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平和ボケの産物の大友涼介です。
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「橋下徹大阪市長の品格を問う」週刊朝日2012/05/25号
<書き起こし開始→
「将来、総理にしたい政治家第一位」と注目される橋下徹大阪市長(42)。代表の「大阪維新の会」も次の総選挙で「民主党政権を倒す」と宣言している。永田町のテイタラクを打破する期待もあるのだろう。だが、その政治手腕は未知数だ。彼は日本のリーダーにふさわしい器なのか?
■
どこか、デジャブを感じる読者も多いはずだ。
例えば、小沢一郎元民主党代表の無罪判決を受け、党員資格停止解除の問題で感想を問われれば、
「民主党の内部手続きですから、僕がとやかく言うことではない」
とカメラ目線でコメントする。在阪の民放記者は、こう話す。
「視聴者は橋下氏が大阪で国政を動かしているように錯覚し、『将来の総理や』と洗脳されている」
野田政権の消費増税法案に対しては、
「いかにも霞が関が考えそうなことで、乗っかってはいけない。財源確保は消費税を上げなくてもできる」
と反発した。常に彼の周りには”敵”がいる。
そう、あの小泉純一郎元首相の手法だ。いま橋下氏は、朝夕のぶら下がり会見に応じ、切れ目なく話題をメディアに提供している。
橋下氏自身、記者団の前でこう語ったことがある。
「松井(一郎・大阪府知事)さんは小沢一郎役、僕は小泉純一郎役をやる」
小泉劇場ならぬ”橋下劇場の演目”には、関西電力大飯原発も選ばれ、
「(再稼働なら)国民が民主党政権を倒すしかない」
と倒閣宣言に言及した。
さらに、ゴールデンウィーク前に「関西地区の夏の電力は不足する」という関西電力の試算結果が出ると、
「再稼働をやめればどういう負担が生じるか認識してもらった上で、庶民に是非を判断してもらわなければいけない。税額は一人千円程度になる」
と唐突に節電新税の創設をぶち上げた。市民から徴収した税金を財源に、大幅に節電した企業などに奨励金を払うというプランだ。
ところが、連休明けの9日、橋下氏はこう述べた。
「税を上げて何かやるというプランは思いつかないと(担当部局から)聞いている」
10年前から橋下氏をよく知るジャーナリストの大谷昭宏氏はこう分析する。
「橋下氏は大阪府知事時代から『ぼったくりバー』と言って国の公共事業を批判し『普天間基地を大阪に持ってくる』と大風呂敷を広げたが、無理と分かれば、大阪都構想を言い出した。私が『話がちいさくなったな』と批判したら、脱原発を訴え始めたが、夏に電力が不足しそうだとなると新税をぶち上げ、うやむやにした。弱みを握られるなど、裏で関西電力となにかあったのではないか、と疑っています」
橋下氏は府知事時代、関西電力元会長の秋山喜久関西経済連合会相談役の呼びかけで設立された「関西広域連合」に参加した。関西電力元役員を副知事に抜擢するなど震災以前までは関西電力と”蜜月”関係にあったという。
だが、昨年、大阪市長になると、飯田哲也氏(環境エネルギー政策研究所所長)、古賀茂明氏(元経産省官僚)、河合弘之弁護士(脱原発弁護団全国連絡会代表)らそうそうたる”脱原発派”の専門家をブレーンに招き、「大阪府市エネルギー戦略会議」を設置した。
「秘書に大量の原発本を買い込ませた橋下さんは連日、不眠不休で猛勉強してはったな。午前3時過ぎでもメールを次々と送り、古賀さんらブレーンを質問攻めにし、『いつ寝ているのか』と脅かせたほどでした」(大阪市役所職員)
原発だけではない。行財政改革や大阪都構想など、橋下氏が東京など遠方から呼び寄せ、”高い授業料”を払っている「橋下ブレーン」は現在、53人いるという。
「大飯原発の件では、橋下氏はパートナーである松井大阪府知事と一緒に、提言を持って官邸に乗り込み、その後、野田政権を批判する会見をした。選挙をにらみ、政権にケンカをふっかける政治パフォーマンスはさすが”トリックスター橋下”です」(府市統合本部関係者)
■大阪弁護士会が総スカンの理由
前出の古賀茂明特別顧問はこう語る。
「節電新税を言い出しても府民はついてきてくれると確信したようで、橋下さんは『素晴らしいじゃないですか』と感動していました。市長選の後、関西電力との関係は切れているので裏などありません。『自分も腹を括ってやらないと、やばい』と期待にこたえなければと考えているようです」
だが、節電新税断念の後、原発に関して発言する場面は極端に減った。
代わってメディアを沸かせたのは、橋下氏と民放の女性記者とのバトルだ。
