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野田は“急遽の策”に着手 増税も通したいが解散も出来ない、選択肢は?
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2012年05月03日 世相を斬る あいば達也
表向き野党自民党の攻め手の目的は“解散総選挙”だ。しかし谷垣が、“自民党対案丸呑み”で消費増税法案を通過させて、総選挙に突入したからと云って、確実に勝算があるわけではない。取り敢えず、マスメディアが憶測する、「消費増税法案と解散総選挙のバーター取引」そして、「民主・自民大連立」でメデタシ目出度し、と云う事のようだが、現実はそうではないだろう。
その理由の原点は、解散総選挙をして、自民が第一党になり、民主が第二党になると云う確たる根拠がないからだ。既存政党だけでの総選挙と云うデータはあるが、「霞が関改革、消費増税反対、脱原発推進」等を旗印にする、まだ見ぬ“新党”を考慮に入れると、ベテラン選挙評論家連中も、実は皆目判らないのである。つまり、幻の敵の情勢分析は過去のデータがないので、非常に難しい。最悪の場合、「小沢・橋本新党」が立ちあがったら、民主と自民が束になっても、共に仲良く野党になるリスクまで考慮しなければいけなくなっている。
誰も通過したことがない、“霞が関解体”等と云う政権公約は前代未聞だ。しかし、それが起こり得る日本の政党の政治的劣化なのだ。民主党と自民党が組めば“怖いものなし”だった政治シーンが、必ずしも絶対的ではないのが、今の日本の国民の意識だろう。世論調査はしていないが(笑)、筆者はそのように肌で感じる。何故このような事態を惹き起こしたかといえば、政党が政党としての機能を果たさず、“官僚丸投げ政治”に奔走した所為である。
こういう状況はカオスの世界への入り口になるのは確実だ。それこそ、野田も谷垣も選挙で勝ち、永田町に戻って来られない恐怖まで抱えて、好き好んで財務省の走狗になる義理はないわけである。腹を抱えて笑うのが役人だけ、などと云う選択を敢えて選択する意味がない。つまり、解散総選挙もないし、大連立もマスメディアの憶測、財務省の夢物語と云う事である。 *事実関係に則して、解散総選挙もないし、大連立もない結論に至る点を検証してみよう。先ずは、東京新聞の記事を読んでいただこう。
≪ 民主方針 小沢元代表 要職復帰 当面させず
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012050202000108.html
民主党執行部は一日、無罪判決を受けた小沢一郎元代表に関し、党員資格停止処分を解除する一方、要職復帰には当面、応じない方針を決めた。輿石東幹事長はこうした方針を野田佳彦首相に伝え、首相も了承した。処分解除は八日の党常任幹事会で決定する見通し。
消費税率を引き上げる法案に政治生命をかける首相に対し、小沢元代表は無罪判決後、増税反対を明言し、党内対立の深刻化が懸念されている。このため、元代表を要職には復帰させないが、処分は解除するという妥協案によって、党執行部は党内融和を図りたい考えだ。
輿石氏は先月二十八日、甲府市内の集会で「心を一つにし、力合わせにつなげていくことが今、民主党に問われている」と指摘。周囲に「小沢さんの処分を解除したあとはノーサイドだ」と強調した。
首相も消費増税法案の採決で元代表のグループが造反すれば、与党が多数を占める衆院の通過も危うくなりかねず、輿石氏ら党執行部の考えを了承した。 首相は一日午前、ワシントン市内での同行記者団との懇談で、元代表の処分解除に関し「党の役員会や常任幹事会で議論して決めることに尽きる」と、 党執行部の方針を尊重する考えを示した。 ≫(東京新聞)
小沢一郎の謂われなき岡田による“党員資格停止”こそ糾弾されるべきで、指定弁護士が控訴しようしまいと、現時点では“無罪判決状態”である事が重要なのである。輿石は、野党が言いつのるアホ丸出しの“証人喚問!”も完全無視を決め込んでいる。現時点の流れは、小沢一郎が権力闘争で優位に立っている。党員資格停止”解除は、あまりにも当然だ。ただ、「要職復帰には当面、応じない」と云う選択も妥当だろう。当面の消費増税に反対している小沢一郎を要職に起用してしまえば、それはそれで小沢が手足を縛られるわけだから、要職などは、百害あって一利なしだ。
