17. 2012年5月02日 02:58:42
: Y5rTvCxssw
あいばさん、「市場原理主義+高福祉」という路線もありだと思います。 スウェーデンなど北欧諸国がそれに近いでしょう。 さらに一歩進めると、 スウェーデンのような高福祉+官僚・公務員の数・権限の少ないという意味での小さな政府を目指せばよいのだ。 いわゆる「福祉国家型最小国家」だ。“鍵”は、負の所得税などの基本所得保障制度だ。 基本所得保障制度とは、イデオロギー的に真逆同士、つまり左からも右からも制度設計如何で支持され得る可能性のあるイデオロギー独立性の高い制度といえよう。 ■なぜ? コミュニタリアンとリバタリアンが共にBIに賛同するのか? BIについて面白いのは、政府の役割について両極端の意見を持つ 「コミュニタリアン」と「リバタリアン」の双方が、BIを支持している点である。 コミュニタリアンは、国民の平等性を最重視し、手厚い社会保障や福祉を強く主張し、その結果大きな政府を志向する。 リバタリアンは、国家における政府の役割は可能な限り小さいことが望ましいと訴えている。 また「ネオリベラリズム論者」もBIを支持している。 彼らは、リバタリアンほど思想的色彩が強いわけではないものの、 経済活動も国民の厚生も市場メカニズムを最大限に尊重することによってうまくいくというスタンスだ。 今回はこの点について説明しよう。 ■コミュニタリアンのBIは格差解消の平等政策 コミュニタリアンがBIに賛成するのは分かりやすい。 彼らは「人は平等に生活し幸福になる権利がある」という理念を根拠に、社会保障や福祉の充実を主張する。 “平等”を最重要価値とするコミュニタリアンにとって“格差”は何としても是正しなければならない。 特に生存権を脅されている人々が存在する状況は決してあってはならないと考える。 その点、国民全員に、無条件で、生活を保障するお金を給付するBIは、理念的にも、現実的効果の面でもコミュニタリアンの主張そのものだ。 ところで、私も含めてBIを考えるきっかけは、 「普通の生活にすら困っている人々に対して何らかの公的救済を図るべきである」という思いにあることが多いのではないか。 例えば、子供を抱えたシングルマザーのうち半数以上が年収114万円以下の相対的貧困に苦しんでいる現実を見ると、 何としてもそうした人達に強力な支援をしなければという思いを抱く。 日本が豊かな先進国であるにもかかわらず、経済的要因を理由とする自殺がどんどん増え続け、 人口当りの自殺者数が世界でワースト3位であることを知ると、改善の必要性を感じる。 人として自然な感情であろう。 こうした普通の人々が自然な感情に基づいてBIを支持の動機と、 コミュニタリアンがBIを支持の理由とは、厳密に言うと、理屈の面で多少違っている。 普通の人々がBIを支持する理由の重点が「貧困からの弱者救済」であるのに対して、 コミュニタリアンがBIを支持する重点は「格差解消」「一律平等性」にある。 どちらの立場も政策の対象としては、“貧困に苦しむ社会的弱者の支援”ではあるが、 理念的な重点のあり所は異なっている。 ■リバタリアンにとってBIは政府の介入と裁量の排除 次にリバタリアンによるBI支持の理由を示そう。 そもそもリバタリアンは、国家における政府の役割は警察・外交・国防など、最小限にすべきであるという立場を取る。 にもかかわらず、最低でも60%程度の高い国民負担率を覚悟せざるを得ないBIを支持するのは意外に感じられるであろう。 リバタリアンがBIを支持する最大の理由は、BIが一律・無条件であるため行政コストが小さいことと、 行政の恣意性と裁量が排除できる点にある。 レッセフェール――成すに任せよ――を旨とするリバタリアンが最も排除すべきだと考えるのは“政府の介在”である。 現行の社会保障や社会福祉は、細かな規定に基づいて施行・運用されている。 政府による介入と裁量的運営のコングロマリットのような存在である。 この政府介入・裁量運営のシンボル的分野を根こそぎ更地に戻すがごときBIは、 財政面では拡大が避けられないにしても、理念的には極めて好ましいということになる。 リバタリアンは、元来は「最小政府国家」を看板にしていた。 しかし近年は、こうした側面を重視して「最大限に分配する最小国家」という理念が登場してきている。 ここでも通常の社会人の考え方とリバタリアンの考え方とのニュアンスの違いを示しておこう。 先ほども述べたように、通常の人たちがBIを支持する動機は、色々な事情で貧困に苦しむ社会的弱者を救うことにある。 これに対してリバタリアンにとっては、様々な形で政府/公的権力が介入・裁量することを排除できることが、 BIに賛同する最大の理由である。 http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20111129/224650/?rt=nocnt 「小さな政府」と「再分配強化」は、両立できる可能性はありますよ。 いわゆる「福祉国家型最小国家」構想 21世紀半ばまでには、実現したい国家構想 ■「福祉国家型最小国家」に関するやりとり http://togetter.com/li/157490 「小さな政府と大きな社会保障」が正解だ。 “鍵”は、ベーシックインカムや負の所得税(大人手当て)。 もっとも合理的なのは、利用者から見て極めて使い勝手が悪い官僚・公務員の裁量にもとづく無原則な社会保障を全廃し、 「負の所得税」のような非裁量的なルールで所得を再分配することだ。 負の所得税とは、課税最低限以下の低所得者に「マイナスの税金」つまり所得補償を行なう制度である。 たとえば年収300万円以下は非課税だとすると、いまの税制ではそれ以下の所得の人は税金を払わず、働けない人だけが生活保護を受ける。 これでは少しでも働くと生活保護が打ち切られるので、働くインセンティブがない。 それに対して負の所得税では、課税最低限の所得との差額の一定率を支給する。 その税率を0.5とすると、たとえば年収150万円の人には、(300円―150万円)×0.5=75万円を支給するのである。 これによって、少しでも働けば所得が増えるので、労働意欲が生まれ、生活保護を受けられないホームレスを防ぐことができる。 ■大きな政府、小さな政府、シンプルな政府。 