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株式日記と経済展望
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今は、愛国心を強調するほうがポピュリズムになっている。だから構造改革を
進める時に小泉が保守を取り込むために取った戦法も、靖国神社参拝だった。
2012年5月9日 水曜日
◆橋下徹の愛国度を仕分けする 4月30日 SAPIO
http://ameblo.jp/nothinjapan/entry-11237367927.html
小林:わし、橋下徹の「維新の会」は小泉構造改革と同じ流れだから、「どうせまた改革派だろ」のひと言で済むと思っていたんだよ。しかし今は政党政治が混沌とした状態で、自民党も構造改革路線を総括していない。すると国民は橋下徹の新しさに注目してしまう。その影響力を考えると、やはり一度仕分けしておく必要があるね、
中野:「維新の会」の政策は、90年代から00年代初頭にかけて流行して失敗した構造改革の焼き直しです。「維新の会」に集まった60代や70代のブレーンが40代、50代の時から主張し続けてきた政策で、時代遅れも甚だしい。そのせいで「失われた20年」になったわけですが、たしかに構造改革の総括をしていないから、再びこれが台頭してくるんでしょうね。
小林:彼らの主張は、憲法9条改正や国旗国歌の問題、靖国参拝など、わしが過去に取り組んできたテーマばかり。で、すでに自虐史観を相対化するところまでは成功したわけ。だから、保守と称する連中がいまだにその話をしていると「まだそれが好きなのか」とウンザリするんだ。
中野:今はそれを、リスクなしで主張できるんですよ。敵が強大だった時には戦わず、先駆者が切り開いた道を勝ち馬に乗って進んでいる。
小林:昔は、河村たかしみたいな南京虐殺否定発言をしたら、袋叩きだったよ。絶対に辞任しなきゃいけなかった。「愛国心を持っている」と言うだけでも叩かれたんだから。ところが今は、愛国心を強調するほうがポピュリズムになっている。だから構造改革を進める時に小泉が保守を取り込むために取った戦法も、靖国神社参拝だった。
中野:靖国参拝をすれば、日本の市場をアメリカに売り飛ばしていいのかという話ですよね。小泉政権も民主党政権も橋下市長も、「国民に選ばれたのだから、自分の政策はすべて信任された」と言いますが、有権者は全部の政策に賛成したわけではない。たとえば「自民党にお灸を据える」という意味で民主党に投票した人は、外国人参政権にまで賛成したわけではないでしょう。「維新の会」も同じで、「彼らは愛国心が強い」と思って投票した人は、改革路線まで受け入れたわけではない。数多くの政策を並べたマニフェストを丸ごと支持できる政党はないのですから、政策で選ぶのは無理です。だから、結局は「この人なら大局的に判断を誤らないだろう」と人品骨柄や政治手法で選ぶしかありません。橋下を「独裁的だ」と批判すると、「政策で判断すべきだ」と反論されますが、ナンセンスです。
小林:ただ、小泉も橋下も、その人品骨柄に魅力を感じている人が多いんだよ。そもそも、テレビのバラエティ番組に出てこないような地味な政治家は、国民が人品骨柄を見極める材料さえない。
中野:タレント弁護士としてテレビで下品な発言をくり返し、政治家になってからもツイッターで他人の悪口を垂れ流している人に魅力を感じるようでは、救いようがないですよ。橋下徹は『まっとう勝負!』(小学館)という著書の中で、「(政治家は)自分の権力欲、名誉欲を達成する手段として、嫌々国民のため、お国のために奉仕しなければならないわけよ」「ウソつきは政治家と弁護士の始まりなのっ!」とまで書いている。政策である「船中八策」のレベルも低い。「参議院っていらないよな」とか「首相はみんなで選んだほうがいい」とか、政治に興味を持った中学生が考えるようなレベルのことでしょう。大学生がこんなレポートを書いたら、私は不可をつけますね。
伝統や文化をぶち壊している
小林:今は「君が代」の強制みたいな話ばかり注目されるけど、それだけだと政策の底の浅さが見えにくくなる。本質を見極めるためには、もう「日教組を批判していれば保守」と単純に仕分けする風潮はやめたほうがいいね。
中野:日本の伝統的な文化や立ち居振る舞いを尊重するのが保守の立場ですが、単に「君が代」を歌えば守れるというなら、その伝統や文化は相当に軽いですよ。たとえば多数派が間違っていると思えば負け戦を承知してでも戦うのがサムライとか、公の場で下品な悪口を垂れ流さないのが礼儀とか、それが日本人らしい振る舞いだとすれば、橋下はむしろそれをぶち壊している。それ以前に、急激な改革を断行しようとする人間は、保守にとって最も警戒すべき存在です。保守とは、簡単に言えば「成熟した大人の知恵」でしょう。世の中の酸いも甘いも知り尽くした大人が、社会がそんなに急に良くならないことをわかりつつも、地道に改善の努力を重ねていく。だとすると、保守はそう簡単に道州制や首相公選制を主張できないはずです。
