http://www.asyura2.com/12/senkyo129/msg/849.html
Tweet |
8日、民主党が小沢一郎氏の党員資格停止処分解除を決めたことを受け、自民党石原幹事長が記者会見で「10日までに控訴するかを決める前の段階で、早々と解除するのは、何を考えているのか。判決文を読めば99%真っ黒だ」と述べた。石原幹事長は「判決文を読めば」と宣まわったが、判決文を精読した上での発言ならば、彼の知的水準が疑われる。彼の名誉のために新聞記事を読んだ上での発言だと解釈する。
他の野党からも、「無罪になっても政治的、道義的責任が不問に付されるわけではない」とか、「国会での説明責任を求める」とか、いろいろと雑音が発せられている。ジャーナリストの鳥越氏が「陸山会事件そのものがメディアによってつくりあげられた事件だ」と指摘したが、野党はもちろんマスコミも、無罪判決がよほど悔しいし、残念なのだろう。だから、小沢氏を貶めるこういう発言を報道することになる。
小沢裁判が、田代検事による捏造報告書が明らかになった時点で、公訴棄却となっていたならば、「99%真っ黒だ」「政治的、道義的責任」「国会での説明責任」とかの発言も、それなりの説得力があったかもしれない。だが判決文の全文が明らかになった今では、「負け犬の遠吠え」みたいなものである。判決文全文を読まなくても、今週発行の週刊朝日と週刊ポストを読むと、そのポイントがクリアになる。
よく言われる「国会での説明責任」であるが、政治家や政治記者なら「説明責任」の語源くらいは勉強してから発言しろと言いたい。これまで何度も書いたように、米国の官僚が予算の使途を説明する責任があることを指すaccountability の邦訳である。小沢氏が陸山会に貸し付けた4億円の原資についての説明を求めるならば、「説明責任」などとの言い方をする必要はない。まず判決文を読むことだ。
判決文の64から65ページにかけて、4億円の原資についての裁判所の見解が述べられている。小沢氏が予ねてから説明し、公判でも供述した内容、即ち、親から相続した不動産を処分し、自宅を取得した時の差額2億円、家族名義の預金の払い戻し3億円、議員歳費や印税の貯まった1億6、7千万円については、その供述の信用性を否定するに足る証拠は何もない、とある。これ以上の何の説明を求めるのだろうか?
次に「政治的、道義的責任」と言うが、街を歩いていてチンピラに絡まれて怪我をした人に向かって、チンピラに因縁をつけられたのが悪いと言うのと同じだ。そもそも陸山会事件は、西松献金事件の敗訴を逃れるため、東京地検特捜部が妄想でデッチあげた事件。そのことを考えれば、「政治的責任」は、特捜検察を準司法などと言って「のさばらせた」立法府にある。また、検察の裏金問題を取引した某内閣にもある。
従って国会は、小沢氏ではなく、現・元3人の検事総長(樋渡・大林・笠間)、大鶴次席検事、佐久間元特捜部長などを喚問することだ。そして、彼らに@「見込み捜査を始めた動機」、A「1年余の時間と100人の検察官による捜査の結果」、B「30億円といわれる捜査費用の明細」等々の説明を求め、なぜ、検察審査会に捏造報告書を提出したかの真相を糾明するのが、国会議員に課せられた政治責任である。
「道義的責任」は、憲法が定める「無罪推定の原則」を忘れ、また裁判では「有罪」か「無罪」しかない常識を外れ「グレーに近い無罪」などと発言した政治家や、そのような記事を書いたマスコミにある。さしずめ「無罪推定の原則」を無視して、処分をした民主党岡田幹事長(現副総理)や、「99%真っ黒だ」と宣まわった自民党石原幹事長などは、道義的責任を取って、役職を辞任されるのが筋だろう。
小沢氏の処分解除について、9日の毎日社説は「党が処分を決めた際には、処分の期間は『判決確定まで』となっていたはずだ」として、その「無節操な決め方に驚く」と批判している。だが、岡田幹事長(当時)は「無罪推定の原則」を無視し、「党の指針」(=処分期間最長6ヶ月)を破って課したのである。処分したこと自体が間違っていた。それを正したのだから、処分解除ではなく「処分撤回」が正しい。
マスコミもいい加減にせよと言いたい。自分達に都合の悪い政策(クロスオーナーシップの禁止・電波オークションなど)を掲げる政治家の処分解除を「無節操」と言うのなら、マニフェストを破棄し、消費税増税を唱える野田首相をなぜ「無節操」と批判しないのだ。マスコミがジャーナリズムでないことが、こういう社説にでも、如実に顕れている。
http://www.olivenews.net/news_30/newsdisp.php?m=0&i=12
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK129掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。