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どちらが正論か野田と小沢 電力値上げと消費増税でどうなるのか
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2012/5/15 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
一体、どちらの言い分が正しいのか。
国民もよく分からないのが消費税引き上げを巡る論戦ではないか。
野田首相は「政治生命を賭す」と言っているが、小沢一郎・元民主党代表は絶対、反対の立場。メディアや学者、専門筋の論調も賛成、反対で真っ二つだからだ。
とはいえ、賛成派には妙な共通項がある。えらく大げさで仰々しいのだ。野田は「命をかける」とまで言っているし、財務省が用意している説明文書をめくってもスゴイ表現がそこかしこに出てくる。
〈わが国の財政は国際的にも歴史的にも最悪の水準にあります〉
〈名目GDPに対する政府債務残高は太平洋戦争末期と同水準〉
〈財政健全化のために残された時間は多くありません〉
〈欧州の諸国では政府の借り入れを継続できなくなる事態が発生しています〉
〈これらの国では年金・医療の大幅な給付カットや負担増など厳しい措置が行われています〉
いやはや、明日にも日本は敗戦するみたいだ。これが本当であれば、大増税に議論の余地はない。しかし、どうも様子が違う。日本国債の格付けは最上級レベルの一段下くらいだし、長期金利も1%割れで安定している。だから、「今、増税する必要はないだろう」という反対論が出てくるのだ。
◆財務省と野田の言い訳は大ボラばかり
実際、今はデフレ不況の真っただ中。消費税を5%引き上げれば、国民負担増は13兆円にも達する。「社会保障と税の一体改革」に含まれている年金カットなども含めると、国民負担増は20兆円という試算もある。こりゃダメだ。経済は氷点下まで冷え切ってしまう。
だからこそ、真相を知りたいのだが、京大大学院教授の藤井聡氏は「増税派の理屈は空事ばかり」と切り捨てた。
「日本政府は1000兆円の借金がありますが、そのカネを貸しているのは誰ですか? 国債はほぼ国内で消化されていますから、貸し手は日本人なのです。それなのに、借金で大変だから、同じ日本人に増税して、借金を減らそうというのです。この理屈、おかしくないですか? 子供からカネを借りている親が借金を返すためにさらにカネを“よこせ”と言っているようなもので、家計全体でみれば、別にお金が増えるわけではない。右から左のポケットにお金を移し替えるだけなのです。欧州の財政危機は国債を外国が持っていて、返せと迫ったから問題になった。日本とはまったく別の次元の話なのです」
これは分かりやすい例えだ。そうか、そうやって、財務省は財政危機をデッチ上げてきたのか。野田も同罪で、二言目には「ギリシャのようになる」と言わんばかりだが、ゴマカされちゃいけない。ウソをつくヤツほど、冗舌になり、大げさになる。小沢の寡黙さと比べてみればいいのだ。
◆166兆円の国債購入余力があるのに大増税か
百歩譲って、将来的には財務省の言うように国内で国債がさばききれない日が来るかもしれない。次第に日本国債の外国人保有率が上がり、ちょっとした市場の疑心暗鬼から投げ売りが始まる日が来ないとも限らない。それは認めるが、当分先の話だ。
民間銀行は預金を集め、企業などにカネを貸す。預金額から貸出金額を引いたものを預金超過額というが、現在、166兆円もある。銀行にダブついている金である。投資先がないカネが国債購入に回っている。それが膨れ上がっている。まだまだ国債消化余力があるのだ。
それなのに、ことさら財政危機をあおり、この時期に増税をするのはやっぱり、おかしい。経済評論家の荻原博子氏もこう言った。
「社会保障に安心感が生まれるのであれば、まだしも、今度の改革案はちっとも社会保障の恩恵はなく、単なる借金減らしのための増税でしかありません。消費税を上げて、年金をカットし、おまけに電気料金も上がるわけです。デフレ不況下なのに、こんなに庶民を痛めつけてどうするつもりなのか。そんなことに命をかけるのか、野田首相は。命をかけるべきは今の経済状況からの脱却策ではないですか。増税すればデフレから抜け出せるのか。とてもじゃないが、マトモな人の発想ではありません」
◆電気料金値上げが致命傷になる
多くの人は気づいていないが、消費税に加えて、電気料金が上がるのは日本経済にとって致命的だ。電気代の値上げは経済に何も生み出さないからだ。
「値上げ分は火力発電を稼働するための原油代に回る。つまり、儲かるのは原油国で、値上げで吸い上げたお金は海外に逃げてしまう。日本経済には何の恩恵もないのです。電気代の値上げは消費税増税よりもひどい愚策です。それでなくても、デフレ下では、国民所得が減り、失業者や生活保護が増えていく。どんどん経済はヘタっていく。すべての原因はデフレで、お金を増やさなければいけないのです。それなのに、消費税で吸い上げ、それを借金返済に回せば、経済はますます縮小し、家計はさらに財布のヒモを締めていく。
デフレを加速させるだけなのです。こういうときは法人増税をして、儲かっている会社から税金を取り、公共投資に回すべきです。しかし、野田政権は逆の法人減税をやろうとしている。これだけはやっちゃいけない。そういう政策ばかりをやっているのが野田政権なのです」(藤井聡氏=前出)
こりゃ、ヒドイ話だ。冗談ではなく、亡国政権に国民は殺されてしまう。
しかし、野田にはそんな自覚すらない。ひたすら、自分の道を妄信している。前出の荻原博子氏は「洗脳されているとしか思えない」と言ったが、そうなのだろう。
野田には「経世済民」という根本思想がないからだ。国民のためではなく、自分の政権維持しか考えない。だから、簡単に財務省の策略に乗っかる。軽々しく「命を賭す」などと言う。
◆松下政経塾出身者には任せられない
野田は松下政経塾出身だ。全寮制の異様な組織で、貧乏人出身の野田は自分の不幸を嘆きつつ、野心を磨いていたひとりであろう。法大教授の五十嵐仁氏(政治学)は「そこの野心が見えすぎる」と言った。
「消費税引き上げや原発再稼働を急ぐ野田首相を見ていると、“公のために身を尽くす”というより、ただ“歴史に名を刻みたい”という野望しか見えない。そこが松下政経塾なのでしょう。他の出身者を見ていても、政治的野心家の集団という印象が強い。政治家は身を捨てて、社会に貢献すべきなのに、自分がのし上がるために公を利用する。そんな政治家ばかりに見えます」
玄葉外相、前原政調会長、樽床幹事長代行……と、松下政経塾出身者がいつの間にか、野田政権の中枢を占めている。国と国民は彼らの踏み台にされるのか。小沢が「断じて許さない」と意気込むのも分かる。
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