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山口二郎北大教授の民主党政権の「挫折」についての検証(五十嵐仁の転成仁語)
http://www.asyura2.com/12/senkyo129/msg/398.html
投稿者 gataro 日時 2012 年 4 月 26 日 22:27:05: KbIx4LOvH6Ccw
 

http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2012-04-26

4月26日(木) 
山口二郎北大教授の民主党政権の「挫折」についての検証 

 『現代の理論』第30号(終刊号)に掲載された山口二郎北大教授の論攷は、「民主党政権の挫折が明らかにしたもの−日本政治の壁に抗する一条の光を求めて」というものです。民主党政権はまだ倒れていませんが、山口さんにとって、それはすでに「挫折」したものと捉えられています。
 まだ生きているのに、弔辞を読み始めたようなものです。さしずめ、「民主党よ、お前はもう死んでいる」と言いたい気持ちなのでしょう。

 この論攷には興味深い指摘がたくさんあります。例えば、次のようなものです。
 まず、「思想のない政治という実験」という表題の下に、次のように書かれています。

「民主党政権は、思想を持たない政党が権力を持った時に政治がどうなるかという実験を行ったと評価することができる。」
 「まさに民主党は小選挙区制が作った政党であった。それは、政治家が小選挙区制を生き残るための方便であった。」
 「『生活第一』が、いわば自民党政治への反射にとどまり、思想のレベルにまで深まっていなかったことに民主党政権の失敗の最大の原因があった。」
 「民主党は政権交代を自己目的とし、目指すべき日本社会のビジョンを共有しないまま政権に就いた。政権交代の成果を焦って形式主義的な制度変更を急ぎ、政策転換の中味が伴わなかったというのが私の総括である。」

 次に、「日本政治における左派の限界」という章では、次のような指摘があります。

 「左派の限界には、主体の脆弱さとという問題と、日本の政治構造におけるある種の変更という問題の二つがある。」
 「私には、社民党の自己満足が鳩山政権の寿命を縮めたとしか思えない。」
 「政策と政局の両方で戦える政治家集団を作り出すことが、左派の課題である。」
 「日本の権力構造の中に左派を周辺に追いやる偏向が存在するrというのは、陰謀論や被害妄想ではないと思う。」
 「無意識のうちに結果的に大きな不公平を作り出し、報道の正確性という職業倫理さえ曖昧にするという点に、権力構造の歪みが現れている。」

 さらに、「日本政治における対立軸の行方」という章でも、次のような文章があります。

 「現在の日本政治にとっての最大の問題は、政党政治の破壊が流行となっていることである。」
 「民主党による政権交代が、政治に対する不信をいっそう強め、民主政治崩壊の引き金を引いただけとなるならば、政権交代の旗を振ってきた我々も、その罪万死に値するということになる。」
 「これから次の総選挙に向けて、基本政策の大規模な修正が不可避となる。その際の実務をになうために保守とリベラルの連携が必要となる。あえて単純化すれば、税・社会保障改革は推進し、生活保障の政策を一層拡充しつつ、TPPについては慎重に対処するというのが国内政策の基本姿勢である。」

 一読して、日本政治の現状に対するペシミズムと危機感が溢れているような印象を受けました。とくに、「政権交代の旗を振ってきた我々も、その罪万死に値する」という文章は痛切です。
 山口さんは、かつて「政治改革」の旗を振り、「その間違いを素直に認めるべき」だとして「一時は選挙制度改革を推進する言説を発表したことに対して責任をとらなければならない」と反省されました。今また、「政権交代の旗を振って」、その挫折を認め、「その罪万死に値する」と反省されています。
 何とも痛ましい姿であり、自民党政治の転換を願ってきた私としても残念きわまりない気持ちです。

 山口さんの主張の多くには、私も異論はありません。ただ、「政治家が小選挙区制を生き残るための方便」が民主党だったと書かれていますが、そのような「方便」を強いるような政治改革には、山口さん自身も関わっていたのだということは指摘せざるを得ません。
 小選挙区制が導入されたために民主党のような「方便」政党ができ、そのような政党による政権交代であったがために今日のような無惨な「挫折」がもたらされたのではないでしょうか。そうだとすれば、山口さんは、20年ほども前に犯した過ちのツケを、今、払わされているということになります。
 何という皮肉な巡り合わせでしょうか。「政党政治の破壊」や「民主政治崩壊」の淵源は、政権交代そのものではなく、民主党のような「思想を持たない政党」、「いわば自民党政治への反射にとどまり、思想のレベルにまで深まっていなかった」政党、「政権交代を自己目的とし、目指すべき日本社会のビジョンを共有しない」政党に、その事業を委ねざるを得なかったという点にこそ、あったのですから。
 そして、今の日本政治が直面している最大の隘路は、それに代わる可能性のある政党が自民党しか存在していていないという点にあります。それもまた、小選挙区比例代表並立制による「二大政党化」がもたらした結果なのですから、小選挙区制の罪深さに暗澹とするばかりです。

 最後に、山口さんは「原発事故は、日本の市民を覚醒させる大きな契機となるかも知れない。政治的な意思表示が普通の人のすることではないと思われていた社会から、公共問題についていいたいことを自由に発言し、運動するという社会に変化する兆しはある」と書いて、「日本政治の壁に抗する一条の光」を見出しています。私も、その「光」に望みを託したいと思いますが、小選挙区制の「壁」は、その「光」さえも遮ってしまうかも知れません。
 