小林:「大阪都構想」という言葉遣いも歴史認識が保守らしくないよね。東京都への嫉妬心や対抗心から「大阪だって都だ!」と子供のように言ってるだけで、「都とは何か」をまるで考えていない。ところが誰も「大阪に遷都するつもりか?」とツッコミを入れようとしない。
中野:「維新」という言葉の使い方にも、歴史認識のズレを感じます。明治維新の時、日本は欧米列強と戦うために地方分権的な幕藩体制をやめ、廃藩置県によって中央集権体制に変えました。ところが「維新の会」は地域主権を主張している。
小林:逆さまだよね。
中野:もちろん、今が明治維新に匹敵する転換期だという認識はまんざら間違いではないですよ。しかし世界がグローバル化したからこそ、これからは国家が強化して、国民が一致団結しないといけません。TPPが典型ですが、グローバル化は多様な社会を画一化するので、北海道から沖縄にいたる地域の多様性が奪われる。だから、地域を大事にしたいなら、中央政府が力をつけて国にシールドを張り、外国資本や海外市場の変動から国内の多様性を守るべきでしょう。しかし「維新の会」が提唱する道州制は、国の権限を地方に移すので、国家が弱体化します。超大国のアメリカですらグローバル金融市場を制御できなくて困ってる時に、日本を分割して対抗できるわけがない。ところが彼らは道州制を掲げて国家を弱めつつ、TPPのようなグローバル化は受け入れる。
共産党のほうが愛国者かもしれない
小林:要するに、グローバリズムにどう対処すべきなのか、国民も知識人も政治家もわからなくなっているんだよ。たとえば大学教育でも、グローバリズムに対応できる人材を育てることが正論になっている。橋下徹にも、学校教育を予備校化させるような感覚があるよね。新自由主義に合わせて、ひたすら競争させるのが正しいと思い込んでいるわけ。だから本当は、グローバリズムとは違う生き方があることを、もっと強く言わなきゃいけないんだ。今は、むしろ左翼のほうがグローバリズムへの警戒感を持っているよね。それによって地方が疲弊することを左翼は直観的に理解しているし、資本の暴走を止めなきゃいけないことも、共産党のほうがわかっているかもしれない。そうなると、どっちが愛国者なのかわからないよ。一方でマスコミに代表されるリベラル派は国家を否定して「世界市民」とか言ってたから、グローバリズムで国境がなくなると「イマジン」みたいに戦争がなくなると思い込んでいる。だからリベラル派はグローバリズムの論理を否定できない。共産党ぐらい「きれいな左翼」のほうが、グローバル化に抵抗できる。
中野:そうなんですよ。中途半端なリベラルは、国家権力を否定すればいいと思っていますが、グローバル化は国家権力よりも強い。「ど左翼」はそれに気づいているので、ヨーロッパでも左翼のほうがグローバリゼーションに強く反発しています。そろそろ、「靖国参拝したから右」みたいな発想はやめてほしい。冷戦が終わった直後はみんなグローバル化が正しいと考えましたが、それは20年かけて失敗したことが明らかになった。だから違う発想でいくべきなのに、「維新の会」には90年代初頭のままの連中が集まっているんです。いいかげん、「アメリカ寄り=保守」という流れを遮断しなきゃダメですよ。
小林:小泉構造改革の時は、NHKや朝日新聞も派遣村などに注目して、格差拡大をしきりに特集していた。ところがTPPに関しては、朝日新聞も賛成してるわけ。だったら最初から、弱者に同情するようなことは書いてほしくないよ。
中野:ガチガチの保守派は、弱者に目配りするのは左翼で、それを毅然として切り捨てるのがマッチョな保守だと思い込んでいますよね。でも、格差の拡大は国民の分裂を招くので、国を守る上で極めて危険です。だから、たとえばイギリスで産業革命が起きて貧富の格差が広がった時、労働者を保護するために世界で最初に工場法を制定したのは左翼政権ではなく、ディズレーリ首相の保守政権でした。また、19世紀のドイツで社会福祉政策を先駆的にやったのは保守的なビスマルクです。すべて平等にするのは嫌うけれど、あまりに格差が拡大することは警戒するのが保守の立場。だから私も、派遣労働に関するリベラル派の主張にはそんなに異論がありません。ところが「維新の会」は、労働市場の自由化や流動化を目指しています。
代替案なき脱原発はポピュリズムだ
小林:中野さんはどちらかと言うと原発を擁護しているんでしょう?