女性記者が「君が代起立条例」について質問したことに対し、橋下氏が、
「あまりに勉強不足」
「自分でとんちんかんさ加減がわかっていないの?」
などと逆質問で応酬。そのやりとりが、なんと25分間続いた。さらに、大阪市はこの動画をユーチューブに公開した。すると、再生回数は100万回を超え、女性記者に対し、「反日」「しつこい」などと大バッシングが巻き起こった。
記者が勉強不足だった面も否めないとしても、橋下氏があれほどまでに25分間もキレ続けた理由とは・・・。
大阪市議の一人は言う。
「この直前、橋下氏が率いる『維新の会』大阪市議団が提出しようとした『家庭教育支援条例(案)』に保護者の抗議が殺到し、白紙撤回に追い込まれた。この条例案は『発達障害は親の愛情不足が原因』などと断じたお粗末な中身で、橋下氏も赤っ恥をかいた。内心、イラ立っていたのではないか。
キレた原因は不明だが、攻撃は最大の防御とばかりにメディアを叩きのめす橋下氏の姿勢に違和感を感じる人もいる。
昨年の市長選の際、「前市長を支援した大阪市交通局の労組が、職員に知人紹介カードを配り、回収状況のチェックリストを作成し、非協力的な組合員を脅した疑いがある」と維新の市議が議会で騒いだことがあった。証拠として交通局の非常勤職員から入手したチェックリストを公開したが、後に捏造されたものと判明した。捏造した職員は橋下氏の熱烈なファンだった。
橋下氏を知る部落開放同盟府連合会の北口末広委員長は、こう指摘する。
「ツイッターなどで組合を猛烈に批判して橋下氏や大阪維新の会市議団に謝罪すべきと迫った関係機関に対し、彼らは反省もせず攻撃を続け、関係組織への謝罪もしませんでした。これまでの社会的・政治的常識からは考えられないような対応でした」
攻撃されると逆切れしてみせ、巧み追及をかわす術は弁護士時代に鍛えたものなのかもしれない。
政界に進出する直前の2007年5月、橋下氏がテレビで山口県光市の母子殺害事件の被告弁護団の懲戒請求を呼び掛けた結果、計7600通に上る懲戒請求が各弁護士会に殺到する騒ぎになった。
同年8月、大阪弁護士会館で開かれた緊急集会に出席した橋下氏に対し、会場からやじが飛んだ。すると、居並ぶ先輩弁護士らを前に、
「やじを言ったのは、誰や、おい、手を挙げろよ、こういうのが弁護士会のくっだらない体質や。誰なんや」
と壇上から怒鳴り散らした。この出来事が尾を引き、橋下氏は大阪弁護士会からいまだに総スカンをくっているという。
「府市統合本部と市には、顧問弁護士がいますが、いずれも東京、神戸から呼んだ弁護士ばかりです」(大阪弁護士会幹部)
だが、橋下氏はどんな批判もバネにし、名実ともに「大阪の支配者」となった。そんな橋下氏が、大阪市長として最初に選んだターゲットは意外にも、市役所では地味な存在に過ぎない市バスの運転手だった。
「大赤字なのに、1千万円近く年収を貰っている職員がいる」と交通局の腐敗を訴え、職員給与の4割弱のカット案を打ち出したのだ。大阪弁護士会に属し、市の労働問題に詳しい大前治弁護士がこう解説する。
「交通局の正社員の年収は平均で約730万円と確かに高いが、これは勤続14年以上の正社員だけで、現在は10営業所の半分を民間へ業務委託しています。同じ制服を着ていても民間からの派遣運転手の年収は200万〜400万円と低く、市役所では弱者です」
現在、民間の業務委託で市バスの運転手をしているAさん(49)は10年前から給与が上がらず、基本給約17万円の据え置きでずっと働いている。Aさんは言う。
「それでも、お客さんから『あんたらええご身分やな』と言われるのでつらいわ。給与をカットされるので、多くの仲間がやめ、人手不足に陥り、今では休みも抽選や。みんなは疲れ切り、いつか大きな事故が起こると思う。最近、ある営業所の運転手がこれからローンが払えなくなる、と投身自殺したと聞いた」
かつて橋下氏の”親弁”だった樺島正法弁護士はこう振り返る。
「人権弁護士が弱者を甘やかし、世の中を余計にダメにした、というのが彼の持論。彼はかつて同和地区に住み、苦学して弁護士になった過去を隠していませんが、人権という言葉を何かおぞましいもののようにとらえ、毛嫌いしていた」
■「財政再建案」に隠したトリック
前出の解放同盟府連合会委員長の北口氏も言う。
「橋下氏の出自に関する一部週刊誌の差別的な報道に関しては、私たちは抗議してきました。ただ一般論として、貧しい生活から這い上がって、社会的地位を獲得した者の中にも『差別を克服できないのは己の努力が足りないからだ』と弱者を突き放す人がいることも事実です。
