http://www.asyura2.com/12/senkyo129/msg/774.html
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原発問題を考える資料のひとつとして、茂木氏のお考えをアップしておきます。
以下のまとめは、「togetter」からの引用です。
==引用開始==
仕事の途中ですが、@KatsuraMoshino さんのご意見とか、拝読してますよ。それで、原発が、どんなに安全を図っても、black swan eventは避けられない、という議論は、当然あると思っています。たとえば地震や津波がない場所でも、テロで一発アウトになる。
※この段落は@KatsuraMoshino以下にたいする返答。Twitter特有の形式。
※black swan=ブラック・スワン。予知できない重大な出来事。
どんなに準備をしても、black swan eventの際には被害が出るから、原発は使うべきではない、という議論は当然あり得ます。同じことは、核兵器についても言える。大国が責任を持って管理する、という前提がだんだん成り立たなくなってきている。
核兵器がテロリストによって使われたり、あるいは管理システムの不備により爆発するというようなイベントが一つでもあれば、抑止力としての核という前提は瞬時に崩れる。これも、有力な議論です。
どんなに安全に配慮しても、原発にはblack swan eventが避けられない、という議論は、真剣に考慮しなければなりません。一方、電力会社や政府にまつわる「陰謀史観」は、議論の質を低下させるので、やらない方がいいと思います。
それで、なぜ僕が原発にリスクがあることを認識しながら使うというオプションを維持することを主張するかと言えば、それくらい人類のエネルギー事情は切迫していると判断するからです。火力はもちろん、太陽光や風力、地力、水力、潮力などのすべてを足しても、足りないと判断します。
この「足りない」には、予想できないことが起こった場合のリスク・ヘッジも含めてのことです。つまり、black swan eventが起こった場合被害が避けられない原子力を使わなければリスクがヘッジできないという、追い詰められた状況に日本はあると、私は現実認識します。
以上のような現実認識なので、原子力が、電力会社や「原子力村」の利権の道具になっているという見方に、私は与しません。資源のない日本がこれだけの文明を築いている、その持続可能性は、残念ながら原子力を選択肢に入れなければ担保できないというのが、私の判断です。
東電のマネジメントが最良だったとはぼくも思いません。一方、東電を批判している人たちがリスクマネジメントに長けているとも思いません。 @yangadget その議論とリスクを過小に評価して対策も最小化していた功罪は分けて考える必要ないですか?福島を爆発させた人達に任せるんですか?
※この段落も@yangadget以下にたいする返答。
リスクマネジメントの観点から言えば、たとえばこの夏の電力が「名目上」足りても、バックアップを用意しておくのが妥当。東電や関電のマネジメントを批判している人たちが、自分たちも同型の間違いを犯していることに気づかないのは不思議です。
福島第一原発における最大の過ちは、バックアップ電源を高い場所においておかなかったことでした。この点、東電には弁解の余地はない。しかし、東電を批判する人たちが、同じようなリスクマネッジメント上の過ちを犯しては、元も子もない。
※「バックアップ電源」発言は茂木氏のお茶目ぶりと思われ。
原発がなくてもいい、自然エネルギーで足りる、節電すればいい、と主張している人たちは、東電と同じような、リスクマネッジメント上の過ちを犯しているように思います。東電はリスク管理が下手だったかもしれないが、批判している人たちが、それよりも上手だとはぼくには思えません。
「御用学者」とか、「原発推進派」とか、レッテルを張って満足しているバカは相手にしなくていいから、理性的な反原発論者の方とは、大いに議論しましょう。日本の将来がかかっているからね。 @wakas_agi この人も原発推進派なの?
※@wakas_agi以下への返答。
仕事に戻る前にひとこと。核廃棄物の処理の問題は、原発を考える上でもっとも重要な論点であることはもちろんです。この点を含め、理性的な反原発論の方々のご意見は、大いに歓迎いたします。私は自分の見解を最初から決めているわけでなかく、理性とエビデンスに基づいて判断したいと思っています。
その通りですね。 @k98330twi @wakas_agi 推進・反対の結論を急がずに, サンデル教授のレクチャーの実社会バージョンのような, 我慢強く丁寧な議論を続ける技術を実践する向上させる良い機会だと思います。
※@k98330twi @wakas_agi以下への返答。
「核武装」の可能性を担保する、と考えている人もいるだろうけど、ぼくは違います。 @jukans 電力だけでなく安全保障上の観点で核開発技術保持は続けるって思っている人もいると思いますか?