一般的に、政府の大きい小さいは “予算規模”で区別される。 けれど、ブログ界隈で議論される政府の大きい小さいの場合は必ずしも予算規模の話ではなく、 政府を構成する組織・人員の大きさが焦点になっている場合が多い。 「小さな政府」を主張すると、(予算規模の話だととられて) 「福祉の切り捨てだ」「弱者の切り捨てだ」「所得の再配分ができない、格差を増大させる」と言われたりするけれど、 所得の再分配・福祉と(規模の意味で)小さな政府は両立可能だと思う。 ただ、それは小さな政府というより「シンプルな政府」なんだと思うけれど。 たとえば、ベーシックインカムや負の所得税を導入して年金・保険・育児教育補助を根本的に整理しなおして 厚生労働省の役割を1/5以下に縮小したら、それは予算的には「大きい政府」だけど、 機能的には「小さな政府」であり、よって「シンプルな政府」だ。 予算も機能も福祉もない“夜警国家”へ立ち返るのはやりすぎだと思うけれど、 18世紀から積み上げた経済学的知見や計算機科学を活用すれば、 規模を大きくせずに機能のみを伸ばした政府を実現するのも不可能ではないと思う。 複雑な政府では、みんなの目が届かないところでルールが悪用されたり、理不尽な運用がなされたりすることが多い。 一方、シンプルな政府はシンプルであるがゆえに悪が露見しやすい。 シンプルな政府は公正な政府により近い。 シンプルであるがゆえに行き届かない部分は、“時限的な”例外を設けて対処すればよい。 ◇ 政府機能は所詮必要悪だ。税金なんか払わずに済むのならばそうしたい。 しかし、それでは公共的な財やサービスの供給がなされず、長期的にみれば多くの可能性をコロしてしまう。 だから、社会的ゆるやかな合意のもと、みんなの信頼の上に政府という機構を構築している。 しかしそこで、複雑で規模が大きいがゆえ政府のX非効率、機能不備、汚職が増大すれば、 政府への信頼が揺らぎ、公共の仕組みとしての政府が支持されず、結局は破綻してしまう。 だから、いつの時代もヒトは本能的な嗅覚として政府の汚職と無能を嫌悪し、公正な政府を求めている。 http://www.be-styles.jp/archives/3213 ■イメージ図 http://www.be-styles.jp/wp-content/image697.png ■大きな政府・小さな政府の議論は、福祉の大きさと、行政の大きさに話を分けて行うことが重要だ。 そうしないと、国民のニーズを正確に汲み取ることができない。 ▼均等な「ばらまき」か、行政による「事業」か この点に関しては、できるだけ偏らない配分で、使い道が自由な「お金」を再配分してくれる方が、 公平感があるし、行政コストが掛からないのではないか。 国や自治体がハコモノを作ったり、福祉関係の事業に補助金を出したり、 教育費などに使途を限定した支出を行ったりするのは、時に便利であるかも知れないが、 お金の使途が不自由であり、生活スタイルへの介入でもあるし、 何よりも、多くの行政関係者の関与を必要とする分コスト高だ。 こう考えると、何の権限にも天下り先の確保にもつながらずに予算を食う「子ども手当」を 官僚及びその周囲の利害関係者(大手マスコミなど)が目の敵にする理由がよく分かるのではないか。 尚、子ども手当に対する所得制限は事務を複雑にするし、不要だ。 お金持ちにも手当が支給されることが問題なら、お金持ちの資産なり所得なりにもっと課税すればいい。 手当の仕組みはシンプルに保って、公平性の調整は課税の見直しで行えばいい。 (経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員=山崎 元) http://diamond.jp/articles/-/11333?page=3 小さな政府でも、大きな政府でもなく、 官僚・公務員・族議員差配の複雑な政府でもない 効率的でシンプルな政府=公正な政府、 「シンプルな政府、普遍主義(非裁量的なルール)にもとづく社会保障」 これを小沢氏らは目指すべきだ。 (自由党時代、「負の所得税」を公約に掲げていたので、すでに目指していたのかもしれない) 民主党政権は、小さな政府でも、大きな政府でもなく、 官僚・公務員・族議員差配の複雑な政府でもない 効率的でシンプルな政府=公正な政府を目指すべきだった。
■民主党の「バラマキ」政策はちゃんとバラマキすれば好ましい政策だった。 これは民主党誕生時からいっている(と同時にあまり実現性に期待できないとも批判)。 しかし今日の三党合意でいまの政府には「増税」とつぶやくことしか何もなくなったなあ。 やれやれ。 (田中秀臣=経済学者 http://twitter.com/#!/hidetomitanaka/status/100907117275381760 大事なことは、野田をやめさせた後は、 「誰を首相にするか」 「どんな政策の実現を掲げる政権をつくるか」 である。 自民党支持者が望んでいる「財務官僚・経産官僚・日銀官僚第一の政治」ではなく、 「国民の生活が第一の政治」を実現することが大事だ。 以下のように自民党(+官僚)がつくりあげてきた古い体制や政策を 変えることができる政権をつくるべし。 (以下は、例示。) (1)まず、エネルギー政策については、「脱原発」を宣言し、 太陽光、太陽熱、風力、地熱、バイオマス、小規模水力などの自然エネルギー(再生可能エネルギー)等を積極推進するための具体的な方策を打ち出すべき。 ドイツ政府のように20××年までに原発をゼロにする期限を決めた行程表を策定することを宣言する。 発送分離で東電解体、国民負担を最小化する。 (東電の資産売却を進め、株主責任、金融機関の貸し手責任も厳格に求めるスキーム。 このスキームであれば、国民負担は5兆円減る。 また、原発埋蔵金3兆円以上を活用すればさらに国民負担は減る。 【古賀茂明氏・飯田哲也氏・岸博幸教授・高橋洋一教授案】) (2)20年近くもデフレに苦しんでる日本 つまり20年間の大部分に於いて経済政策を誤り続けているということ。 自民党の失政でもたらされた「失われた20年」を「失われた30年」にしないためにも、マクロ経済政策の抜本転換を宣言し、 デフレ不況脱却のために強力なリフレ政策を断行すべし。 (【デフレ脱却国民会議】) (3)「脱官僚依存」というなら、 官僚・公務員の利権を断ち切るべく、 “天下りの受け皿”たる独立行政法人等の廃止・民営化・統合、官僚の財布”たる特別会計への大胆な切り込み、 そして裁量主義・選別主義にもとづく再分配政策の原則廃止などを打ち出すべき。 (「官僚のオルタナティブ」として、在野のブレーン&ブレーン集団を利用【脱藩官僚の会】【デフレ脱却国民会議】) (4)「国民の生活が第一」「最小不幸社会」というなら、 (官僚・公務員・族議員の利権にならないよう)普遍主義にもとづく再分配政策を断行。 たとえば、ベーシックインカムや負の所得税(≒普遍主義にもとづく給付政策)。 子ども手当てや生活保護や基礎年金は、ベーシックインカムや負の所得税などに統合すれば、無駄な人件費・管理費等もなくなり効率的だ。 (年金制度の二階以上の部分は、任意加入方式、積み立て方式にし、できれば民間に任せる。国の役割は法律にもとづく監視のみ 【飯田泰之准教授・原田泰氏・山崎元氏・橘木俊詔教授・榊原英資教授案】) 35 : 無党派さん : 2011/04/21(木) 21:48:28.95 ID:CpjjFBYX [3回発言] ■与野党は「復旧」段階では政治休戦しても「復興」に至ったら大いに国家構想を論議せよ(上久保誠人・立命館大学准教授) (前略)そもそも大震災にかかわらず、日本は人口減少・少子高齢化という構造的な問題を抱えている。 今後は、公共事業による経済成長とは違う、新しい国家構想を考える必要がある。 前回、平時のロンドンと節電中の東京の街の明るさが同じことから、 震災前に完全に戻らなくても豊かさを感じる社会のあり方を論じた。 このような欧州「福祉国家」の社会思想は、 民主党政権の「4K」政策(子供手当て、教育無償化など)の思想的なベースでもある。 民主党政権は、「復旧」段階では「4K」を凍結しても、「復興」段階では、「4K」の意義と国家構想を堂々と展開するべきである。 逆に、民主党政権が「4K」政策を撤回して大連立すれば、復興の方向性は旧来の公共事業中心の発想を超えられないだろう。 新たな日本の「国家構想」は、複数の選択肢が必要だ。 「復興」段階では、与野党は「政治休戦」を解消し、「国家構想」を巡って徹底的な論争を行わねばならない。… ▼民主党「4K」と自民党政治の本質的な違いとは何か 野党・財界・マスコミが「4K」を徹底的に攻撃したのは、 それが自民党政治で政治家・官僚・財界が築いてきた既得権益を崩すからだ。 自民党政治とは、大蔵省・通産省などの官庁と財界、自民党が連携して経済成長の促進に集中した政治だ。 自民党の役割は、輸出企業をサポートする規制政策の実行と、 企業からの税収を公共事業や補助金として利益誘導し、発展から取り残された地方を安定させることだった。 自民党政治のもう1つの特徴は、欧州では国家が行う福祉・社会保障サービスの多くを企業が代替する企業経営のシステムだ。 「終身雇用」「年功序列」は、新規学卒で採用以来定年退職に至るまで一生会社に囲い込んで企業社会を形成した。 また、「企業内労組」は、左翼政党よりも、企業の繁栄に役立つ自民党を支持した。 その結果、日本では労働者が公的福祉の充実に関心を持たず、公的な社会保障は貧弱なままとなった。 自民党政治は、90年代以降のグローバリゼーションの進展で、 むしろ日本企業の競争力を低下させる要因として批判されるようになり、橋本・小泉政権などは「構造改革」に取り組んだ。 しかし、既得権を死守する族議員・官僚などの抵抗により改革は中途半端に終わっている。 一方、民主党政権の「4K」政策は、政府が現金を給付して所得補償するものだ。 これは、自民党・官僚・財界の既得権を飛び越して、 国民に直接利益を供与するものだったから、既得権者側から完全否定されたといえる。 しかし、現金給付型の所得補償は、欧州では、北欧やドイツ、フランスのみならず、自由主義的な英国でも実施されている。 政策の方向性として完全否定すべきものではない。 むしろ、自民党政治を唯一の国家モデルとして固執することの方が問題だ。 もちろん、民主党がマニフェストで掲げた福祉の政治をやれば財政は破たんし、 経済は一挙に崩壊するという財源問題に対する批判はある。 しかし財源問題とは、自民党・官僚・財界の既得権益には手をつけないことを前提としたものだ。 むしろ削減すべきは、「4K」ではなく根強く残る公共事業・補助金・規制など自民党的政策だという考え方はある。 私は構造改革と競争社会にシンパシーを持っている。 それでも、欧州で定着している直接給付型の思想を「バラマキ」と単純に切り捨てるべきではないと考える。 日本でも、自民党政治の代替案の1つとして、議論されるべきものだ。 多様な思想の存在を認め、どれがベターであるかを、議論を通じて競い合うのが民主主義国だ。… 政治(国家構想)の議論を否定した後に来るのは、官僚が国民を統制する社会の復活だ。 http://diamond.jp/articles/-/11770?page=2 【ご参考】 ■雇用環境も福祉も欧米以下! ▼日本は「世界で一番冷たい」格差社会 米国の著名社会政治学者が大警鐘 日本の格差問題も英米に比べればまだまし――。そう考える人は多いことだろう。 しかし、ハーバード大学のマルガリータ・エステベス・アベ教授は、 福祉機能で米国に劣り、雇用環境で欧州以下の日本こそが、 先進国で一番冷たい格差社会であると警鐘を鳴らす。 http://diamond.jp/series/worldvoice/10012/ ◆「ドイツの派遣労働者は解雇されても、路上に放り出されることはない」〜ドイツ労働総同盟(DGB)法務担当幹部に聞く http://diamond.jp/series/worldvoice/10043/ ◆世界で一番冷たい貧困大国ニッポン 連載(5) 失業者に寛大なドイツ 冷徹な日本 ドイツでは、1年以上働いた人の失業給付は6ヵ月、2年以上は12力月、3年以上は18力月である。 これは非正規社員にも適用されるという。 また、ドイツでは、失業給付が切れても再就職できなかった人や最初から失業給付のない人などを対象に 「失業給付2」が設けられている。 食費や家賃など最低生活を維持するための扶助で、仕事が見つかるまで支給される。 単身者で月350ユーロ(約4万6000円)だが、 これがあれば非正規社員が仕事を失っても路上生活を強いられることはなさそうだ。 (ジャーナリスト 矢部武 やべ・たけし 1954年、埼玉県生まれ。 米アームストロング大で修士号取得。米紙「ロサンゼルス・タイムズ」東京支局記者等を経てフリーに。 著書に「世界で一番冷たい格差の国・日本」(光文社)など。) ■宮台真司氏 元々の新自由主義と、いわゆるネオリベとは区別しなければいけません。 ネオリベ=市場原理主義は、「小さな政府」&「小さな社会」の枠組みです。 新自由主義の「小さな政府」&「大きな社会」の枠組みとは全く違います。 でも、そうした初歩的な混同は日本に限ったことではありません。 ちなみにぼく(宮台)は、元々の意味での新自由主義者です。 「大きな社会」、すなわち、経済的につまづいたりちょっと法を犯した程度では路頭に迷わずに済む 「社会的包摂」を伴った社会を、グローバル化の流れの中で、どうやってつくり、維持するのか。 むろん道徳的伝統主義のような、かえって「社会的排除」を導く枠組を、頼るわけにはいきません。 だから、家族の包摂性、地域の包摂性、宗教の包摂性といっても、 かなり強い「社会的排除」を伴う旧来の家族や地域の宗教の、復活や維持を構想するわけにはいきません。 単なるノスタルジー(復古主義)では役立たないということです。 そこで、機能主義的な発想が要求されることになります。 http://blog.goo.ne.jp/mildwoods/e/4613e8b57dd63f84a6e608d5192c921d 北欧は、新自由主義型の高福祉社会といえるかもしれない。 市場原理主義+高福祉の組み合わせ。 竹中平蔵あたりとは大違い。 ジェフリー・サックスの論説 グローバル化で政府の役割は教育、公平な税制などで必要性増す。 北欧モデルを勉強すべき。 僕のブログでもサックスの北欧モデルを前紹介した
日本だとなぜか北欧モデルは高福祉だけがクローズアップだが、 同時に昔から日本とは比較ならないほどの競争重視社会。 http://twitter.com/#!/hidetomitanaka/status/119888913291681792 経済学者・田中秀臣 ■[経済] 小宮隆太郎の60年代後半スウェーデン経済論 http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20070127#p2 ■[経済] アメリカとは違う経済モデルは可能か? 著名な経済学者オリビィエ・ブランシャールがヨーロッパ型経済モデルについて簡潔な論説を書いていました。 ヨーロッパ型の経済モデルの特徴は、経済的効率性と寛容な社会保険制度を完備していることです。 いまある経済モデル(一番近いのはオランダ経済)の特徴を取り入れながらも、 ブランシャールの理想形態といえるものになっています。 その全体構想は、1)競争的な財市場、2)労働市場における保険制度、3)積極的なマクロ経済政策、から成立しています。 これらの特徴は今日の日本経済のあり方を考える上でも示唆に富むと僕は思います。… ユーロという「足かせ」を否定しないかぎり、ここでのブランシャールが実現可能だと提起しているヨーロッパ型モデルの要は、 この第三の柱である積極的な財政政策とまた労使間の所得政策ということになるか、と思います。 もちろん日本では、共通通貨制度を採用していないですから、この足かせはフリーのはずですが (実際には円の足かせがいまも効いています)、財政ならぬ積極的金融政策がキーになるのでしょう。 http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20070801#p1 ■日本がスウェーデン経済モデルから本当に役立てる二,三のこと ジェフリー・サックスの論文Revisiting the Nordic Model:. Evidence on Recent Macroeconomic Performanceより、 スウェーデン経済モデルから日本経済への含意。 1 小さな政府イデオロギー(社会福祉関係支出などの政府規模が大きいと経済をダメにしやすい)は、 必ずしも正しくはない(むしろサックス論文の範囲では、積極的な意味でこのイデオロギーは否定される) 2 ハイエク・フリードマン命題(福祉国家は隷従への道)は、北欧諸国の民主化レベルをみると完全に否定される。 3 エスニックな同質性が高ければ高いほど社会福祉は充実する傾向にある (ひょっとしたら移民増加政策や出生率を増加させるための移民政策は社会福祉の維持よりもその縮小にこそ貢献してしまうかもしれない) 1,2は数値を以下一部列挙したけれども、よほど頑迷なイデオロギーをもたないかぎり、 小さな政府の方がいい、北欧諸国モデルはダメ、とはいいきれないと思う。… ▼社会福祉関連の支出水準 政府受取(税収+そのほか)・GDP比率は、北欧諸国は56%、EC諸国は47%、イギリスなどは38%。日本や米国は30%台前半。 政府支出・GDP比率は、北欧諸国は52%、EC諸国は49%、イギリスなどは38%、米国は30%台前半。 社会福祉関連の対GDP比率は、北欧諸国は20%後半、EC諸国は20%真ん中、イギリスなど10%後半。 北欧諸国は高税収+高社会福祉支出。イギリスなどは低税収+低社会福祉支出の国。 税収と社会福祉支出、それに政府支出の特質は相互に正の相関をもっていることが指摘されている。 ▼社会福祉支出の特徴 公共部門の社会福祉支出は1)現金移転(年金など)2)、直接的な政府サービスの供給(育児、障害者へのサービスなど)、 3)積極的な労働市場政策(職業訓練、職業計画に沿った政府雇用)に区分されている。 北欧諸国はこの三点ともに高水準(対GDP比)。北欧諸国は過去20年間政府雇用を積極的に行ってきた。 米国との各項目の数字は、(北欧:米国 14.2:7.9、11.4:6.7、1.2:0.2)である。 米国は公的・私的社会福祉支出を合算しても北欧の水準よりも低い、ことが注目できる。 ▼社会福祉関連支出と貧困 北欧の社会福祉制度は貧困を減少するのに貢献している。 貧困率、下位20%の人口が占める可処分所得の割合、ジニ係数を比較してみると、 北欧諸国とアメリカを対比すると、(5.6:17.1、9.7:6.2、24.7:35.7)である。 ▼北欧諸国の福祉政策がもたらす労働市場の帰結 高い福祉政策はハイエクのいったように労働者のやる気を失わせるなど雇用に悪影響をもたらすか? 北欧諸国は高い就業率を維持している。これは過去10年あまりの積極的労働市場政策の成果、 さらに政府の公的雇用(高齢者、未熟練労働者、障害者らの雇用)の促進の成果、である。 これらは地方での社会福祉関連のサービスを行う人員として雇用されている。 http://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20070803#p1 月並みだが、結論は、ヨーロッパ型経済モデルとアメリカ型経済モデルのよいところを取り入れるべきということ。 しかし、その実現を阻んでいるのが、官僚、無能な政治家、大マスコミ、 そして特定の利益団体(経団連、連合、天下り法人、宗教団体、そして業界団体)ということか。 市場原理+高福祉(再分配強化)こそが正解か。 ■米、スウェーデン折衷型社会を=日本の将来で提言−内閣府の研究機構 日本は世代間や男女間の公平・平等によってリスクを分かち合う社会民主主義的なスウェーデン型と、 自己破産しても再出発しやすい仕組みのある自由主義的な米国型を折衷した社会を目指すべきだ−。 内閣府所管の財団法人、総合研究開発機構は10日、こうした提言を盛り込んだ報告書を発表した。 報告書によると、日本の現状は家族や企業を中心にした扶助を重視する点でフランス型、 生活保護などによる再分配機能が弱い点で米国型に近い。 しかし、仏に比べ現役・子ども世代への公的支出が著しく少ない一方、 米国より破産時に保有できる資産への制限が厳しいため、 「一部の人に過重なリスク負担を強いる」社会になっている。 今後の方向としては、家族手当や職業訓練、保育サービスなど現役世代への所得再分配を手厚く実施し、 女性労働力を活用しながら世代間の公平を実現しているスウェーデン型を目指すよう求めた。 また、グローバル化の中で規制緩和を進めた上で、 老後を支える多様な金融商品の開発や破産制度の改善などを通じて、 「リスクの社会化」を図るよう提言した。(2010/03/10-19:19) http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_date1&k=2010031000864 http://jp.wsj.com/layout/set/print/Japan/Economy/node_40535 ■総合研 リスク分散の政策体系提言 米・スウェーデン折衷型を 内閣府所管の財団法人「総合研究開発機構(NIRA)」はこのほど、 日本の政策体系がどうあるべきかを提言した報告書「『市場か、福祉か』を問い直す」をまとめた。 同機構はこの中で、税制による分配を重視する社会民主主義的な「スウェーデン型」と、 市場のメカニズムによる分配を重視する自由主義的な「米国型」を折衷した社会を目指し、 リスクを分散するべきだとの提言を行っている。 報告書では、日本経済の長期停滞により、 (1)生活水準の低下(2)生活・雇用・老後などに対する不安、リスクの増大(3)所得格差の拡大−の 3点が家計に悪影響を及ぼしたと指摘した。 日本社会の現状については、家族や企業を中心にした扶助を重視する点で「フランス型」に、 生活保護などによる再分配機能が弱い点で「米国型」に近いと分析。 だが、フランスに比べ現役・子供世代への公的支出が著しく少なく、 米国のような寛容な破産制度もないため、「一部の人に過重なリスク負担を強いる」構造になっている。 解決策としては、日本はフランス型ではなく、家族手当や職業訓練、保育サービスなど現役世代への所得再分配を手厚く実施し、 世代間の公平を実現したスウェーデン型を目指すことを提言。 また、規制緩和や多様な金融商品の開発、破産制度の改善などを通じて、「リスクの社会化」を図ることも求めた。 http://www.sankeibiz.jp/macro/news/100326/mca1003260507008-n1.htm キーワードは「負の所得税」だと思う。 ■橋下構想“負の所得税”一考の価値あり 維新の会が2月に提示した「維新八策」の「たたき台」では、 全国民に一定所得を支給するベーシックインカム制度の導入を盛り込んだ。 これに対して、例えば仮に全国民に月額7万円を支給すれば、 年107兆円かかるため、財源は大丈夫かといった批判があった。 維新の会の構想の背景には「負の所得税」の考え方があるようだ。 負の所得税はノーベル賞経済学者のフリードマンが主張したもので概念は明確だ。 各種の社会保障給付を統合し、現金給付化し定額で配布する。 その後で現金給付と所得を合算した上で一定率の所得税を課税する。 その結果、一定の所得以上の人は現金給付以上の所得税を支払うが、 当該所得以下の人は所得ゼロでも定額の現金給付額、 それ以上の所得になれば当該定額現金給付額を超える可処分所得になる。 つまり、うまく制度設計すれば財源問題はない。 これを現行制度に即していえば、 社会保障給付費100兆円のうち医療費30兆円を除く70兆円を全国民に月額5万円程度支払うイメージだ。 すぐに「財源問題だ」と条件反射するのは、各種の社会保障給付を整理合算したことを忘れ、 既存の制度に上乗せして給付が行われると勘違いしていることが多い。 しかし、このアイデアがこれまで実行されなかったのはそれなりの理由もある。 所得ゼロの人に無条件で定額現金給付するのかという問題があるからだ。 引退世代には年金支給でも抵抗はないが、現役世代に生活保護を無条件とするのは国民感情として難しいところもある。 もっとも今の生活保護でも、杜撰(ずさん)な支給や、成りすましによる不正な受給もあり、 給付を適正にするための人員も足りないことを考えると、 人々の所得や資産把握が十分であれば、負の所得税は大いに検討する価値がある。 特に、現金給付化して、社会保障にありがちな縦割りを是正して、給付する側の役所のスリム化には大いに役立つ。 その手始めは徴収する役所側の統合だ。 それが税と徴収する国税庁と社会保険料を徴収する日本年金機構の徴収部門を統合する歳入庁である。 実際、負の所得税のアイデアは、多くの先進国では、所得ゼロの人をどうするかを除くと、 多くの先進国で導入されている給付付き税額控除という制度の形で生かされている。 また、負の所得税は、市場主義を主張するフリードマンが提唱したが、 ベーシックインカムとも思想は別だが実態は似ており、人権を主張する人にも受けがいい。 今の日本では、失業給付と生活保護の縦割りを是正し、左右の思想にも受け入れやすいので、 具体的な制度設計にあたり参考とすべきものだ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一) http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120327/plt1203270759002-n1.htm >実際、負の所得税のアイデアは、多くの先進国では、所得ゼロの人をどうするかを除くと、 >多くの先進国で導入されている給付付き税額控除という制度の形で生かされている。