現実問題、小沢が最近口にする「後1年半もある。やり直す時間は少ないが、やれる」が輿石の唯一の拠り所だ。橋下の新党構想も見えているような、見えていないような状況、現実に政権与党であるイニシアチブを有効に使わない手はないのである。極めて冷静で大人の判断だ。九分九厘、野田佳彦の心も揺れている。もう殆ど財務省に協力しようとした“消費増税法案”は幻になりそうだと予感している。ただ、“シロアリ退治発言”で、変節をこれ以上繰り返せない野田にしてみれば、投了するにしても“カタチ”を整えたいと願っている。
その辺は、米国における記者会見のインタビューへの答えに籠められている。「根本的に消費増税に反対している人はいない」と云う発言だ。その通り、小沢一郎も、「やるべきことを実行して、それでも足りない場合には、国民の皆様ないお願いするのが筋である」と発言している。最終的には、消費増税を容認しているとも言えるわけだから、野田は発言で“嘘”は言っていない。問題は「やるべきことをやる」と云う部分に尽きる。
それでは、“やるべきことは何なのか?”と云う問題だ。行財政改革、中央集権からの脱却、地方主権の確立が本来の“やるべきこと”だが、これは一朝一夕にはいくまい。相当のビジョンと政治権力を掌握しない事には、困難である。なにせ、100年以上続いた官僚統治機構を激変させるのだから、行く手は権力だらけの敵のオンパレードだ。直近の問題解決にはタイムリーな妥協策とはならない。それでは、何を持って妥協の産物を作り出すかだ。
野田の消費増税への不退転の姿勢を保ちながら、小沢の理解を得る方法は経済政策だろう。それ以外に、野田の打てる手は残されていない。それが、自民党が次期総選挙のマニュフェストにしようとしている、目玉政策の借用だ(笑)。 主たるところを拾い読みしてみると、良いことを書いている。これを民主党・「国民の生活が第一」バージョンにチェンジすることだ。@デフレ脱却策として、政府と日銀の政策協定により欧米並みの2%のインフレ目標を導入し、 実質成長率3%、名目成長率4%を目指し、大胆な金融緩和措置を実行する。A経済・災害に強い日本を構築する。Bその為には、大胆な社会整備は不可欠。10年間で200兆の公共投資を行う等々だ。
パクるべきポイントは、10年間で200兆円の公共投資である。それも出来る限り前倒しして、野田や財務省が望んでいる2014年から2016年に集中的に投資するビジョンだ。ただ、この投資が既存の勢力を太らせる方面への投資は控え、21世紀の少子高齢化する成熟国家の姿に見合った、将来的リスクヘッジと世界に類を見ない新産業育成の方向性を持たせる事である。現時点で、モッタリ頭脳の筆者には明確なビジョンを書くまでには至らないが、幾つかヒントはあるだろう。この辺は聡明な皆様も、夢を描いて頂きたい。
先ず浮かぶのは“再生可能エネルギー大国の構築”である。国策として、原発・石油に頼らない国家の構築を宣言することだ。現在取り上げられている再生可能エネルギー分野は当然、それ以外の研究にも国策を注入する。一大産業の創出である。震災に強い国家作りは、何も新たな道路や鉄道を作ることにあらず。少子化は今後も進むとみるのが妥当である以上、新規のコンクリートではなく、免震構造修復工事がメインストリームになるような方向性を出すことだ。高齢者介護問題も、夫婦で4人の老人の介護をするような、無茶な福祉政策は見直すべきだ。
資産を多く所有する現役高齢者の希望に沿う介護環境と医療は、望まれている事実である。あまり熱病に浮かれたように、震災復興だからと云って、疲弊する市町村にコンクリート工事を増やすのは得策ではない。(非難もあるだろうが、復旧は必要だが無闇な復興投資は今までの公共投資に繋がる)フラットな人口構成になる時代も来るだろうから、一人当たりのGDPが世界一になる国家形成を目指すべきである。この件は、筆者も改めて考えてみようと思う。
上述したように、極めて前向きな景気浮揚の経済政策を消費増税法案と同時並行的に行う案が浮上すれば、野田君の不退転の決意も、顔が立つことになり、小沢の主張の一部も実現する。今やるべき時ではない、の立場を具体的に充分にケアした妥協案になる可能性はある。逆にこのような方向で、政権与党である事の方が、多くの面で得策であり、財務省の“鼻を明かす”ことが可能である(笑)。
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