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コメント
 
01. 2012年4月26日 22:38:32 : 6awKhnWWfo
山口さんという人の論調がどのように変遷して行ったか、
それを表にしてみれば、この人の論考は、読むに値しないことがわかります。
その時系列に、菅首相(当時)との食事を入れておくことが肝です。
こんな人が教授を勤めていることはどこかといえば、北大ですが、
私は北大の先生方をいちいち存じ上げませんが、
これが、北大の先生の質の代表特性なのかな、と思いました。
まさに、
「先生と呼ばれるほどの馬鹿でなし」
がぴったしです。

02. 2012年4月26日 22:55:50 : lTiO4xJzvU
山口のコラムなど意味のないものだが
小選挙区制の問題と摩り替える五十嵐仁という人もどうなのかね

意図的に摩り替えてるだろうし(要するに共産党に不利なものは全て「悪」)

山口やブログ主の言う
「日本政治の壁に抗する一条の光」
は、共産党や菅の動きを念頭においての発言だろうしね


03. 2012年4月26日 23:09:14 : UA2h57l2Cc
思想を持たない政党が権力を持った時に政治がどうなるかという実験→☓
思想を持たない勢力が権力を持った時に政治がどうなるかという実験→○

民主党は選挙も政策も党運営も小沢頼みの政党であったということ。どの代表よりも安定し選挙に勝ちそのための政策を打ち出せた。好き嫌いはあるでしょうがこれが問題の根幹。

政策と政局の両方で戦える政治家集団を作り出すことが、左派の課題である→☓
政策と政局の両方で役立たない政治家集団を認識することが左派の課題である→○


04. 2012年4月27日 00:06:56 : aDiDCZHnys
官僚支配を批判しないで政治の何たるかを語る人たちは、自民党の人間と同じ。

05. 2012年4月27日 00:58:11 : Ll0NofAqMU
>>04
たしかにそうですね。
ですが、それはそれとして、官僚の一生涯をも心配する小沢さんは素敵です。

ただ批判するだけではなく、官僚の人生の対応もきっちり考えている。
そこまで考えて行動する議員は小沢G以外見つからないのが、日本の政治の悲劇でもあるが。

私は、政治家に何か凄いことをやってくれとは思わない。
が、せめて普通のことはしてくれと思う。
ごくごく、普通のことをしようとする新政研にしか、今は期待できない。


06. 2012年4月27日 03:22:58 : dkYlaH1ICI
山口はマスコミ受けするという事が取り得の芸人。頭の悪い男であり、評するに値しない輩である。五十嵐はそれ以下である。

ゴミのような作文を掲載した投稿者の見識を疑う。


07. 2012年4月27日 06:57:07 : yxWK02N3A2
五十嵐仁氏は政治社会学分野での指導的学者であることを誇示したいゆえか、好んで「論攷」を使う。私は五十嵐氏のこの漢字使用に衒学を見る思いがいつもある。小学館の国語辞典は、それは「論考」と同義であると書く。藤堂明保氏が監修する漢和字典も同義であると書く。ただし、漢和字典は、「攷」の偏について「曲がりくねった道筋をたどる」という意味をこめていると書く。

五十嵐氏が山口二郎氏を批判する根底には「自分は正しかった」との自己主張がある。文字通り共産党的思考であることも鼻に付く。小選挙区制であったから、自民党・公明党による日本売国推進を何はともあれ一旦は中止させることができたと私は思っている。その後の推移は山口氏の指摘どおりであるが。

「民主主義」、「民主的」であることが「国民生活の安全・確保」をもたらすのか、私にはよく分からない。「右」と「左」の色分けが政治理解の指標としては今や使い物にならないと同様、「民主的云々」も現代の対立する諸問題の区分には適切な表現ではなくなったのではないか?


08. 2012年4月27日 09:50:27 : G6R8Ed6hh2

官僚政治の無意識の存在が「検察」という道具。

マスコミはそれにジョイントしている。
接着剤は『金』だろう。官房機密費、政府広報費・・・。飴とムチ。

飴はアメ(リカ)か。

山口センセイの認識も甘い。


09. 2012年4月27日 20:18:07 : VgxHNywTe6
このような人間が税金で養われていることが
土人国家であること。

10. 2012年4月28日 17:45:17 : 6kuobrWeYc
>意図的に摩り替えてるだろうし(要するに共産党に不利なものは全て「悪」)

得票率以上議席が獲得できる小選挙区制は自民・民主に有利だが、それはOKなんだ。まあ、バックが見えてしまうが。


11. 2012年4月29日 10:14:35 : 6awKhnWWfo
今朝(四月二十九日)の東京新聞朝刊のコラムに、
また山口先生の論説が掲載されておりました。
小沢さんに、さきの総選挙で掲げて国民の支持を受け、政権交代を達成し得たあのマニフェストを捨てて、菅さんや野田さんの政策に合わせろという主張です。
それでこそ、一人前の政治家だといわんばかりの主張です。
まあ、百家争鳴で、いろんな意見があっていいのですが、
この山口先生の主張は、過去の論説とどう整合性をつけてくれるのでしょうか。
こんな先生のゼミの学生は、どんな顔をして、何を学んで、社会に出て、どんな振る舞いをするのか、是非見たいものです。
北大はこんな方を、教授として、税金で養っているわけです。
東京新聞さん、山口先生のコラム分の購読料を返金してもらいたいものです。

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