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http://getnews.jp/archives/190724
ブロガーから見て「なぜ?」と感じる、国会や公官庁の慣習や仕組みについて、政治家や官僚、メディアの中の人に聞いていく『なぞなぞ霞ヶ関』。2回目は、2012年2月10日に設置された復興庁について取り上げます。
言うまでもないですが、復興庁は東日本大震災における被災地・被災者が一刻も早く元通りになるために、内閣の下に置かれました。年間予算は2兆433億円。職員数は約250名です。決して少ないリソースではありません。
しかし、復興庁の仕事に関してはよく分からないこともあります。例えば、サイトの冒頭には次のように記載されています。
復興庁は、(1)復興に関する国の施策の企画、調整及び実施、(2)地方公共団体への一元的な窓口と支援等を担います。
しかし、190名という全体の75%以上が東京勤務という配置。平野達男復興大臣は発足時の会見で、「復興の主体は自治体」と強調されていましたが、これで本当に被災地の自治体や被害者のニーズを把握できているのでしょうでしょうか。
ちなみに、現地で活動しているNPOの複数関係者に「復興庁から連絡などがありましたか」と聞いてみたのですが、「一切ない」とのこと。あるNPO幹部は「産業界との連携を図りたいようですが、具体的な住民のニーズの把握を主体的に務めているように感じられないですね」と話し、ハナから期待していていないような口ぶりでした。
また、各地方自治体の担当者に聞くと、この「一元的な窓口」というのはどうも限定されたものらしい、ということも分かってきました。東北地方の地方紙・河北新報に『津波に耐えた桜並木伐採 「希望だった」住民惜しむ』という記事が2012年4月13日に載りました。宮城県亘理町荒浜地区の桜並木が防潮堤の復旧工事に伴い二月下旬に伐採されたというニュースでは、「住民には詳しい説明がなく、作業を見かけた人が中止を訴えたが受け入れられなかった」とあります。この事件も含めて、とりあえず復興庁の宮城復興局に問い合わせてみました。
Q:亘理町の桜並木の伐採の件は、復興局として把握されていたのですか?
A:ニュースになったことは把握しています。この件は、防波堤の「復旧」の案件なので、直接の管轄は国土交通省になります。
Q:えっ? 「復旧」と「復興」はどのように違うのでしょう?
A:「復旧」は、道路や水道といったライフラインや今回のような防波堤の修復のようなものですね。「復興」は、産業の振興ですとか、新たなまちづくりといった案件になります。そういったことについては、各自治体の担当者と具体的に話しあっている最中です。
Q:つまり、予算をどのように配分するのか、ということでしょうか?
A:復興法で、特区などの制定により、さまざまな助成がありますので、どのように活用するのがよいのかを、自治体と相談しながら「復興」を進めるということですね。
Q:NPOの方々にお話しを伺ったところ、「どんなことをしているのか分からない」という声が多かったのですが。
A:被災者の心のケアなど共同していきたいとは考えてはいます。NPOが活用可能な財政支援について案内しておりますので、お問い合わせして頂きたいと考えております。
Q:復興庁として、具体的な企画やアドバイスはしないということなのでしょうか。
A:各自治体や住民のニーズに関して、できるだけヒアリングして適切な対策ができるようにしております。
Q:ちなみに、宮城復興局の職員は何名なのでしょう?
A:約35名になります。
いやぁ、「復旧」と「復興」って違うんですねぇ……というのが一番の感想になります。いずれにせよ、自治体やNPO・企業などからの提案待ち、といったのが復興庁の姿勢のようです。それから35名という職員数では、とても広い範囲のきめ細かな対応が取れるようには思えないのですが……。東京にある復興庁の担当者に聞くと、職員は「全省庁より移籍」しているとのこと。主な業務は、「自治体の要望・意見の吸い上げと、各省庁間の調整業務」ということだったのですが、予算を配分する前に必要な、各自治体とのコミュニケーションが取れる体制にないような印象を受けました。
また、被害者をはじめとする、一般市民に対するPRも不足しているのではないか、とも感じました。例えば、復興庁サイトの「被災者の方へ(各種制度の解説集、相談窓口)」のページはまったく情報が上がってません。これでは「何の仕事しているのか」という疑問を持たれても仕方ないと思います。
被災者の方へ(各種制度の解説集、相談窓口)| 復興庁
http://www.reconstruction.go.jp/topics/cat22/
しかし、復興庁に限らず、公官庁のサイトってなんでこんなに使いづらいんだろう?? ちょうど首相官邸のホームページの予算が4500万円だったということが話題になったことですし、次回は官庁のサイトはどのようなプロセスで作られるのか、調べてみようかしらと考えております。
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