府知事時代、コストカッターとして鳴らした橋下氏は、改革プロジェクトチーム(PT)を設置し、「2012年度以降、10年間は約500億円の通常収支不足が見込まれる」と大阪市の厳しい財政状況を試算した。これを受け、「グレートリセット」と銘打って5月11日、市民サービスの大幅カットや職員人件費の削減、市外郭団体への事業発注の見直しなどを断行し、今年度から3年間で最大1700億円の削減を目指す市政改革プランを発表した。
これには、身内の維新の市議からも、「敬老パス(70歳以上の市営地下鉄・バス無料券)まで取り上げたら、地元で説明できない」と悲鳴が続出した。
公明党の土岐恭生大阪市議は言う。
「大阪市の財政は確かに厳しい状態だが、橋下PTの試算ほど、財政悪化はしていない」
取材に応じた市幹部がカラクリを明かす。
「PTの試算は、今度の不用地売却代や、都市整備事業基金、公債償還基金の剰余分など計2千億円の補填財源を、収入に加えていない。さらに、地方交付税の代替財源とされる臨時財政対策債の額も少なく見積もった数字にしている」
前出の土岐市議は言う。
「去年の試算では通常収支不足は約300億円でPTの試算より200億円少なかった。橋下市長は後に改革の成果を強調するため、市民に財政を悪く見せておきたかったのでしょう」
悪い見通しを見せておいて、結構いい数字を残す。これこそ”橋下トリック”なのかもしれない。
かつて大阪府知事選で橋下氏を担ぎ、袂を分かった自民党の朝倉秀実大阪府議は今後をこう予測する。
「彼はメディアを巧みに操作し、回転寿司のごとく政策、話題を次々とぶち上げて、人々の関心を引くことに成功してきた。だが、最近はネタ枯れで同じ皿がぐるぐる回っているように見える。都構想への情熱はすでに失せ、国政に心が向いているのではないか」
あまりの閉塞状況に期待を寄せたい気分はわからないこともない。だが、希代のポピュリストの行く末は、まだまだ、注意深く見守る必要がある。(本紙取材班)
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*** 中田宏前横浜市長に聞く「熱過ぎてジェラシー感じる人」
取材班:橋下氏の人物像は。
中田:「それはそれ、これはこれ」と完全に割り切って物事を考える人です。本来、政治はそうあるべきだ。だが、自分の支援者なので優遇するなどの馴れ合いが続き、政治がおかしくなった。橋下氏の割り切りは、今の政治のなにも決まらない膠着した状態を打破する極めて必要な資質だと思う。
取材班:「維新の会」からの出馬も囁かれるが。
中田:僕は橋下代表、松井幹事長からそんな話、されたこともない。維新から誰がどの区から出馬する、なんて話は最後に詰めるものでしょう。
取材班:橋下氏の国政への戦略は。
中田:彼は国政そのものが目的ではない。大阪都構想の実現を府知事時代に言い出したため、地方自治法を改正する必要があり、必然的に国政にかかわることとなった。同時に首長がいくら頑張って財政を立て直しても、国全体が悪くなるのは止められない。矛盾、虚しさも感じる。動かない国政状況が今のままであるならば、参加する準備をしておこう、ということが維新の会の偽らざる状況です。
取材班:大阪都構想は始動するか。
中田:制度設計にはまだ、踏み込んでいない。どの区とどの区をくっつけるか、議員を何人にするか、などの議論を始めると、好きだ、嫌いだ、もうやめる、と前へ進まなくなる。昨年のW選挙で大阪の二重行政の無駄を省くため、府と市を一体化させるという都構想への賛同は得られ、これからは府市統合本部で中身を具体的に議論するが、まだ法改正も通っていない段階なので、議論はこれからです。
取材班:2人の関係は。
中田:彼とは大阪で7時半頃から5時間ぶっ通しで2人きりで議論することもあります。まあ、窓開けないとダメなほど、熱い。(笑)彼は好奇心、発想、着眼力、表現力、すべてが豊です。素直にすごいなと舌を巻きます。他人はジェラシーを感じるかもしれませんけど。
取材班:橋下氏の狙いは?
中田:本当に狙っていることは僕も正直、わからない。大阪都構想、道州制、大飯原発の再稼働問題など方向性はさまざまですが、彼はこの国を立て直すため、根本から問い直す議論をやっていることは確か。反射神経もいい。例えば、3年前、彼が国直轄事業負担金の地方自治体の裏負担の問題で意見したとき、「国はぼったくりバーだ」と発言しました。実はその直前に電話で彼と話し合っているとき、あの言葉は僕が言った比喩でした。僕は品がいいから(笑)言わなかったが、彼はその日の夕方、「言っちゃったよ」って。
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