「所得ゼロの人をどうするか」という点で、リバタリアン右派とリバタリアン左派の考え方の違いが明らかになる。 リバタリアン右派:「所得ゼロの人」は、給付対象としない。 「働かざるもの喰うべからず」だ。 餓死しようが、自殺しようが、ホームレスになろうが知ったこっちゃない。 リバタリアン左派:それはいくらなんでも人道に反する。(生存権を保障した憲法25条にも反する) とくに病人や障害者など弱者の生存権は保障するべき。 「働かざるもの飢えるべからず」 よって、「所得ゼロの人」も、給付対象とすべし。 負の所得税は、給付付き税額控除という部分的な形で、他の先進国において導入例がある。 ■ミルトン・フリードマンが提唱した負の所得税が有名である。 実際にはイギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドで一部導入され、拡大されつつある。 アメリカ合衆国における勤労税額控除もこの負の所得税のバリエーションだと評価される。 日本においては小沢一郎が党首を務めた自由党が負の所得税に近い政策を掲げていた。 また、小沢が民主党の代表選挙に出馬する際に、再びこの公約が掲げられた。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%90%E3%82%BF%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%82%BA%E3%83%A0 ■給付付き税額控除 具体案の提言 〜バラマキではない「強い社会保障」実現に向けて〜 【導入国】イギリス、フランス、オランダ、ベルギー、スウェーデン、デンマーク、フィンランド、カナダ、ニュージーランド、アメリカ等 日本は、バブルの崩壊からようやく立ち直ったかと思うと、今また、グローバルな経済危機に直面しています。 この20年の間に、雇用については非正規雇用労働者の比率が増え、これまで 「会社」が正社員・終身雇用・年功制というかたちで果たしてきたセーフティネットから漏れる人々が増えてきました。 また、子育ての問題など、人間が生きる上で基本的な、生活や人生設計に直結した部分での将来不安が国民を覆っています。 このような重大な時期に政治は機能不全をきたしています。現在の日本が抱える課題の解決のためには、 物事の本質をしっかりと見極め、的確な政策を打ち出していく必要があります。 しかし、残念ながらこれらの問題に関する政策論議の多くは、対症療法的な既存政策の微修正が中心です。 わが国は厳しい財政制約の中で、格差問題や生活に対する不安といった問題に対処していかなければなりません。 そうなると必然的に、税と社会保障を別々に議論するのではなく、両者を一体にした仕組みを考えていかざるを得ません。 そうした要請を具体化するのが本提言で掲げる「給付付き税額控除」です。 東京財団では2007年よりその必要性を提唱し、近年はメディア等でも頻繁に取り上げられるまでになりました。 本提言では、より詳細な制度設計の論点、海外の導入事例に加え、日本における具体的な導入モデルを提示しています。 http://www.tkfd.or.jp/admin/files/2010-07.pdf http://www.tkfd.or.jp/research/project/project.php?id=12 小沢一郎は、自由党時代から唱えていたというのだから、先見性がある。 段階的に導入するのが現実的。 まずは、給付付き税額控除、そして徐々に負の所得税に進化させていく。。。 ■私が考えてたのはまさにこの流れ。 @forumdrei: 小沢修司さん的BI俯瞰図: 所得控除→税額控除→給付付税額控除→負の所得税→ベーシックインカム http://twitter.com/birdtaka/statuses/9651666109 ■負の所得税とベーシックインカムの対比図 http://newworldorder.tumblr.com/post/702950538 ■【研究メモ】ベーシックインカムと負の所得税の関係 http://d.hatena.ne.jp/dojin/20100514#p1 【負の所得税】 所得が一定額に達しない者に対し、政府が給付金を支払う制度。 課税最低限との差額の一定割合の金を給付する。 http://kotobank.jp/word/%E8%B2%A0%E3%81%AE%E6%89%80%E5%BE%97%E7%A8%8E ■そろそろ「負の所得税」をまじめに考えてもいいのではないか(山口浩/駒澤大学教授) http://www.h-yamaguchi.net/2005/07/post_01a6.html 生活保護に代えて、負の所得税を導入するのが妥当ではないだろうか。 まずは、負の所得税の部分的導入としての給付付き税額控除。 この給付付き税額控除に段階的に生活保護や役に立たないアドホックな福祉制度を統合し、負の所得税に近づけてゆくのが妥当。
