http://www.asyura2.com/12/senkyo130/msg/166.html
Tweet |
http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/51980469.html
<日本精神の衰弱>
日本が駄目になった契機は、85年からの中曽根バブル経済政策からである。中曽根派の元奈良市長・鍵田忠三郎が「世の中がおかしい。消費が美徳といって政府が率先して、消費するよう宣伝している。狂っている」と言っていたのを覚えている。質素倹約という日本人の美徳を放り投げてしまったことへの痛烈な中曽根批判だった。日本精神があるのかないのか知らないが、間違いなく日本人の精神的特性が衰弱してしまっている。これも日本の前途に暗雲を投げかけている。
<東電の無駄?言えない>
最近、こんなことがあった。偶然に知り合ったグラフィック・デザイナーが「東電の広告制作は大変なうま味があった。今無くなってがっかりしている」というボヤキである。
改めて世界一の電力料金の威力を知らされたのだ。経営陣のみならず、社員の給与もべら棒に高いことも納得できる。東電関連にぶら下がるビジネスも法外に高かったのだ。
史上空前の放射能を放出している東電は、それでいて高額電力料金の値上げを押し進めている。誰もが「おかしい」と文句を言っている。消費増税に対する思いと同じで「やるべきことをやっていない」が市民の怒りである。そこで、その知り合いに「東電の無駄を教えてほしい」とたたみかけた。
門外漢にはわからない、東電の無駄を教えてくれるだろうとの期待からである。なんと「言えない」と断られてしまった。3・11以後の日本の諸悪の根源は、原発の安全神話でもって世界一高い電力を供給してきた東電であろう。真摯な反省もない東電である。真実を知ろうとしたのだが、東電とのビジネスに恩義を感じているらしく、とうとうコメントしてくれなかった。
そういえば、3・11から1年以上も経つ。それでいて東電首脳部や社員から、内部告発が全くない。良心のひとかけらもない東電・独占企業体とその関係者である。いわんや、安全神話の元凶である東芝やGEなど原子炉メーカーは、地底に隠れて何も発していない。それを追及しない政府・議会とマスコミである。
これが今の衰弱した日本精神なのである。それが日本を駄目にしているということに気付かない日本人なのだ。
<目を覚まさない学生>
日本のジャーナリズムは外国報道に対して、予想外に人権を振り回して熱心なのだが、肝心の日本国内の東電や東芝の、空前の人権侵害について沈黙を貫いている。報道によると、政府と東電は、東電社外取締役にNHK経営委員長を起用するのだと言う。ふざけている。
NHKが東電の社債を大量に所有している、という真実に驚愕させられたばかりの国民である。東電報道の甘さには定評あるが、これからは徹底した東電による世論操作に貢献させるというのであろう。無節操だ。
市民による不正・腐敗追及の弱さの原因には、政府や議会・マスコミと連動している。本来は、その逆でなければならないだろう。
世の中から腐敗・不正を無くし、正していかないと社会は健全に機能しない。その点で欧米や中東の民主化レベルは高い。中国や韓国にしても、それは言えるだろう。
戦後の日本は、よりまともだった。労働組合が健全だった。市民も学生もそうだった。今は労働組合が動かない。指導層は永田町や霞が関の貴族たちと同レベルだ。労働組合のない会社ばかりだが、それを平然と放置している。
学生が一番行動出来る機会を手にしている。国家破綻寸前のギリシャでは学生が前面に出てきている。日本にそれがない。80年代の中曽根バブル期から消えたままだ。
人権派弁護士の説明だと、学生は就職活動に必死で政治活動をする余裕がない、という。ギリシャのように2人に一人の若者が失業すれば、そこで覚醒するというのであろうか。
<意見を言わない市民>
ともかく、意見を言わない市民ばかりである。最近、これが大いに気になる。マンション管理に首を突っ込んでしまったのだが、そこでも沈黙する住人が目立つ。物言わぬ人間とは一体何なのか、という疑問に押しつぶされそうなのだ。
それがありとあらゆる階層に及んでいる。自己保身に徹している。他人任せなのだ。無意味なことには汗をかくのだが、大事な問題から身を引いてしまう。恩恵はいただくが、自ら努力して成果を手にしようとはしない。
東電の不正・腐敗を承知している関係者が口を閉ざしている。これは東電に限らないのだ。日本全体にこうした悪しき精神が広まっている。放射能汚染の恐怖を知っているはずの日本のはずだったが、実際はそうではなかった。広島・長崎の恐怖の資料はないのだ。1年後に、国会の調査機関はウクライナのチェルノブイリを視察した。そこで関係者は、26年後の放射能の脅威の継続に驚き、おののいている有り様なのだ。
批判力・正義心の不在は、どうやら極まっているのであろうか。勇気がない。最近、九州で元暴力団担当警察官が、暴力団に襲撃されるという途方もない事件があったが、これとても日本社会の弱体と無関係ではないだろう。
「長いものに巻かれろ」の日本社会なのだ。戦前もそうして侵略戦争に突入してしまった日本である。ワシントン任せ・CIA任せの政府・議会・マスコミも、日本精神の衰弱と関係しているのだろう。
沖縄を見よ、である。21世紀に入っても中世のような外国の軍事基地の危険と同居する沖縄に、政府・議会・マスコミ全てが沈黙している。1国の指導層がこの体たらく、である。市民精神は推して知るべし、であろう。金に島と生活を委ねる沖縄県民の精神の衰弱に根源がある。
外国に例を取ると、これは清朝末期の中国である。中国は魯迅や学生が輩出して、そこから抜け出した。見事な中国ではなかったか。
<危機的な日本>
筆者が現役の記者のころ、右翼の跋扈もあったが、堂々とペンではじき返した。マスコミは今より、ずっと健全だった。石原慎太郎などの右翼はものの数ではなかった。現在、それが逆転、マスコミがそれに追随している。
衰退するワシントンに服従・追随し、日本の誇りである平和憲法を解体しようとする右翼路線を踏襲する政府・マスコミ・議会の日本でいいわけがない。自衛隊を米国のアジア太平洋戦略に組み入れて、それが日米同盟などとわめく議会の第1党と第2党の永田町、それを推進して止まない霞が関、さらにそこから生み出される利権に食らいつく大手町という日本の腐敗構造の定着で良いというのであろうか。日本精神の衰弱は、いかんともしがたい。
<対米自立・対官閥自立への期待>
こうした日本を大改造しようとした鳩山内閣である。小沢の民主党だった。初めて覚醒した政治集団の誕生に、かつて出版社の意向に応えて二人を批判した筆者だったが、2009年の民主党公約は市民革命に相当する画期的なものだった。
対米従属・屈米派の自民党政権、官閥に屈する自民・自公政権に対立する対米自立・脱官閥政権を公約したのだから。それゆえに鳩山内閣は退陣させられ、小沢は今も悪しき人民裁判にかけられている。
だが、二人は屈しない。小沢の勉強会に今も100人もの議員が結集している。いかなる革命も、最初は1人だ。国民の代表が100人、実際はそれ以上である。ワシントンと霞が関から自立するという大義を、心ある国民は理解している。新聞テレビを圧倒するインターネット社会が、それを支持している。
正義心・批判力・勇気を兼備した日本人は、必ず生まれてくるだろう。「負けるな一茶ここにあり」である。
2012年5月13日10時50分記
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK130掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。