※@jukans以下への返答。
飯田さん、こんにちは、拝読し、勉強させていただきます! @iidatetsunari【茂木さんへ反論1】茂木健一郎さんが再稼働容認・原発維持の立場を主張。影響力大な方だけに反論。茂木さんの「リスクマネジメント論の観点からバックアップを用意」は同意。しかし原発再稼働への直結は短絡
※@iidatetsunari以下への返答。
さて、飯田さんからいただいたツイートも読ませていただいたことですし、今日の時点での、私の原発に対する見解をまとめて、この問題についてはしばらく沈黙したいと思います。
これからのツイートで、現時点での見解を表明したあとは、私はしばらく沈黙して「考慮時間」に入ることにします。原発は重要な問題だとは思いますが、どちらの立場の方も、使っている表現があまり論理的ではなく、そのような意味のない言い合いに巻き込まれるのはあまり好きではありません。
その点、飯田さんの文章はポイントをついていて参考になりました。ありがとうございます。
結論:私は、原発の現時点での再稼働を求めません。理由:福島第一原発の後の国民的議論の中で、合意が形成されていない以上、原発を急いで再稼働させる条件がないと考えます。
社会的実験:原発なしで日本の電力が支えられるのかどうか、社会実験をすれば良い。足りると主張している方々が正しいのか、足りないと主張している方々が正しいのか、その影響も含めて、実際にやってみれば結論が出るでしょう。
再稼働の準備:ただし、不測の事態に備えて、原発を可及的すみやかに稼働させる準備だけは、しておくべきだと考えます。節電しても、なお無視できない影響がある場合は、すみやかに稼働して、電力を供給する準備をしておく。
陰謀説の停止:原発と同時に、電力会社、政府、メディアに対するいわれのない陰謀説も、停止する。論理やエビデンスに基づかない感情論は、意味がありません。
エネルギー安全保障:私は、原発の停止による発電コストの上昇をもって、直ちに原発の必要性を主張するものではありません。あくまでもエネルギー安全保障を第一に考える。その意味で、原発というオプションは、維持するべきものと考えます。
徹底した透明性:電力会社、政府、メディアは、余計な陰謀史観を勢いづけさせないためにも、今後、政策決定の過程を、徹底的に透明にすべき。原発政策についての意志決定は、日本の民主主義の成熟の試金石となるべきでしょう。
現場で働いている方へのエール:福島第一原発で働いている方々、各地の原発で、保守、点検、修理等にかかわっている方々に対して、物心共にエールを送りたい。今後の困難な状況の下で、原発の現場にいる方々の元気が、日本の元気の素です。
放射線の健康被害についての透明性:客観的なデータの提供と、健康被害についての科学的知見を、徹底的な透明性の下開示することで、リスクの正しい評価と、もし過剰な不安があるならばその払拭、風評被害の防止に努める。
私の意見の要約:原発の再稼働は、国民的合意ができないうちは行わなくてもいいと考えます。不測の事態に備えて、再稼働が可及的すみやかに行える準備はしておくべき。エネルギーのコスト上昇は甘受したとしても、エネルギー安全保障は看過すべきではない。
最後に一言:脱原発、反原発を唱えている方々が、(主観的)善意に基づいていることは理解しますが、その言説はしばしば感情的で、他者に対する想像力や敬意に欠けています。目的が正しければ、手段や表現は何でも良いということにはなりません。
以上のツイートを持って、私は、原発問題についての発言をしばらく控えます。事態の推移を見守り、自分でもいろいろ調べ、考える「考慮時間」に入ります。状況の変化によっては、また発言するかもしれません。みなさん、それぞれの現場で、どうぞ有意義にお過ごしください。
==引用終わり==
原発の再稼働に賛成・反対にかかわらず、ご参考になったでしょうか。原発は、自民党政権時代に国民の多数によって承認され、始まってしまった国家事業です。その上に今日の先進国、日本があります。原発とは、自分をふくめた日本人の欲望の塊でもあります。
そんな原発政策の原初なんて知らないし、生まれてないし。
原発の恩恵なんて感じなかったね。
――などと、日本で生まれ育ったからにはシカトできない問題なんです。
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