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公務員に地方債を押し売り
中国の山東省済寧市梁山県で、実質上の「地方債」を公務員に買わせ、その代金でインフラ整備費用を捻出する荒技が出現した。
名目上は金融商品
同地方債は、名目上は国有企業が発行する「金融商品」ということになっている。元本保証で3年満期、利率は10%というから、高利回りの金融商品だ。
中国では、地方債の発行には、中央政府の許可が必要とされる。1980年代後半から1990年代前半にかけて地方債が乱発され経済が混乱をきたした過去があるため、審査は厳しい。
今回「金融商品」を発行したのは、名目上は梁山県正大経済開発投資有限公司という国有企業ということになっているが、実質的には県の政府に貸し付けられ、県政府が返済を保証する、と説明されている。
同国有企業が登記している住所は県の財政局と同じだ。販売は同県の総労働組合が担当。県職員に押し売りされた。
返済は空手形
このやり口は、もちろん違法行為である。それだけに、県が保証する「返済」も空手形に過ぎず、事業がうまくいかなければ、元本すら返ってこない可能性が高い。
職員に取材した中国ジャーナリストによると、「金利分はともかく、元本だけでも返してほしい」と購入した職員は不安を見せているという。
事業の結果に責任を持たせるために
一見乱暴な手法だが、税収に苦しむ日本でも、同様の取り組みは有効と思える。公共事業の多くには、過剰な効果見積もりがつきまとう。
たとえば神戸空港を建設する際には、兵庫県内はもちろん、滋賀県の在住者までが利用するものとして試算された。
利用者数は試算に遠くおよばず、空港島は空き地だらけだ。無駄遣いされた税金を事業の主体であった自治体政府や職員は補ってくれず、結局住人の血税が消えただけだ。
実質上の地方債を職員全員に買わせ、利益が出れば還元する方式にすれば、もっと真剣な議論が、自治体内でなされることだろう
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