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被災地の復興支援を謳った東日本大震災復興支援グリーンジャンボ宝くじ(二月一四〜三月一四日まで)だが、その売上が被災地にきちんと回されているのか、疑問が浮上している。
グリーンジャンボ宝くじは売上が一一〇二億円と、予定を七割上回る結果となった。宝くじ事業を所管する川端達夫総務相は三月、「復興を支えようという気持ちが、この売上になったと思う」とご満悦だった。
売上好調につき、被災地に回るお金は八八億円から一五〇億円に増額したというが、一一〇二億円集めて一五〇億円では少なすぎないか。一枚三〇〇円のうち、四〇円あまりしか被災地に回らない計算だ。
復興宝くじなら、収益金四五〇億円全額が被災地に回るように思うが、もともと収益金の「六六〇分の二二〇」、つまり三分の一だけ被災地に回すことになっていた。残り三分の二は、宝くじを発行している四七都道府県と一九政令指定都市に分配される。「復興支援」と言いながら、収益の半分も被災地に回らない。
これでは「復興詐欺」ではないか。復興のために、多くの国民が宝くじを買ったはず。
売上金は、自治体を通じて、(財)地域創造、(財)自治体衛星通信機構などの天下り団体に流れる予定だ。復興名目で集めた宝くじの収益で、天下り団体が潤う構図だ。
収益だけではない。宝くじの経費は、(財)自治総合センターや(財)日本宝くじ協会にも回る。両団体に二・七%回るから、三〇億円弱が流れる計算になる。
各々の団体の役員には元消防庁長官や元自治省給与課長、選挙部管理課長らが就任している。職員にも複数天下りがいるという。
この仕組みは一昨年の事業仕分けでも明らかになっている。被災地支援を装った「官製詐欺」ビジネスを、民主党政権は放置しているのだ。
(中山雄二・ジャーナリスト、4月13日号)
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