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「小沢君、水沢へ帰りたまえ」と言える日は来るのか? そのための処方箋
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/02cd602668adde19b4f3689a2252b06e
2012年05月13日 世相を斬る あいば達也
日刊ゲンダイの代表選候補として“小沢グループが用意する隠し玉”と云う記事がネット上で議論を呼んでいる。内容自体は推測の域を出ないものなのだが、指定弁護士の、極めて政治的判断による控訴と云う暴挙により、日本の政治的混乱に拍車が掛かったようだ。
筆者の立ち位置は、検察のたび重なる強制捜査、秘書逮捕などの暴走と虚偽報告書の作成で素人を誤誘導した事実を踏まえた上で、たかだか素人集団・検察審査会の二度議決による強制起訴であり(取り敢えず裁判所でも考えてみて)、尚且つ一審判決が無罪なのだから、現状、被告人と云うより、裁判で勝利した小沢一郎と云う政治家として認識している。控訴はいわれなき難癖程度のものである。
ただ、小沢贔屓の日刊ゲンダイが、以下のような記事を書かざるを得ない現実が存在することも認識はしている。先ずは、多くの方が目を通しているだろうが、日刊ゲンダイの弱気の記事を通読して貰おう。
≪ 意気消沈のはずが…96人が結集 小沢グループが用意する隠し玉
http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-5745.html
復権に秘策アリ
小沢一郎が控訴されたことで、大手メディアは「代表選出馬 困難に」「険しい復権の道」と、小沢が苦境に陥ったと一斉に報じている。「小沢元代表はもう終わりだ」と報じた大新聞まであるほどだ。 しかし、このまま小沢一郎が政治生命を失い、小沢グループが消滅すると考えたら大間違いだ。小沢グループは控訴を前提にすでに次の一手を打ち始めているという。 「きのう(10日)開かれた小沢一郎の勉強会『新政研』に、96人も集まったのには仰天しました。小沢本人が風邪で欠席したうえ、控訴が決まった翌日だから、人数も少なく、意気消沈しているだろうと想像したのに、人数はいつも通りだし熱気もある。メディアは『結束に不安』と報じていましたが、まったく違います」(民主党事情通)
再び刑事被告人となったことで、小沢が9月の代表選に出馬しづらくなったことは間違いない。しかし、小沢周辺はそれほど落胆していないという。
「小沢総理がベストなのは確かですが、小沢周辺は、消費税アップに血道を上げる野田首相を辞任させ、自分たちが主導権を握れる人物を首相に担げるならそれで構わないと考えているようです。すでに“隠し玉”として3人用意しているといいます。ひとりはあっと驚く政治家。なんと『反小沢』の中心人物です。4月から水面下で接触している。次の総選挙では野党に転落するのは確実なだけに、民主党議員が総理を狙うなら、『ポスト野田』のワンチャンスしかない。それで 『反小沢』の議員も、小沢グループに近づいている。9月の代表選を考えたら、『消費税アップより景気優先』を掲げ、小沢グループ100人を味方につけた方が得策ですからね」(政界関係者)
ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。
「小沢さんは、裁判がどうなろうと、政治行動は変えないと腹を固めています。だから、小沢グループのコアメンバーも、控訴されても動揺が小さい。自分たちがやるべきことは決まっていると確信している。結束は簡単には崩れないのではないか」
「小沢嫌い」の大新聞テレビは、小沢の凋落を期待しているようだが、逆に党内多数派を形成する可能性まで出ているのだ。 ≫(日刊ゲンダイ:「日々担々」資料ブログより借用)
筆者は拙コラムで「政治活動を縛りたい一心の控訴 小沢は意に介さず内閣総理大臣を勝ち取るべし!」と主張しているので微動だもしないが、世間の空気は必ずしも同調的だとは思っていない。当然、マスメディアがあれだけ元特捜検事である弁護士などをコメンテータに起用し、捻じ曲げた法解釈を加え、同席者がウンウンと肯けば、法解釈等と無縁の国民の多くが、そのテレビ・シーンに同調の気持を持つのはやむを得ない事である。だから、テレビ局が悪いのだと罵っても、現に合法的にその番組を制作している以上、詮方ないわけである。
プロパガンダと云うものは、政治であれ社会問題であれ、政府(霞が関組織)に同調的であり、妥協的ものである。故に、大新聞、テレビキー局はプロパガンダとして機能する事が、現在の法整備においては自然の成り行きでもある。この新聞・放送分野への改革も視野に入れていたのが、政権交代時の小沢・鳩山ラインであったが、検察の国策的捜査手法により、悉く頓挫させられたのが現状だ。
現状認識ばかりしていて、どうするつもりだ!それを打破するのが、最低限の民主主義の構築ではないのか!このようなお叱りの言葉が飛んできそうだが、現状の認識を疎かにすることは、再びドジを踏む結果でもある。シビア過ぎる程の現状認識と、それを改革してゆく理念、改革の行程表。見える敵、見えない敵への対応戦略等々、気の遠くなるような、骨太さと、繊細緻密さが、同時並行的に求められていると云うのが現実だ。国内の既得権益勢力、米国と云う支配者面を放棄しない同盟マフィアらとの闘いなのだから、並大抵ではない。戦後の日本を支配してきた米国・霞が関を頂点とする大掛かりな組織構造は、一定の国民までをも末端組織人として組み込むと云う、壮大な社会システムなのだ。このアンシャン・レジームのパワーは衰えたと雖も侮れない。
