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本号はEJの特集号です。EJ特集号は、現在のテーマとは直接関係はないがEJがかつて取り上げたテーマに関連のある情報についてお知らせする必要があるときに配信します。
2012年4月26日、検察審査会に強制起訴された小沢一郎元代表に対し無罪判決が下されたのです。しかし、大善文男裁判長は、判決理由において、陸山会の政治資金収支報告書の虚偽記載を認定し、小沢元代表はそのように記載することの報告を受け了承していたことが推認されるとしたのです。
しかし、そのことを小沢氏が秘書と共謀してやったかどうかについては犯意も感じられず、直接的な証拠もないので、無罪を言い渡したのですが、虚偽記載そのものは認定したのです。今回の無罪判決にさいして裁判所がマスコミに配付した「判決要旨」という文書があります。その判決要旨を読んでみると、大善文男裁判長は、石川知裕元秘書が世田谷の土地を購入するためにとった全行動を徹底的に調べ上げ、そこに不可解なことがいくつもあることを指摘したうえで、小沢氏に対して、そのいくつかを報告していたことを認めながらも、なおかつ無罪しかいい渡すことができなかったという内容なのです。
その判決要旨を盾にとって、記者クラブメディアを中心として「極めてクロに近い無罪判決」という報道が行われ、無罪でも容疑は晴れないことを印象づけようとしています。どうしても、何がなんでも、小沢氏を悪者にしたいようです。
判決の出た26日にテレビ番組に出演していたある弁護士は、もし裁判長が主文を後回しにして判決理由から述べていたら、それを聞いている人は間違いなく有罪を確信しただろうといっています。指定弁護士からもそれに近い発言がなされています。
しかし判決は「無罪」なのです。どんな理屈がつこうと無罪は無罪です。刑事裁判には無罪か有罪しかないのです。かつて小沢氏が検察から嫌疑不十分で不起訴になったときもマスコミは、「限りなく灰色に近い嫌疑不十分」と書き立てたものです。テレビでは次の4つのポイントを上げ、判決ではそれを認定したかどうかを問題にしたのです。
1.収支報告書への虚偽記載 ・・・・ 認定する
2.秘書との共謀はあったか ・・・・ 認定せず
3.強制起訴は正当であるか ・・・・ 認定する
4.検察の捜査方法について ・・・・ 問題あり
本来この小沢裁判は、小沢元代表が秘書の行った虚偽記載に関与していたかどうか、その共同正犯に当るかどうかを問うものなのです。そうであるのにマスコミは、判決が収支報告書への虚偽記載を認定したことを鬼の首でも取ったように過大に報道し小沢批判を続けています。
さらに産経新聞とFNNによる世論調査では、小沢氏を貶める結果を公表しています。小沢氏本人は何もいっていないのに、勝手に小沢氏の代表選出馬を想定し、「自ら出馬すべきではない」が75%であることを伝え、さらに、本人の意向を無視して、小沢氏を中心とする小沢系議員が消費増税に反対し、新党を作って次期衆院選を戦うという想定を立て、その小沢新党が支持されるかどうかを聞き、83%が「期待しない」であることを報道しています。
本当にお節介で懲りない連中です。それほど小沢氏が憎いのか、それとも彼の復権が怖いのかと考えてしまいます。マスコミが検察からのリークをもとに、あることないこと報道し、小沢一郎という政治家の「人物破壊」を徹底して行い、そのうえで自社の実施する世論調査により、自らが貶めたターゲットが評判を落しているさまを確認する─残酷です。
ここまでやると、もはやメディアとはいえず、犯罪そのものです。ある大手テレビ会社では、小沢氏の写真や動画を使うとき、傲慢で、印象の良くないもの、悪者に見えるものをわざと使うそうです。そして小沢氏のニュースのさいにその映像を流し、小沢氏の評判を落とそうとするのです。さらに小沢氏について街頭インタビューするときも、賛成者は少なくし批判者の映像を中心に使うなど悪質なメディア戦術を駆使しています。
検察内部で「何が何でも小沢を落とせ」というたぐいの捜査方針に不満を募らせる若い検事が増えているようです。最近検事をやめて暴露本を書いた元検事もいます。あの前田元検事が「検察内部には厭戦気分が漂っている」とまでいっているのです。同じ現象が大新聞社の中でも起きているといわれます。度が過ぎた小沢批判に身内も嫌気がさしているのです。無罪でもこんな状況ですから、有罪ならどうなっていたかと思います。
多くの人は、陸山会事件─小沢裁判をおそらく次のようにとらえていると思います。小沢氏は建設会社などからの違法献金で得た資金など4億円を使い、世田谷の土地を購入し、収支報告書には、秘書たちと共謀して、そのカネの流れや土地取得の時期などをズラして記載し、隠蔽しようとしたというものです。
報道各社は、検察のリーク情報に基づき、小沢氏側に違法献金をした建設会社は西松建設と水谷建設であると特定し、その資金受け渡しの詳細─何月何日、どこそこのホテルで、石川元秘書が紙袋入りの現金を受け取ったなどという報道をしたのです。陸山会公判─3元秘書の公判でそのほとんどが事実に基づかないものであることが判明したのですが、テレビや新聞で刷り込まれたものは消えずに残っています。まして陸山会公判で登石裁判長は、何の証拠もないのに推認で3元秘書に有罪判決を出したので、「小沢=悪人」の印象がさらに深められたのです。
今にして思えば、司法・検察は、元秘書たちの陸山会公判では多少無理をしても、どんな批判を浴びても、有罪判決を出しておかないと困る事情があったのです。もはや小沢氏にとっては検察だけでなく、裁判所も政敵なのです。しかし、現在の日本を改革できる政治家は小沢一郎しかいないと思います。判決理由の疑問点については、明日の特集号で述べることにします。─[小沢無罪判決について/01]
≪関連情報≫ ●大下英治氏はこういっている/対小沢の新聞報道について
読売・朝日・毎日・産経・東京・日経の主要各紙、共同・時事の通信社は、すべて小沢嫌いです。紙面を見れば一目瞭然です。不偏不党・公正中立を建前とする日本の新聞社が、こと対小沢に関しては社の壁を超えて同一歩調を取っている。
こんな解説をよく聞くんです。「小沢は若いころから田中派のプリンス扱い。生意気で態度が大きかった。新開各社の論説委員クラスは、当時をよく知っている。だから、小沢に嫌悪感を抱いている。もう一つ付け加えるならば、マスコミに一切サービスをしない小沢さんの姿勢だ。これもなかなかに根深い。
かつて、産経新聞の記者に訊いたことがあります。「なぜ、産経新聞は、特に小沢さんを叩くのか」その記者によると、とりわけ小沢批判を強める産経が反小沢の姿勢を明確にしたのは、平成19年夏の参院選前後だという。時の安倍晋三政権が打ち出した方向性は、社論に合致するものでした。そのため、参院選では安倍支持を明確にし、結果的には民主党を批判する立場になった。
そうした紙面作りを続ける中、選挙戦に突入しました。小沢代表率いる民主党は、全国紙で唯一産経にだけ広告を出さなかった。産経の経営幹部は、これに態度を硬化させたという。─カレル・ヴァン・ウォルフレン/大下英治著『この国はまだ大丈夫か』/青志社刊
http://electronic-journal.seesaa.net/article/268117264.html
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