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小沢強制起訴「検察審査会」がやったこと
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2012/4/24 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
26日判決
闇の組織の解明はどこまで進むのか――。民主党の東祥三衆院議員や森ゆうこ参院議員ら約140人がきのう(23日)、小沢元代表を強制起訴した「検察審査会」(検察審)の実態を調査するために秘密会を国会で開くよう求める文書を衆参両院議長に手渡した。
文書では、検察審の議決について「強大な行政権の行使について誰も責任を負わない」と指摘。「非公開の検察審を調査するには、秘密会の開催以外に方法がない」としている。
小沢裁判は26日に東京地裁で判決が言い渡されるため、新聞テレビは「判決直前の要請は異例」と騒いでいる。しかし、検察審の真相究明に向けて秘密会の開催を求めるのは「異例」どころか、むしろ遅すぎたぐらいだ。
「小沢裁判の検察審をめぐっては、疑惑が次々と明らかになりました。2回の議決に関わった審査員が全て入れ替わったにもかかわらず、そろって平均年齢が『34・55歳』だったし、検察が2度も不起訴にした事件を短期間でどう解釈し、なぜ、起訴と判断したのか――という経過も全く分からない。メディアが検察審について裁判所に質問しても『非公開』の一点張りで門前払いです。どこが監督官庁で、どこに責任の所在があるのかも分かりません。こうした制度の欠陥を早く是正しないと、検察審は冤罪の増産組織になってしまいます。完全非公開の検察審の実態を明らかにするためには、守秘義務が厳守される秘密会で調査するしかありません」(司法ジャーナリスト)
◆まんまと特捜部に利用された
その通りだ。特に「小沢裁判」では、東京地検特捜部が、法律のド素人である検察審を利用して、まんまと小沢一郎を強制起訴させた疑いがあるからなおさらだ。検察が審査員向けに作成した「捜査報告書」の中に「小沢=ワル」を執拗に印象付ける記述があるのだ。
「審査員向けの捜査報告書を書いたのは、当時の地検特捜部副部長で、小沢秘書らが起訴された『陸山会事件』で公判を担当した斎藤隆博検事です。斎藤検事の報告書には、元秘書との共謀を否定する小沢の供述を『不自然』『不合理』と強調する箇所が複数あり、『小沢供述は虚偽』とまで言い切っている。ほかにも、『水谷建設の川村(元社長)は石川に現金5000万円を渡している事実がある』『小沢事務所が胆沢ダムの2工事に関して水谷建設から合計1億円を受領』というくだりもあります。これらは全て何も証拠がない検察の“妄想”でした。しかし、こんな内容の報告書なら、一読した審査員が『起訴して裁判で真実を明らかにしろ』『小沢はウソをついている』と考えるのが当然です。検察審の起訴議決は“誘導”された可能性が限りなく高いのです」(民主党関係者)
元検事の市川寛弁護士もこう言っていた。
「検察が不起訴と判断したものを検察審に『間違い』とひっくり返されれば、ふつうの感覚の検事なら反発するでしょう。自分も経験がありますが、ムキになって『それなら絶対に不起訴が正しかったことを証明してやろうじゃないか』と思うのです。それなのに今回は全くの逆です。(小沢を強制起訴するために)何らかの悪知恵が働いたと思っています」
ただし、仮に秘密会を開いても、検察当局が恣意的な資料しか提出しないようなら意味はない。となれば、全容解明の方法は、行き着くところひとつしかない。11人の審査員を全員呼んで、1人ずつ「本当に審議したのか」「検察からどういう説明を受けたのか」と確認することだ。検察・裁判所がどんなにウヤムヤに幕引きを図ろうと画策しても、絶対許してはいけない。
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