党執行部の恐るべきファッショ体質
ギリシャから送られてくる映像を見ていると、衝撃を受ける。腐っても欧州、それも風光明媚な観光国で、若い白人男性が物乞いをし、配給の食料に人々が列をつくっているのだ。
それを借金民主主義のツケだと切り捨て、だから財政規律が大切なのだ、と説く論調がある。ギリシャがこうなったのは、金がないのに借金を続けて、バラマキ政策をやめなかったせいだ。日本も似ている。「反面教師にすべし」と言うのだが、とんでもない話だ。
ギリシャの国債は海外投資家の保有が約7割。だから、信用不安が投げ売り、大暴落を招いた。一方、日本国債は95%が国内保有だ。同列に論じるのはおかしいのだが、そんなギリシャと日本で実は似ているところもある。
目を覆うような政治の劣化、政治家の無責任、身勝手、タチの悪さだ。
ギリシャでは6月17日に再選挙が行われる。今月6日の選挙ではどの政党も過半数を得られず、連立協議も破綻したからだ。第1党は新民主主義党(ND)。ここが全ギリシャ社会主義運動(PASOK)と連立を組んで、EUから支援を受けるための緊縮政策を進めてきた。これに怒った国民が緊縮政策見直しの急進左翼進歩連合に投票。同党を第2党に押し上げ、NDとPASOKは大きく議席を減らした。
パプリアス大統領が連立内閣の調整をしたが、失敗。官僚・有識者内閣の提案も退けられた。仕方なく、国会を19日に解散し、再選挙することになったのだが、これがギリシャのEU離脱→欧州危機再燃→世界恐慌の連想を生み、株価が暴落しているのは周知の通りだ。
◆国民が苦しんでいるのに権力ゲームか
さて、この間ギリシャの政治家は何をしてきたか。NDとPASOKの議員はエリートの金持ちだが、やっぱり、保身に走っている。
「再選挙になったのは7党の連立協議が破綻したから。そうなったのは、それぞれが勝手な思惑で動いているからです。今こそ挙国一致内閣をつくるべきなのに、例えば、NDには再選挙になれば揺り戻しが期待できるという思惑がある。そのため、まだ時間的余裕があるのに、あっさり協議を打ち切った。世界恐慌を脅しに使って返り咲きを狙っているのです」(特派員)
ジュネーブ在住の国際政治学者、安井裕司氏はこう言った。
「自分たちさえよければいい。ND、PASOKのエリートト政治家の中には、こうした考えの持ち主が少なからずいるでしょうね。一方、今回、選挙で勝ってきたのは素人集団の非エリートたち。こちらもバラバラでまとまらない。結果、国民のために大局に立てる政治家がいなくなってしまったのです」
国民が飢え、苦しんでいるのに、政治が機能停止なのである。庶民に犠牲を強いて、政治家が平然としている姿勢。国民の窮乏を尻目に権力ゲームにウツツを抜かしていられる神経。こういうところが日本とダブる。
「政治家がどこを見て仕事をしているのかです。少なくとも日本の政治家は国民の方を見ていない。見ているのは官界、財界、米国です。だから、震災対応をソッチノケにして、ひたすら大増税に走るのです」(ジャーナリスト・斎藤貴男氏)
ギリシャの政権中枢がEUしか見ていないのと同じだ。とはいえ、EUはギリシャにとって債権者。顔色をうかがうのは分かる。そういう事情がないのに国民無視の野田は、ギリシャよりもタチが悪いというしかない。
【いま、なぜ、大増税なのか】
そんな野田政権が狂奔しているのが消費税だ。世界経済は恐慌寸前なのに、増税でさらに景気を悪化させようというのだから狂っている。しかも、消費増税は選挙で「しません」と約束したのだ。だから民主党内は分裂寸前だし、国民は世論調査で6割が反対するほど怒っている。理解不能の狂気である。
野田や財務省は、「財政赤字を放置したら国債が暴落してギリシャのようになる」とかシタリ顔でぬかすが、デタラメだ。経済評論家の山崎元氏がこう言う。
「財政赤字の拡大で起きる副作用は、長期金利の上昇(国債価格は下落)、インフレ、円安です。しかし、現実は、金利は低位安定しているし、物価上昇率は1%にも届かない。為替は円高で困っている。いま必要なのはデフレ対策。財政は緊縮ではなく、むしろ拡張すべきです」
腐敗堕落した政権は、いつもこうしたインチキで国民を脅すのだ。ギリシャ政府も「緊縮策を受け入れなければ未来はない」と国民を脅したが、総選挙でNOを突きつけられた。
