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■一見、低所得者配慮の論調で……
ここまで露骨な自分たちの利益を考えた社説もそうは無いだろう。
2012年4月29日の「読売新聞」の社説「消費税法案 軽減税率で低所得者層に配慮を」がネットで話題となっている。
タイトルからすると低所得者層に配慮すべきという内容に思え、特に問題のあるものとは思えない。しかし、読み続けていくとそこに、トンデモない主張が出てくるのである。
■消費税引き上げを喧伝する大新聞
消費税引き上げに関しては、読売新聞に限らず大手新聞はそろって賛成の方向で主張を展開している。
そもそも、民主党は「消費税引き上げ」に関しマニフェストにはなんら主張していない。
そのマニフェストで政権を取ったのであれば、再度「消費税引き上げ」を争点として民意を問う選挙を行うのが筋である。
しかし、新聞などマスコミは一切この問題を指摘せず「消費税引き上げ」を喧伝しているのである。
橋下徹大阪市長はこの問題に対し再三批判を繰り返している
結局、朝日新聞、読売新聞、産経新聞、毎日新聞、日経新聞、皆政治家への白紙委任は否定するはずだ。ところが今回の消費税増税は皆賛成する。選挙も踏まえないのに、堂々たるマニフェスト違反を認める。これを白紙委任を言わずして何を白紙委任と言うのか!大手新聞も権力チェックになっていないよ。
この件に関しては、橋下徹大阪市長の主張は正論だと思う。
■そして、自分たちだけ除外?
読売新聞の社説の酷いところはそんなレベルではない。
読み進めていくと以下のような主張が展開されていく。
活字文化と言論報道の公共性を重視して、新聞や書籍などの税率を大幅に低くする国も多い。イギリス0%、フランス2・1%、イタリア4%などで、「知識には課税しない」との伝統が定着しているからだという。
日本では、消費税率が欧州ほど高くないため、これまで軽減税率の必要性があまり論議されなかった。欧州の先例は参考になる。
読売新聞が今月実施した世論調査では、消費税率の引き上げ時に軽減税率を「導入すべきだ」とした人が全体の74%を占めた。
さりげなく、欧州各国の例を上げ、自分たちの業界は消費税率を低く抑えるべきであるという主張を織り込んでいる。
欧州では「知識には課税しない」と言う伝統があるからだという。日本にはそんな伝統は無い。逆に新聞など生活に必須なものではない。
まずは、日本の新聞が「知識」なのかどうかから問うた方がいいのではないだろうか?
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