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「しんぶん赤旗」 2012年5月13日(日)
水増し請求20社目 三菱電機/軍需産業 税金“食いもの”/19社では計954億円超にも
軍需企業による防衛省(旧防衛庁)への過大(水増し)請求が発覚したのは、今回、自衛隊の中距離地対空誘導ミサイルなどで見つかった三菱電機で20社目となり、水増し請求額は三菱電機までの19社で計954億2000万円にのぼることがわかりました。巨額の税金が軍需企業に食いものにされていたことが、改めて浮き彫りになりました。
政府答弁書などで判明
日本共産党の吉井英勝衆院議員の質問主意書に対する政府答弁書などでわかったもの。
答弁書によると、水増し請求額が一番多かったのは、1998年10月のNEC(日本電気)の263億7000万円。このほか、99年11月のトキメック133億1000万円、2003年5月の日本飛行機85億6000万円など。(表参照)
水増し請求をめぐっては、防衛施設庁(当時)や防衛省のトップが刑事責任を問われる事態になったことがあります。
08年11月には、守屋武昌元防衛事務次官が、水増し請求していた軍需専門商社「山田洋行」の便宜を図る見返りに過剰な接待を受けたなどとして、実刑判決を受けています。
NECの関連・子会社、東洋通信機とニコー電子の水増し請求と、返還額の不正圧縮に端を発した98年の旧防衛庁調達実施本部(調本)の装備品納入をめぐる巨額背任・汚職事件では、元防衛施設庁長官と元調本副本部長らが有罪となりました。
官僚トップの刑事責任が問われたにもかかわらず、水増し請求は、今回の三菱電機にいたるまで、その後も後を絶っていません。93年の日本工機以来、19社の水増し請求額の総額は約954億2000万円にのぼります。
さらに吉井議員の別の質問主意書への答弁書によると、三菱電機が、防衛省と契約を締結し、現在、業務を実施中の案件は、121件、992億4000万円。同社の水増し請求額は、まだ確定されていませんが、これらすべての契約も、水増し請求の調査対象となっています。
三菱電機には、防衛省から144人が天下りし、98年の調本背任事件で、水増し請求発覚企業に返還額を減額し、その見返りに天下り先ポストを確保していたことが明らかになったように、防衛省と軍需産業との癒着、軍事費の浪費構造にメスを入れる必要があります。
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