野田もその理由を考えてみるといい。グローバリズムは格差を生み、大半は負け組に落ちる。社会的恩恵が得られず、生活苦にもがき苦しんでいるところへ増税では反乱必至だ。
「それなのに霞が関の官僚たちは自分たちの権限拡大しか頭にないのです。彼らは国家が破綻すると思っていない。いくらデフレが進行しても、失業しない役人にしてみれば痛くもかゆくもありません。だから毎年の予算編成では当たり前のように前年と同額の支出を積み上げる。現状維持を踏襲する。政治家はそんな官僚のレクチャーを受け、言いなりです。それで増税が通用すると思っているのでしょうか」(山崎元氏=前出)
庶民を犠牲にして、これまでの体制を維持しようとしても、もう限界なのである。ギリシャの反乱を見てもそれが分からない野田は、ギリシャの政治家以下である。
【なぜ選挙もしないで首相が居座っていられるのか】
日本の政治家がギリシャ以下なのは、選挙から逃げまくっていることもある。
少なくともギリシャは総選挙をやった。若年層の失業率が5割に達し、貧困層は炊き出しに並ぶ。国民の不満が頂点に達した結果が、緊縮財政を進めてきた連立政権の過半数割れだった。政治は大混乱しているが、来月は再選挙をする。
あらためて民意を問うのだからギリシャはまだ民主主義国家である。
それに比べ野田はどうだ。公約を破っても平然と政権に居座り続けている。09年の政権交代時のマニフェストに「消費税増税」の文字はなかった。それを強行するなら、国民の審判を受けるべきなのに、逃げている。それどころか「財政危機」をカードに使って脅し、国民に痛みだけを押し付けようとする。恐るべきチンピラぶりである。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏がこう言う。
「野田首相は選挙前、『自民党といかに政策的な違いを出して戦うか。それが2大政党の意味だ』と断言していました。ところが、政権を取った瞬間から、どんどん自民党に近づき、ついには大連立を模索している。国民をナメるのにも程があります。野田首相は選挙をして、民意の鉄槌を受けるべきです」
朝日新聞のコラムによれば、野田は「政権維持と消費増税のどちらが大事か?」と知人に聞かれ、「消費増税に決まっている」と答えたという。それが信念ならば、正々堂々と選挙をすればいい。
選挙から逃げまくり、自民党にスリ寄って首相のイスにしがみついているくせに、「よく言うよ」だ。ペテン政治家はもうたくさんである。
【なぜ円高株安になるのか、政治無策の象徴だ】
ギリシャ危機が再燃してからというもの、円がまた、ジリジリ上がっている。
対ユーロは100円割れ寸前だし、対ドルは再び、70円台に突入した。市場は恐慌目前の雰囲気だが、そうなると必ず、円が上がる。野田政権は危機をあおるが、世界中のマネーが円を買いにやってくる。円がそれだけ安心だからだ。
「円だけでなく、日本国債も買われて、長期金利は低下しています。財務省の言い分とは裏腹に、日本国債は安心、安全な投資先として人気があるのです。その一方で日本企業の株はどんどん下がっている。こちらの方が問題です」(筑波大名誉教授・小林弥六氏=経済学)
株が下がるのは完全に政治の無策が原因だ。輸出依存の経済構造を放置したうえ、内需拡大策を怠っている。そのうえ、消費税引き上げで、さらに内需を冷え込ませようとしているのが野田だ。これじゃあ、円高が企業の収益を直撃する。株が上がるわけがない。
「そのうえ、野田政権は米国ベッタリ。TPP交渉の前提として、自動車やコメ、保険分野でどんどん規制緩和を求められている。TPPというのは米国が儲けるために日本の市場を席巻することですから、日本企業はやられてしまう。日本株が上がる要素はないのです」(小林弥六氏=前出)
バカな政府を持つと、企業と国民は損をするだけだ。日本はその典型なのだが、これに原発再稼働の大混乱が加わるのだから、どうにもならない。原発がそう簡単に動かせないのは誰でもわかる。それなのに今夏は動かせると踏んで、対応を怠ってきたのが野田政権だ。今になって、節電を呼びかけ、企業に対応を迫る泥縄がまたまた、株を下落させている。政治家を総取っ換えするべきだ。
