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税金ムダ遣いはもうウンザリ 小沢裁判指定弁護士は控訴断念すべきだ
http://gendai.net/articles/view/syakai/136425
2012年5月7日 日刊ゲンダイ
証拠もない、カネもない、正義もない
控訴するか、否か――。小沢裁判は、検察官役の指定弁護士が10日の控訴期限までにどう“判断”するかが焦点になっているが、「控訴断念」は確実な情勢だ。
9日の最終協議が迫ってもなお、指定弁護士3人の意見は三者三様で割れているが、2人は「ひっくり返す自信もないまま控訴して無罪になったら、被告の立場を長引かせることになる」「弁護士として、有罪を求めて控訴することにためらいがある」と「控訴断念」に傾いているという。
そりゃそうだ。万に一つでも勝ち目があるならともかく、控訴したって結果は見えている。
「無罪判決に納得のいかない大マスコミは、コメンテーターの検察OBに『有罪同然の判決だ』『限りなく黒に近いグレーだ』と言わせて、小沢叩きをしていたが、カン違いもいいところです。判決文をじっくり読むと、無罪に向けて論理的に結論が導かれている。重要なのは、小沢氏が政治資金収支報告書について『報告・了承した』といっても、不記載の認識はなく、違法行為を了解したわけでもないこと。指定弁護士にとって、争点以前の大前提が成り立たなくなったわけで、最初から、無罪ありきの判決とみていい。判決文が小沢氏に対して厳しい口調に感じるのは、東京地裁が検察審査会制度や指定弁護士に精いっぱい配慮して、花を持たせた結果です」(法曹関係者)
だいたい、指定弁護士には新たな証拠もなければ、限られた“持ち札”は暴走検察が捏造したデタラメ調書ばかり。控訴なんて、やるだけ時間のムダというものだ。
元特捜検事で弁護士の郷原信郎氏(関西大特任教授)も、メルマガでこう切り捨てている。
〈判決内容からすると、無罪の結論は裁判所にとって当然の判断であり、有罪とは相当な距離があると見るべきであろう〉〈控訴審で、その判断が覆る可能性はほとんどないのであり、今回の事件による政治の混乱をさらに長引かせることになる控訴をすべきではないことは明らかである〉
指定弁護士も分かっているはずだ。最終判断を控訴期限ギリギリの9日まで先送りしたのも、小沢の党員資格停止処分がどうなるかや、世論の動向を見定めたいという意図があったからではないか。
「しかし、小沢氏の処分は解除されるし、世論も極めて冷静です。『控訴すべき』という声は思ったほど多くない。もはやリスクを冒してまで控訴するメリットはない。メリットどころか、マイナスが大きい。指定弁護士の報酬の上限は120万円です。強制起訴から判決までに要した830時間を時給換算すると、1400円程度にしかならない。指定弁護士は準公務員扱いなので、カンパを受け取ることもできない。彼らにとっては商売あがったりです。当然、裁判が長引けば税金のムダ遣いにもなる。控訴しても、誰ひとり得をしないのです」(司法ジャーナリスト)
指定弁護士の“最後の仕事”は、控訴をあきらめ、この不毛な裁判にピリオドを打つことだ。
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