この老いた巨大マンモスが、起死回生の蘇生を試みているのが、現在の日本を取巻く、政治経済・外交・防衛・司法の世界なのだろう。この戦後のアンシャン・レジームの中には、戦前からの日本統治機構の要素も混入されているので、思わぬところで足を掬われる。既得権益と云う麻薬の副作用は、個人や所属する組織の利益防衛のためなら、罠も陰謀も捏造もすべて許される論理で、ことが進んでゆく。おそらく、50年、100年単位で傍観する腹を決めれば、意外にあっさりと、このアンシャン・レジームは崩壊するだろう。しかし、それでは現在生きている国民すべてが負の政治的影響を受けるわけで、あまりにも不条理、不合理な結果となる。
それを避ける方法を、筆者は一つの肌感覚としてしか持ちえない。必ずしも、筆者の考えが論理的だとも思っていない。多くの問題を解決しようとする時、案外人間とは、その人間が持つ“勘”と思考経路から導かれるものである。日刊ゲンダイの記事の意図は定かではないが、推測飛ばし記事的臭いはする。弱気のような態勢で、ブラフをぶつけ、反小沢陣営の疑心暗鬼を誘う魂胆かもしれない。おそらく、反小沢陣営の陣形を揺さぶるのであれば、仙谷は問題外だが前原を担ぎ出すと云う噂話は、前原の心を掻き毟るに違いない(笑)。
野田佳彦を担いだ後になって、前原が出ると叫び出した結果、仙谷は野田を裏切ることになったのである。マスメディアは、この前原、仙谷を持ち上げ便利に小沢に対抗する勢力として重用しているが、現実には輿石幹事長の下部組織政調の会長と会長代行に押し込められているのである。本音としては、小沢も憎いが、野田も憎いと云うねじくれた心理状態にいるのはたしかだ。どちらにもつきたくないが、野田、小沢を無視して自派閥だけで秋の代表選を戦うのは完璧に無理になっている。野田につくことは、イコール野田代表続投と云うことなので、前原の代表復帰はなくなる。仮に、小沢一郎が前原を推薦すると、俄然当選圏内が見えてくる。
消費増税法案の行方は、継続審議が未だに有力だと思うが、茂木や野田毅らの発言を聞いていると、“解散なしの消費増税法案成立”と云う目も見えてくる。この場合、秋の代表選、総裁選で勝ち目のない野田、谷垣が6月にも大連立を組む、大政局も視界に入ってくる。このような大連立を党内で纏めきる能力は野田の場合は可能性ゼロだろう。谷垣の場合、そもそもが野党なので、与党のうま味が味わえるなら、党内をまとめる可能性は残されている。おそらく、小沢一郎も輿石幹事長も前原も大連立など大反対でまとまらない。野田が与党でも野党でもない、宙ぶらりん総理となり、クラッシュした内閣が一瞬誕生するかもしれないが、民主党から除籍処分を受けるかもしれない(笑)。
つまり、大連立は財務省の妄想なのだろうが、野田も谷垣も都合の良い話なので、心は揺さぶられている。野田が、正攻法で消費増税法案を衆議院で通過させる方法は、小沢に対し、実質増税凍結に近い妥協案を出さない限り、衆議院だけでも通過させ、政治生命を掛けたパフォーマンスをすることさえ出来ない。逆に、野田が小沢に大幅妥協をした上で、消費増税法案衆議院通過は、野田の引退の花道と云うことになる。
万が一に、自民党との連立が成り立ち、消費増税が通過したとしても、或いは小沢への大妥協で、名目的法案成立に辿りついたとしても、民主が野党に転落する事は、ほぼ確実である。そうなると、次の民主党秋の代表選は、民主党最後の内閣総理大臣選択の選挙となる。そう云うことが確実なだけに、前原はどんな条件でも、小沢グループの支持を取りつけようと米つきバッタでも、何もかも小沢の云う通りの内閣作りますと言わざるを得ない。仙谷も不承不承だが前原の考えを尊重するだろう。
こんな馬鹿げた民主党内の権力闘争は以上申し上げた通り、あり得ないシナリオではないのだ。秋の代表選は与党民主党最後の代表選かもしれないのだから。大義名分は「党内融和・09年マニュフェスト回帰」である(笑)。このような政治が一歩も進まなくならない為には、小沢一郎が政治生命をかけ、斜に構えるスタイルを捨て、内閣総理大臣の椅子を力づくで取りに行くことが肝要なのである。小沢一郎が内閣総理大臣を勝ち取っても、そう簡単にことは進まないだろう。その時、先ずは「行財政改革」の徹底に着手することが最重要課題だ。
当然それ以外の喫緊の課題もあるが、政治闘争マターとしては、「行財政改革」だ。この問題を通し“政治家VS官僚”と云う構図を国民に全面開示する事である。この対立的構図を国民に示し、財務省、法務省、外務省、防衛省などのダマシの歴史をウィキリークス顔負けの情報開示で、政治主導のなんたるかを、日本の戦後政治史に残すことが、小沢一郎の天命である。その後、後継者が育つかどうかは不明だが、マスメディアが報じた政治経済外交防衛司法の話が、霞が関プロパガンダ報道に過ぎなかった事実を、晒すことである。真実をありのままに語る政治が始まらないと、日本に民主主義は永遠に根付かないだろう。その時、筆者ははじめて、江藤淳の「小沢君、水沢へ帰りたまえ」と云う珠玉の言葉を進呈しよう。少々上から目線のように思えるが、コラムであり勘弁願おう。
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