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マスコミ報道によると、東京地裁での小沢氏無罪判決に対する控訴について、3人の指定弁護士は、9日に最終判断をするそうだ。処で同じ「検審起訴」で一審無罪判決であった沖縄の未公開株詐欺事件では、指定弁護士が控訴した。そこまでの報道はあったが、その後はどうなったのだろう。つまり福岡高裁が、無罪判決の「検審起訴」の控訴について、どのような法的な結論を出したのかということだ。
刑訴法262条に定める付審判制度に関連し、刑訴法268条第2項では「指定を受けた弁護士は、事件について公訴を維持するため、裁判の確定に至るまで検察官の職務を行う」と定めている。だが、検察審査会法の指定弁護士については、特に何も定めていない。もちろん検審法でも、控訴については何も定められていない。つまり、検審起訴で無罪判決の場合、指定弁護士による控訴の法的根拠は曖昧なのである。
小沢氏の場合、大林検事総長(当時)が記者会見で「小沢さんについては嫌疑不十分の処分がなされました。(中略)十分な証拠が無かったことにつきる」と述べたように、起訴猶予ではなく嫌疑不十分であった。しかも、検審が起訴相当議決した理由は「有罪」ではなく、「裁判でシロクロ」をつけろとの趣旨であった。これからして、判決が無罪になった時点で、指定弁護士の務めは終了したとも解釈できるのだ。
処で、小沢氏が検審起訴された10年10月、検察審査会法の改定に係わった元特捜検事の弁護士(いわゆる「ヤメ検」)と東京経済大学教授の二人が、当月23日の毎日新聞「ニュース争論」欄で、「検察審査会」を考えるとして、議論した記事が掲載された。その記事で「ヤメ検」弁護士が次のように述べている。(以下引用)
プロが「証拠がない」と判断したのを審査員たちだけで「ある」とひっくり返すのだから、非常に重い。何回くらい審査し、どういう証拠で判断し結論に至ったのか、あるいはメンバーの職業、年齢、性別ぐらいは公開されないと、判断に対する社会的信頼は生まれない。(筆者注:東京第5検察審査会はこの公開を拒否している)
嫌疑(容疑)不十分を理由とする不起訴は強制起訴の対象から外し、証拠はあるけれども事情を酌んで政策的判断で起訴しない起訴猶予処分だけを対処にした方がいい。嫌疑不十分不起訴に検審が意見を言うのはいいが、強制起訴の権限まで持たせる現行制度は行き過ぎではないか。起訴猶予に対しては政策的に妥当かどうか、国民の目で再び見て判断することがあっていい。(引用終り)
東京地裁はその判決文で、「被告人の共同共犯の成立を疑うことは相応の根拠があると言える」としながら、「被告人の故意及び実行犯との共謀について証明が十分でなく犯罪の証明がないことに帰着するから刑訴法336条により無罪とする」とした。処がマスコミは、この「相応の根拠がある」に縋り、証明できれば有罪だったとか言って、「限りなくクロに近い無罪」とか「グレーに近いシロ」などと報道した。
それを正当化するためだろう。TBSやテレビ朝日などテレビ各局は、判決のあった4月26日のニュース番組に元特捜検事の「ヤメ検」を出演させた。彼は「(この判決文は)刑法上でいう『共謀』には(証明が)足りないとの理由になるので、控訴するのが相当だと思います」と言った。驚くことに、この「ヤメ検」と新聞紙上で上述引用の発言をした「ヤメ検」が、同一人物なのである。
この「ヤメ検」は、1年半前の「嫌疑不十分で強制起訴は行き過ぎ」の自説を、何時の間に曲げたのだろうか。それが奇怪なのである。この奇怪さこそが、小沢事件の底流にある「闇」と結びついている。筆者はそう感じるのである。判決文風に書くと、「○○を貰ったことを疑う相応の根拠はあるが・・、証明できない」ということになるのだろう。それでいてマスコミは「政治とカネ」と批判するのだから笑い話だ。
判決文は「証明が十分でなく犯罪の証明がないことに帰着する」と明確に無罪を言い渡している。法曹人にとって、裁判には「有罪」か「無罪」しかないのは常識だが、多くの人には「クロに近い無罪」など騙しのテクニックが通じる。新しい証拠もなしに「控訴」はできないのだが、「検察審査会がある」と言って検審起訴を煽った成功体験の再現を期待し、「クロに近い無罪=控訴」と煽る者(闇)がいるようだ。
http://www.olivenews.net/news_30/newsdisp.php?m=0&i=12
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