【なぜ、国民生活より国家なのか】
ギリシャ国民は政治家にこう迫っているはずだ。それに対して、急進左翼進歩連合が「国家よりも国民生活だ」と答えて、選挙に勝った。
日本人も野田政権に同じ質問をするべきだ。「なぜ、国民生活よりも国家なのか」――消費税引き上げを巡る議論は結局、この質問に行き着くのである。
国民生活を考えれば、この時期の大増税なんてありえない。ギリシャ国民だって同じである。ところが、政治家は平気だ。国民生活よりも国際公約や国債格付け、国家の体面、メンツを気にするのである。
そういえば、野田政権は就任早々、仏カンヌで開かれたG20で、勝手に消費税引き上げを国際公約してきた。G20が決めたアクションプランに「日本は2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで引き上げることなどの方針を定めた社会保障・税一体改革を具体化し、これを実現するための所要の法律案を2011年度内に提出することを約束する」と書かれている。党内手続きをすっ飛ばし、勝手に増税を決めてきたのだ。
「このG20では欧州危機の対応や各国の財政事情が問われた。初参加の野田首相と安住財務相には矢継ぎ早で首脳会談が組まれた。財務省が周到に用意したペーパーを渡して、消費税引き上げを既成事実化させたのです。外圧を利用して、政治を動かすのは官僚の常套手段です」(財務省事情通)
そうまでして、財務官僚が財政を気にするのは、自分たちが国際会議で存在感をアピールしたいからで、国民生活や経済とは関係ない。そうやって、いつのまにか、国家なるものが最優先され、国民生活が虐げられていくのだ。その国家とは何か。戦前は戦力増強だったが、いまは国債格付けに変わったようなものだ。国家が国民をないがしろにするときに歴史は暗転する。それを思い出すべきである。
【すでに危険水域にある憲法と民主主義】
いま、この国で進行しているのは、野田民主党政権によるギリシャ顔負けのファッショだ。
大ウソで塗り固めたマニフェストで国民をだまし、政権を握った瞬間、勝手な増税に突き進む。しかも、選挙で争った自民党と組もうというのだ。これほどの民意無視は見たことないが、仙谷政調会長代行はテレビでシャーシャーとこう言っていた。
「(自民党の中堅以上も)消費増税を否定する人はほとんどいない。消費増税、原発再稼働、衆院定数是正を解散前にやらないといけないことはほぼ一致している気がする」
衆院の定数是正以外は国民が反対している。定数是正も中身次第だ。ところが、仙谷はよりによって、国民が反対しているところで、自民と民主は組めるという。そうやって、勝手に民意無視の政治を前に進めようとするのだ。それに対して、何のためらいも痛痒(つうよう)も感じていないところが恐ろしい。国民はバカで、自分たちが一番、賢いと思っているのではないか。
「結局、彼らの頭の中には民意という概念がないのですよ。いかに政権を維持するか。そのために官界や米国の了承をどうとりつけるか。それしか頭にないから、こういうハレンチなことをしても平然としていられるのです」(斎藤貴男氏=前出)
◆存在自体が違憲同然の野田首相
小沢一郎元民主党代表が「おかしい」というと、排除しようとするのもファッショだ。司法権力の謀略に乗っかり、メディアをたきつけ、魔女狩りのような手口で政敵の言論封じをしてしまう。
民主主義国家ではありえないような横暴だ。
「野田政権が犯している憲法違反を列挙すればきりがありません。民主主義を何だと思っているのか。増税で自民党と組もうとし、そのためには自民党案を丸のみして抱きつくつもりでいる。目的のためには手段を選ばずで、小沢氏排除も同じ発想です。やっていいことと悪いことがある。国会も官邸も堕落の極みで、憲法の理念、民主主義の原則を踏みにじっている。いまや野田首相の存在そのものが違憲だと思います」(小林弥六氏=前出)
再選挙をやるギリシャの方がまだマシだ。ギリシャの国民は日本を「反面教師」にしているはずだ。
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