■生活保護制度とベーシックインカムと負の所得税の違い 『ベーシックインカムは「愚者の楽園」』『ベーカムは「愚者の楽園」追記』で橘玲氏が、 産業革命勃興期に英国で実施されたスピーナムランド法の経験を元に、ベーシックインカムを否定している。 しかし、批判は妥当とは言えない。 現在の生活保護制度の方がスピーナムランド法に近くなっており、 ベーシックインカムは生活困窮者のインセンティブ・メカニズムにも考慮しているからだ。 分かりづらい所もあるので、生活保護制度とベーシックインカム、そして負の所得税について違いをまとめてみた。 1. 生活保護制度とその問題点 スピーナムランド法は端的に言えば、所得が生活扶助額以下の困窮者に生活扶助額を与える、 現在の日本で行われている生活保護に近い制度だ。大雑把な例を図示する。 実線が手取り、破線が所得税や生活扶助費が無い状態を表す。 実際の制度は、家族構成や居住地域資産の有無等で生活扶助を受けられる所得が変化し複雑だが、基本的な特性は同じだ。 (1.1) 困窮者が働かなくなる 全力で働いても生活扶助額以下にしかならない人には働く意味が無い(スピーナムランド法では一定額以上は働く必要がある)。 図で言うと、所得が14万円以下の領域では、手取りが平行線になる。 困窮者が働かなくなるために、生活扶助額と社会的損失が大きくなる(*1)。 (1.2) 困窮者の扶養者の調査が必要 内縁の夫などの経済的な保護者がいても、それを隠す人が出てくる。 児童手当や生活扶助狙いの偽装離婚などがありえる。 (1.3) 財政負担が大きくなる (1.1)から財政負担が大きくなる。なお現在は年に3兆円以上の支出がある。 2. ベーシックインカムとその利点と問題点 ベーシックインカム(以下、BI)は、全員に一定の金額を給付しようと言う制度だ。 金持ちであろうが、困窮者であろうが一定の金額がもらえる。大雑把な例を図示する。 実線が手取り、上の破線がBI込みの所得、下の破線が所得税や生活扶助費が無い状態を表す。 BIにも所得税がかかるとしているが、かからなくても他の所得に対する課税で調整されるので、本質的には同じだ。 一定の金額(ここでは10万円)を所得に関わりなく給付し、その後に所得税をかけるので、実際に生活扶助費をもらう人は少数になる。 (2.1) 困窮者も働く 困窮者も働くインセンティブを持つ。図で説明すると、手取りが所得に対して平行な領域が無い。 理論上は労働意欲が減退すると思われるが、貧乏人の方がお金が必要なものだ。 (2.2) 困窮者の扶養者の調査が不要 家計単位ではなく、国民全員に給付するので、実際の家族関係などの把握は不要になる。 BIを課税対象にした場合、BIへの課税を減らす為に離婚する人が増えるかも知れないが、生活扶助ほどの利益は無い。 (2.3) 大きな所得税増税が必要 BIの欠点は予算規模が莫大になることだ。 支給額×1億2000万人が総支給額になるので、月に10万円配ると年に144兆円必要になる。 生活保護制度と比較すると、インセンティブ・メカニズムが良くなり、スクリーニング・コストが低減され、 政府の予算規模が膨大になる。 3. 負の所得税とその利点と問題点 生活保護制度の生活扶助費の計算を改善して、働く意欲を持たせたのが負の所得税。 ミルトン・フリードマンが提唱し、最近では英国で導入が検討されている(Telegraph)。大雑把な例を図示する。 実線が手取り、破線が所得税や負の所得税(=生活扶助費)が無い状態を表す。 (3.1) 困窮者も働く 困窮者も働くインセンティブを持つ。図で説明すると、手取りが所得に対して平行な領域が無い。 理論上は労働意欲が減退すると思われるが、貧乏人の方がお金が必要なものだ。 (3.2) 困窮者の扶養者の調査が必要 内縁の夫などの経済的な保護者がいても、それを隠す人が出てくる。 (3.3) 政府予算が削減できる (3.1)から働く人が増えるので、政府予算をある程度は削減できる。 生活保護制度と比較すると、インセンティブ・メカニズムが良くなり、スクリーニング・コストは同様で、政府予算を削減できる。 4. 生活保護制度の改良は必要 日本は母親が勤労しているのに貧困に陥っている母子家庭がOECD諸国の中で飛びぬけて多く (平成22年版 男女共同参画白書 - 第1部 第5章)、 もっと生活保護制度は批判されても良いと思うのだが、なぜか対策は後回しにされている。 現状では生活保護制度の不正は0.4%程度なので、スクリーニングに大きな問題は無い。 しかし、インセンティブ・メカニズムには大きな問題があり、 困窮者が自助努力を放棄したり、本来ならば生活保護が必要な家計が利用できていなかったりする。 頑張る人が得にならない社会と言うのは、道徳的とは言えない。 BIも負の所得税もインセンティブ・メカニズムは大きく改善するが、 BIは政府予算の劇的な拡大を招く為、受け入れられる可能性は低い。 最終的にはそうはならないが、ばら撒きと見なされる可能性も大きく、 負の所得税を導入する方が現実的であろう。 http://www.anlyznews.com/2012/03/blog-post_17.html 完璧な制度はない。 ただ、総合的に見ると、負の所得税>ベーシックインカム>生活保護制度。 負の所得税の導入を目指すべきだろう。 国がやるべきことは、 ■負の所得税のような基礎所得保障制度導入で最低限の所得をすべての人々に保障。エコヒイキなし。 (裁量行政は、腐敗の根本的原因。 官僚・公務員による裁量を排し、客観的なルールに基づいて、自動的に政策が運用される「普遍行政」への転換。) ■ハローワークの民営化 ■バウチャー制度の導入(職業紹介所利用券、職業訓練所利用券など) (職業紹介や職業訓練を民間に任せて、競争させる→ 求職者自らが職業紹介所や職業訓練所を選択→ 業者は、質のよいサービスを求職者に提供するよう努める)