中野:エネルギー安全保障の観点からすぐにはやめられないだろうなと思っています。私の橋下の原発政策に関する考え方はこうです。原発を維持するにしろ、推進するにせよ、減らすにせよ、止めるにせよ、エネルギー安全保障の政策は国家レベルで対応すべきもの。原発がなくても電力は供給されるから問題ない、と言い張っても、その分化石燃料への海外依存度が高くなればエネルギーセキュリティ上の問題がある。
原発立地県や地域の声を聞かなくていけないのは当然ですが、国全体の安全保障の問題だから、最終的な決定と責任は中央政府にある。だから大阪市のレベルで脱原発をしようというのはおかしい。さらに、そのやり方は関西電力の株主として主張するというもの。関西電力の株を大阪市が保有しているのは、日本のエネルギー政策全体を地方から変えることを想定してのものではない。これは完全な悪用です。
小林:原発はまさに安全保障上の問題で、原発そのものがテロの対象になる。海岸にある原発に工作船が近づいてバズーカで狙えばそれで終わり。敵に狙われなくても地震1つで失敗すれば東京にも住めなくなる。しかし、脱原発を言うならば、代替エネルギーをどうするかという案まで出さなければ意味がない。だからわしは原発をなくしたほうがいいと思っているけれど、代案もなくただ反原発を唱える左翼には絶対に与しない。
一体何が安全保障なのか、ということを考え直さなくてはいけないと思う。原発をなくす前提でエネルギー問題を一から考え始めると。基地問題も同じで、米軍なしで自国だけでやらなくては、となったら日本は目覚めると思う。そういう意味では基地と原発の問題はかなり似た感覚でわしの中にある、そして橋下を見ると、もう極めてポピュリズムに近いんじゃないかと思う。脱原発と言えば票を集められる。安全保障をポピュリズムに則ってやられたら危ない。
君が代や靖国参拝は愛国心の証明にはならない
小林:有権者の側にも大いに問題があって、地道に議論を積み重ねながら落としどころを探るタイプの政治家は、世間的に注目されないんだよな。マスコミに出てきても、小泉や橋下みたいに大衆にウケるような喋り方ができない。それに、いろいろな利害に目配りしながら責任を持って議論を進めている政治家は、公の場で喋れないことがたくさんあるんだよ。だから、オフレコの場ではいろいろと話してくれるんだけど、メディアの前では歯切れが悪くて、曖昧なことしか言えない。ポピュリズムとの戦いは、そこが難しいんだよね。
中野:そういう真っ当な政治家の話が難しくてわかりにくいのは、社会そのものが難しくてわかりにくいものだからです。物事を簡単には決められないから、国会も衆議院と参議院の2つを用意して、議論に時間をかける仕組みになっている。しかし大衆は「わかりやすい話」が好きですからね。非ポピュリズム的な手法でポピュリズムを潰すのは難しい。民主主義における永遠の課題でしょう。
小林:品位や品格では対抗できないんだよな。
中野:だから、いったんポピュリズムに陥ると、救済はほとんど不可能だと思います。
小林:だからこそ、いかにも愛国者らしいお題目を威勢よく唱えるからといって、それだけで政治家を信用してはダメ。「君が代」や靖国参拝は、もはや愛国心の証明にはならない。アメリカ追従の新自由主義的な政策は間違いだったことが明らかなのだから、まずはそれを総括すべきなんだ、
中野:道州制や首相公選制も、要はアメリカの大統領制や連邦制に憧れているだけ。そのうち「大阪都」では飽きたらず、「大阪合衆国」とか言い出すんじゃないでしょうか。そんなのは、USJの中だけにしてほしいですよ。(『SAPIO』5/9・16号より)
(私のコメント)
BBSや掲示板や、最近ではツイッターなどがネットにおける論争手段になっていますが、掲示板やツイッターなどは時間で流れてしまった過去の発言を読むことが難しい。むしろ[株式日記」のように日記形式で書けば日付で遡ることができるから、私は掲示板やツイッターを使ってはいません。
過去の発言も「キーワード 株式日記」でググレば直ぐに探し出せます。最近では右翼とか左翼で分けることは時代遅れになり、親米派と保守派との論戦が主戦場になっています。左翼はもはや政治勢力とななりませんから、政界も親米派と保守派の二つになります。しかし冷戦時代は親米派と保守派はひとつだった。
だから自民党も民主党も親米派と保守派とが混ざっており、定義すら曖昧で新自由主義ですらどちらに組するのか分からない。しかしグーローバリズムは親米派であり、反グローバリズムは保守派である。[株式日記」は保守派であり小泉構造改革を批判して来た。しかし郵政の民営化自体には賛成であり、アメリカ資本に郵政を売り渡していいのかが対立点だった。
