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◎「小沢無罪」なら政局を直撃:26日に判決
http://thenagatachou.blog.so-net.ne.jp/2012-04-23
2012-04-23 06:54 永田町幹竹割り
26日の小沢裁判の行方ほど政局の動向に影響を与える例を知らない。ロッキード事件の田中判決は中曽根政権を揺さぶったが、今回のように政局に直接影響を与えたものではない。判決の最大のポイントは「推認有罪」があり得るかどうかかである。無罪ならば小沢が政局の場に躍り出ることは確実だ。小沢は既に無罪を獲得したかのように怪気炎を上げているが、側近には「推認があるから油断できない」と不安を隠していない。東京地裁裁判長・大善文男は「有罪」に持ち込めば、大向こうからやんやの喝采を受けるが、裁判における「推認」の是非が秘書の有罪判決のケースと同様に問われることになる。
無罪になったときはどうなるかだが、まず、野田内閣最大の課題の消費増税、原発再稼働を直撃する。小沢はただひたすら解散・総選挙だけを意識して2つの問題に反対しており、「政策」を「政局」の具にするという「邪道」がまかり通ることになりかねない。小沢は消費税法案について18日、「僕は消費増税法案の採決まで野田政権はたどり着けないと思う。増税一本という姿勢は決して国民の支持を得られないし、内閣支持率が20%を切るような状況になったら党内外がもたない」と述べて、審議未了の継続審議となる見通しを明らかにしている。「たどりつけない」というのは「たどりつかせない」という宣言に等しい。次第に「親小沢」の本性を露骨に見せ始めた幹事長・輿石東は、小沢の意を受けて継続審議に向けて動いており、同法案の帰趨に大きな影響を及ぼすことになる。問責2閣僚の更迭についても輿石は消費税法案の審議遅延策の一環として“活用”して、反対し続けるだろう。原発再稼働についても小沢は、「地元や国民全体の納得がいく説明や対策の話がされないうちに再稼働だけが政治的に決められた」と真っ向から野田を批判している。
さらに党内的には、小沢グループとこれを支援する鳩山グループが勢いづく。天下の愚人・鳩山由紀夫も、ますますボルテージを上げるだろう。輿石は小沢が無罪ならば党員資格停止処分を撤回する方針を明らかにしている。輿石は「無罪即政権復帰」で動く構えだ。しかし副総理・岡田克也や政調会長・前原誠司など反小沢勢力も黙ってはいまい。前原はテレビで「不服を持つ側が控訴するかもしれない。そうすると裁判が確定しない。だから、まだ不確定な要素が大きい」と発言した。たしかに控訴で裁判が継続した場合小沢復権の根拠が消滅する。というのも昨年2月22日の民主党常任幹事会における小沢処分決定は「当該事件の判決確定までの党員資格停止処分とする」となっており、どう読んでも最高裁での判決まで資格停止処分は継続することになっている。もちろん小沢グループはこれに反発して、復権の是非が党内抗争に発展する可能性が高い。
小沢は、表向きは裁判勝利を前提にしたようにはやりにはやる姿を見せている。党員資格の回復は当然のこととして、代表選にまで出馬する構えだ。18日のテレビで代表選出馬について「それが天命だとすれば、私はどんな役割でもするつもりだ。最後のご奉公をしたい」と当たるベからざる勢いだ。しかし一連の小沢の発言がなぜか空しい感じがするのは筆者だけだろうか。まだ判決が出てもいないのに事実上の勝利宣言は、「裏」があるような気がする。「裏」とは、有罪の判決であった場合に備えて、「無罪が常識なのに有罪とした」ことで裁判官批判の反撃をする下地作りをしているような気がするのだ。場合によってはグループの議員を動員して国会で大善を訴追する動きをすることまで考えているのかも知れない。
