08. 2012年4月23日 19:25:34
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橋下、オンドレ いつか泣かしたる!解放同盟こそが橋下を批判できる ──橋下徹個人について、どう見ていますか? パギ…一言でいえば「成り上がり者」。本人も「弁護士になったのはゼニ儲けのため」と言うてるくらいやから、政治家のタイプとしては、昔の岸信介や田中角栄みたいな強権タイプとちゃう。小賢しいけど「強い人間」やない。試験の点数は良くても人間味なんか微塵もない、二流・三流のセコい政治家ですわ。 僕は「不良少年」やったからよう知ってるけど、「番長」はね、普段でんと構えてるもんや。それで、いざという時にバーンと出てくる。橋下(ハシゲ)は、何時何処でもキャン・キャン、ワーワー。「弱い犬ほどよく吠える」、つまりドチンピラや。 ──まず、昨年11月の大阪市長選についての感想は? パギ…『週刊新潮』『週刊文春』が「橋下は部落出身・父親はヤクザ」とネガティブキャンペーンやったけど、ひどい内容やった。部落解放同盟が抗議した、当然やね。 けど、僕は「解放同盟はどうして橋下を徹底批判せえへんのか」とも思うねん。部落民である橋下を本当に批判できるのは、部落解放運動を担ってきた人たちだけでしょ。「当事者」の問題やからね。 橋下は、テメエの出世のためにのし上がって、権力者になって人をイジめたおしてる。しゃぁから、差別と闘う立場から「『水平社宣言』の精神に反することをするな」、部落の側から「弱い者イジメするとは、300万兄弟の風上にも置けん」と断罪すべきなんや。ちゃいますか?「維新の会」にも仰山おるんや、同和利権組が。 ──橋下はいろいろ批判されているにもかかわらず、選挙で圧勝しました。支持率もいまだに高いようです。 パギ…そこが手強いところやね。『全体主義の起源』を書いたユダヤ人哲学者ハンナ・アーレントは、「ファシズムは、モブ(階級的な帰属から脱落した人間たち)とエリートの同盟だ」と分析した。貧困の拡大や雇用の不安定化の中で、社会の紐帯がズタズタにされる。横行するのは愚民化政策で、アトム化した民衆がファシズムを熱狂的に支持する。歴史が教えるとおりです。 橋下・維新の会はイタリア「北部同盟」(※注)の焼き直しやと、僕は思うな。北部同盟は議席数10%で、「反共主義」「移民排斥」などを掲げる極右政党。「維新の会」も「大阪都で活力を!」てな勇ましいスローガンや。これが《革新的》《反中央》で魅力的に見える。民衆がもつ公務員(官僚)・既成政党・中央政府への不満を代弁してるように見せて、本質は「差別・排外」を煽るファシスト党ですがな。 (※注・北部同盟…1991年に結成されたイタリアの政党。経済的に優っている北部の自治拡大のために、イタリアを分割して連邦制にすることを主張している。主なスローガンは、「税金をローマに渡すな」「地方文化を守れ」〔アフリカやイスラム圏からの移民排除を意味したもの〕など) 逮捕者も出ない抵抗は抵抗と言えるんか? ──労働組合も防戦一方で、橋下は、やりたい放題です。 パギ…これまで、労働組合が抵抗と闘争を放棄してきたツケや。中曽根の「戦後政治の総決算」路線から30年かけて、日本の国家権力が積み重ねてきた「骨抜き・懐柔」策が、あまりにも功を奏してる。 国鉄民営化をテコに総評・社会党ブロックを解体して、挙げ句の果てに小泉の新自由主義。教育基本法改悪と軍事大国化…「平和・人権・反差別」をことごとく崩そうとしてきた。原発推進で福島原発事故の種をまいたのも中曽根やんけ! そうやって、権力側は用意周到にやってきた。御用組合の『連合』になって、他の民主・人権団体もほとんどが牙抜かれて、保身だけに汲々として闘わなくなってしもた。僕は「社会党・村山政権」がA級戦犯やと思てる。 橋下の君が代・日の丸攻撃に対しても、現場から反撃でけへん。少数派の孤立した闘いを強いられてる。例えば、クビ覚悟で1万人の教育労働者が立ち上がり、それに十万、百万の労働者が連帯したら、大阪は間違いなく変わる。 残念ながらそれがでけへん。橋下みたいなファシストは、それをよう知っとるから、「こいつらチョロい。支配できるやんけ」と、やりたい放題に暴走するんや。 「血を流せ」とは言わんけど、逮捕者も血も出ない抵抗は、果たして「抵抗」なんやろか…。 ──どうすれば橋下に対抗できるんでしょうか? パギ…「歴史の中でものを考える」べきやと思う。橋下ごときが好きなようにやれるんは、要するに、日本の民主主義が「紙に書いた餅」に過ぎんからや。戦争責任と植民地支配を曖昧にしてきたことと「ハシズム」「原発事故」は無関係やない。民衆が、自分の闘いの中から自信を持って語れる民主主義が無いねん、この国は。日本人は、自分たちの手で「日本国」を作ってこなかった。そのことを、今こそ考えるべきとちゃいますか? 韓国や沖縄には「命をかけた民主化闘争」「島ぐるみの反基地闘争」の歴史があるでしょう。抑圧と抵抗の経験を通して「時代と今」を客観的に見て、そこから自分たちの手で紡ぎ出していく「民主主義」がある。その誇りを、大いに学ぶべきです。僕も、学びたい。闘いつつ、歌いつつ、演じつつ、学びたいです。 ──希望はないんでしょうか。 パギ…橋下と原発を見てたら、絶望しかないなぁ…。被爆国でありなから《原子力の平和利用》をやすやすと許してきたあげくに、大事故が起きてしもた。ドイツやイタリアは《脱原発》に政策転換したのに、大事故の当事者である日本は「原発輸出」「再稼働」と平気で言うてる…どないしたらエエか、僕も判らん。 けど「闘いはいつも一人から」なんや。「自分はどうすんねん」という問いかけだけは、止めたらアカン。闘えなくても、いい。寄る辺ない「3・11」の後は「生き抜くこと」それ自身が闘いやから。僕は舞台人やから、己の表現の場で、自分の方法でやるだけですわ。橋下(ハシゲ)よ、オンドレ、いつか泣かしたるからな。首洗ろて、待っとけ! http://www.jimmin.com/htmldoc/144404.htm |