シンプルな政府で高福祉を実現。 現状は、複雑な政府と低福祉。 なぜ制度は複雑か。官僚や公務員が私腹を肥やすため。 官僚・公務員の裁量の余地が少なく、かつ誰もが理解できるシンプルな制度のほうが 透明性は向上し、腐敗を可能な限りなくすことができる。 ■「恩顧主義的エコヒイキ政策から、 基準に該当すれば公平にバラマク政策への転換」 をいろいろな場所でアピールしているが、 バラマキという言葉を使った段階で拒絶反応にあう。 エコヒイキの継続か、 むき出しの市場主義かという二者択一ではなく、間に色々ある。 市場を機能させるためにこそバラ撒く必要がある。 (米エール大学・斉藤准教授=政治学) http://twitter.com/#!/junsaito0529/status/145094306124926977 >エコヒイキの継続か、 >むき出しの市場主義かという二者択一ではなく、間に色々ある。 ■僕(斉藤教授)がバラマキを賛美すると社会主義的だと誤解されることが多いのだけど、 そうではなくて、どうせ財政支出を行うなら市場を歪曲しない形でのバラマキをすべきだという主張。 額を絞ったエコヒイキ的支出は景気対策として効果がないし、 官僚機構・疑似公共団体の仕事増やすだけだし、民間活力を削ぐ。 http://twitter.com/#!/junsaito0529/status/103999663341965312 ところが日本の財政政策は額を小出しにしたエコヒイキ政策にどんどん変化している。 財政制約がきつくなる中で、官僚機構が生き残りに知恵を絞った結果だろうけれども、 原田泰氏流に言えば「なぜ日本経済はうまくいかないのか」の原因だろう。 http://twitter.com/#!/junsaito0529/status/104000262196305921 ■@riekoichihara: @junsaito0529 バラマキじゃない税金の使い方って何でしょう? ○○支援事業とか○○サポート事業とかいうよくわからない事業のために、 大分税金が使われてて、殆どは事業を実行する官公庁のバイトの人件費や物品購入費に消えてます。 それならバラマキの方がマシだと思う。 http://twitter.com/#!/junsaito0529/status/104004457322397696 企業支援とかエコヒイキ政策するくらいだったら最初からばらまけば良いんだよ。 金融緩和は日本円のバラマキに他ならないし。 もちろん、日銀は産業政策なんてやるべきじゃない。 http://twitter.com/#!/junsaito0529/status/105084180538466305 ■原田泰氏の言う「政策的誘導が必要なとき、政府の過剰関与よりはバラマキ政策がよい」 という主張は当たり前の話で、 むしろ自分が何か言わなくてもみんながそう思ってくれたら話は早いのだけれども。 ばらまくことで構造改革が進むことを恐れる利害関係者がそれだけ多いのだろう。 http://twitter.com/#!/junsaito0529/status/99825129588137984 日本の公務員って、基本的に現物支給(子ども手当ではなく保育園補助とか)と 現物徴用(ボランティア)が好きだよね。租庸調の時代から進歩していない。 小室直樹の言う律令国家の一つのあらわれかw おカネたくさん刷って、おカネたくさん使う方向に変えていった方が経済がうまく動くと思うのだけど。 http://twitter.com/#!/junsaito0529/status/99828683128315904 米エール大学准教授・斉藤淳 自民党型公共政策を「バラマキ」と捉えるのは間違い。 エコヒイキが本質なのは拙著でも指摘したのだけど。 バラマキ政策の有効性については 原田泰『日本経済は何故上手くいかないか』参照。 リフレはある意味で非常に有効なバラマキ政策。 http://twitter.com/#!/junsaito0529/status/107519441620832256 ■民主党、自民党という意味での政権交代は意味がなくて、 実質的に「財務省・日銀政策レジーム」からの転換という意味で考えるべきだと思います。 http://twitter.com/junsaito0529/status/58533755224199168 なるほど、それが本当の意味での政権交代ですね。 http://twitter.com/baatarism/status/58534846326243329 そうそう。自分がこういうと紛らわしいかもしれないけど、 菅さんから谷垣さんに交代しても意味なくて、 今の政策レジーム終わらせる政権交代が必要。 そういう意味で政権を変える必要あると主張してる。 QT @nobunobu666 もう経済学の問題じゃなくて日銀財務省の問題ですよね。 http://twitter.com/junsaito0529/status/58535630480736256 (斉藤淳・イェール大学教員) ■社会資本が不足していた時代には、公共事業は経済合理的でした。 その後、集票が一義的目的になるに及んで、 経済成長に寄与しない分野により多くの支出がなされました。 データ見れば明らかです http://twitter.com/junsaito0529/status/21894169932861440 ■@junsaito0529 そもそも、20年近くも、まとめな経済政策、金融政策をせず、 短期国債やら、派遣、アウトソーシング、中国への間接、直接投資で、 経済成長をさせる事が出来なかった政権は、下野して当然だと思うのですが。 http://twitter.com/jv_forrestal/status/21679879955161088 ■自民党型公共政策では、兼業農家が産業構造調整のバッファーと社会安全ネットの機能を担っていた。 時代が変わってもこれに変わる政策を打ち出せなかったことも、日本の労働市場を硬直的なものにしていると思う。 (政治学者、エール大学政治学科助教授) http://twitter.com/junsaito0529/status/21677375259410433 これに代わるものを作ることを期待されて政権についたのが民主党なのですが、 道はなかなか険しいようですね。 自民党型安全網は、選挙での支持と引き替えでした。 これをルールに基づくものに変えていかなければ @naylaw16 今やこのセーフティネットも崩壊してしまっている気がします。 http://twitter.com/junsaito0529/status/21828091730989056 斉藤淳=エール大教授(政治学者) ■社会保障は個人に直接配るべき。 「公共事業を増やすべきだ」という人たちがいるが、多くの人に関わる社会保障は効率的であるべき。 「俺達は賃労働で食べている。国から直接金をもらうなんてとんでもない」 という自尊心のために、無駄を許すべきではない。 http://twitter.com/T_akagi/status/17757123167 赤木智弘=ワーキングプア層のフリーライター |