小沢は冒頭述べたように「推認があるから油断できない」と漏らしている。事実、小沢裁判のすべての焦点は「推認有罪」か否かの一点に絞られる。秘書の裁判で状況証拠によって、秘書3人を有罪とした東京地裁裁判長・登石郁朗の判決は、推定無罪の原則を覆す常識破りの推認判決であった。推認に推認を重ね「ミスター推認」と呼ばれた。今回のケースも酷似している。小沢裁判のケースは元秘書・石川知裕が事情聴取で、密かに検事とのやりとりを収録、検事の「捜査報告書」の虚偽記載が証明されてしまったことが影響した。大善は供述調書について「取り調べ方法が違法、不当で、許容できない」などとして、証拠採用を却下した。検事役の弁護士らは共謀立証の主柱を失ったのである。これが小沢サイドの「無罪」説の根拠だ。しかしまさか大善からの情報に基づいているわけはない。
大善が賢明であれば、巨額のカネの処理が秘書の独断で出来るわけがないという常識に立ち戻って有罪判決を下すだろう。まさに「推認判決」だ。これは結果的に消費増税、原発再稼働という国家百年の大計に欠かせないプラス効果をもたらすことになる。歴史に残る「大岡さばき」として、万雷の拍手で迎えられるに違いない。法曹界や小沢の反発などは、坊主のお経と思えばよい。小沢が裁判官訴追など狙っても、出来るわけがない。有罪判決の政界に与える影響は簡単だ。小沢の勢力は崩壊過程に入る。有罪にせよ無罪にせよ首相・野田佳彦が「小沢切り」を迫られる構図は変わらない。
◇
小沢氏「無罪」なら…民主内、対立再燃は必至
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120422-OYT1T00163.htm
2012年4月22日09時17分 読売新聞
民主党の小沢一郎元代表が、自身の政治資金規正法違反事件の判決が26日に言い渡されるのを前に、メディア出演や側近議員との会合を増やし、政権批判や復権への意欲を積極的に発信している。
「無罪判決」を想定し、早期復権の地ならしの狙いがあるとみられる。だが、無罪判決が出ても党員資格停止処分の解除については執行部内で意見が分かれており、新たな火種になる可能性もある。
◆会合も連日
「来週判決が出る。(無罪が)はっきりしたら、ますます頑張りたい」
元代表は20日に都内で開いた自身の政治資金パーティー(非公開)でこう宣言したという。
18日のインターネット番組では、消費増税や環太平洋経済連携協定(TPP)、原発再稼働をめぐる野田政権のスタンスを厳しく批判したうえで、「天命だとすれば、私はどんな役割でもする」と強調。9月の党代表選出馬への意欲とも受け取れる発言をした。
こうした言動に、元代表のグループからは「小沢さんは無罪判決を機に一気に党代表、首相の座を狙うつもりだ」(衆院1回生議員)との声も上がっている。
元代表が自らに近い議員と夜に会合を連日開いているのも、政局に備えた足場固めとの見方が強い。
ただ、小沢グループ内では「もし有罪になれば政治的に完全に終わりだ」との声もささやかれており、積極的な発信は、グループ内の動揺を抑える狙いもあるようだ。
◆「早期」輿石氏に反論
仮に無罪判決が出ても、党員資格停止処分が直ちに解除されるかは微妙だ。
輿石幹事長は先月19日、「裁判が終わり、無罪になれば、党員資格停止は解除される」と述べ、今月26日に無罪判決が出れば、処分を解く考えを示した。しかし、前原政調会長は20日のBS日テレの番組収録で「裁判は3審制だ。判決確定まで時間がかかる」と語り、1審判決段階での解除は尚早との考えを示した。
実際、昨年2月に元代表の処分を常任幹事会で決めた際、処分の期間については「判決確定まで」とされた。このため、検察官役の指定弁護士が控訴した場合、判決は確定せず、処分期間が継続されるとの解釈が成り立つ。処分決定時に幹事長だった岡田副総理は「常任幹事会で決まったことを変えるのであれば、常任幹事会で議論する必要がある」と述べ、処分の早期解除論をけん制している。
処分が解除されなければ、代表選への出馬は認められず、復権には大きな足かせとなる。このため、元代表のグループ議員などが処分解除を求め、党内対立が再燃するのは必至だ。
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