TPPにおいても[株式日記」では農業改革には賛成でしたが、TPPが23項目に及ぶ改革内容を見るとグローバリズムそのものであり、国内法よりも国際法が優先される国際条約は非常に危険な内容になっている。いわば内政干渉を条約として認めるようなものであり、アメリカとTPPを結ぶことは自治権すら危うくなるような危惧を覚える。
親米派はもちろんTPPに全面賛成だし、郵政の民営化も100%民営化でアメリカ資本に乗っ取られることも賛成のようだ。原発問題も昔は右翼と左翼では賛成と反対が別れましたが、福島第一原発が大災害になる前は原発がエネルギーの主役になるような勢いだった。原発問題は中央と地方との問題であり、東京や大阪には原発は無く、東北や山陰の貧しい地方に原発が作られている。つまり中央と地方の対立なのだ。
小林氏や中野氏は、橋下徹(公人なので敬称は略)を小泉純一郎のようなポピュリズム政治家と見ているようですが、国民世論の動向を見ながら政策を変えていくタイプなのだろう。だから愛国主義を前面に出して日の丸君が代で日教組と対決していますが、橋下徹は筋金入りの保守派ではない。だから意見のブレは当然あり、原発政策も現実的に対応するタイプだろう。
私は小泉純一郎を全面否定しているわけではなくて、靖国参拝や、北朝鮮問題では金正日に拉致を認めさせることで成果を上げている。小泉純一郎にも叩けは埃が出ることがたくさんありますが、政治家というものはやるべき事をやればいいのであり、田中角栄は「政治と金」で失脚しましたが、小沢一郎も「政治と金」で叩かれている。政治資金はもともとグレーなものであり、賄賂になるかは微妙な問題だ。
「維新の会」が大阪で大勝したのは、公務員制度改革で支持されてきたからですが、国政レベルになると「維新の会」の政策にもいろいろ問題が出て来るようだ。支持グループには「みんなの党」も入っているから公務員制度改革には一致していてもTPPには賛成の立場になります。公明党にも協力を呼びかけているから外国人参政権も賛成と言うことになります。これには保守派が大反発するのは当然でしょう。
だから橋下徹を左翼だの反日だのと騒ぐのは、短絡的だと思う。ネットでは自分と少しでも意見が異なると過激に攻撃する論調が目立ちますが、ポピュリズム政治家は支持世論に敏感だから、まずいとなれば意見を変えるでしょう。小泉純一郎も世論動向に常に気を配っていたからこそ5年半も政権が持った。それに対して野田総理は国民世論に背を向けて財務省に言いなりだから支持率が落ちる。
[維新の会」が政治勢力を獲得していく為には国民世論の動向に柔軟に対応していかなければならない。原発再稼動の問題も一つの掛けですが、ブレーンである大前研一氏の言うように脱原発でブラックアウトを起こしたら政治家として失格だろう。世論としては脱原発に動いていますが、関西地域では原発を全部止めれば大停電が起きる可能性が高い。
橋下徹が現実的な政治家なら、ブラックアウトを避ける為に原発は再稼動させる方向で決断すべきだ。その為には関西電力を多くの注文を付けて安全対策に鞭打たなければならない。長期的には脱原発でも短期的には正反対に再稼動させなければならない。このような矛盾した行動をしなければならないのが政治家の辛いところだ。野田総理の消費税にしてもシロアリ退治なき消費税増税だから批判されるのだ。
ネット上や掲示板やツイッターなどで目立つのは、レッテル張りや決めつけが多いことだ。言っている事の整合性がないと鬼の首を取ったかのように騒ぐ人がいますが、時間が立てば状況が変わるし柔軟に対応していかないと政治の世界では対応が出来ない。民主党政権にしても政権を取る前と現在とでは評価はまるで違いますが、マニフェストを守らないと言うのは国民世論を無視した事になる。
野田総理は財務省の言いなりになる事が現実的対応と心得ているようですが、原発再稼動も国民世論が反対しても断行しなければ関西地方はブラックアウトが起きるだろう。現在では原発政策が間違っていたことは明らかですが、安全対策を十分にとらせるには東電が国営化されたように、原発は国営化して廃炉にしていかなければならない。そして高温ガス炉のような新型の原発を開発していくことも検討すべきだろう。
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