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「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。
よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。」
以上は鴨長明の方丈記の書き出しの有名な部分だ。
鴨長明は乱世に生き晩年人の世の無常を感じ出家遁世した。しかし方丈の草庵でも安住できなかったと云われる。
1177年長明23歳の時都の大火に会い、以後8年の間、辻風(今で云う竜巻のようなもの)、洪水、暴風、大地震に見舞われ世は乱れ、金持ちも貧乏人も人生の大波乱にあい、悲惨な境遇に生きなければならなかった。
長明はその乱世のありさまを詳細に名文をもって表現している。
「又同じころかとよ、おびただしく大地震振ること侍りき。そのさま、世の常ならず。山は崩れて河を埋み、海は傾きて陸地をひたせり。土さけて水わきいで、巌われて谷にまろびいる。」
元歴2年(1185年)7月9日の大地震の様子は正に東日本大震災の状況と酷似している。
度重なる災害の結果、飢饉に見舞われ、食うものもなく餓死者が道に倒れ伏し、「くさき香世界に満ちて、変わりゆくかたち、ありさま、目もあてられぬこと多かり。」と記している。
勿論、政治は乱れおよそ統治機能を失った様は今の世に通ずるところがある。
名文ゆえに短い文で、充分に時の状況を、余すところなく表現している。数十ページだから読むのにそれほど時間を要しない。岩波文庫で原文と解説付きで出版されているのでぜひ読んでみていただきたい。
元官僚の作家、松島 令 氏の「平成方丈記」もあわせてお読みいただきたい。
松島氏は岩手で東日本大震災にあいその実態を方丈記に重ねて書き連ねている。
物が買えない、建築資材は2倍に高騰し、水はない、風呂に一か月間入っていなかった。
借金でかき集めた復興資金も乱れた経済の中では半分の価値しかなくなってしまう。
正に乱世なのに「何事もなかったようにとりつくろう風潮」。TVや各種イベントを見ていると本当になかったことのように真実が隠されてしまう。
方丈記は乱世の実態を明るみに出し直視させる絶大な効果がある。
平成の残された年月は正に乱世であり何が起こってもおかしくない。政治の混乱も常識で判断すれば必ず裏切られるに違いない。今政治の中で起こっているのは熾烈な権力闘争であり、きれいごとで済まされる事柄ではない。予測不能・計測不能・修復不能な事態があちこちで起こっているのではないか?
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