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2012.04.20
大飯原発再稼働強行劇の裏で消費税増税法案等の一括審議が進められようとしている、(ハシズムの分析、その18)
〜関西から(61)〜
広原盛明(都市計画・まちづくり研究者)
この数日間、大飯原発再稼働関連のニュースがマスメディアを二重三重に席巻している。立役者は大飯原発再稼働を「妥当」とする方針を持って福井県知事の説得に向かった枝野経産相だが、黒子だった仙谷政調会長代行までが福井入りして民主党県連のネジを巻き始めるなど、野田政権の総力を挙げた取組の様相を見せている。
仙谷氏はまた大飯原発以外の再稼働(伊方原発など)についても積極的姿勢を示し、挙句の果ては「原発停止は電力不足を招き、ある意味では日本が集団自殺するようなもの」などと恫喝めいた発言までする始末だ。
一方、この瞬間を待っていたように、橋下大阪市長が民主党政権の原発再稼働方針を激しく批判し、再稼働を阻止するためには「国民が総選挙で民主党政権を倒すしかない」と呼応した。どうやら“脱原発(依存)”を旗印にして総選挙を戦い、橋下新党の国政進出を果たそうとする思惑が濃厚だ。
だが、この間の民主党と橋下氏の派手な応酬劇は、私には何となく胡散臭く感じられて仕方がない。実は、仙谷氏が例によって裏で筋書きを書き、橋下氏がそれに呼応する形で露出する田舎芝居(劇場政治)ではないのかとつい疑ってしまう。つまり民主党と橋下新党は原発再稼働をめぐって一見対立劇を演じているように見せながら、その裏では共通の利害を実現するための“大芝居”を打とうとしているのではないかと思うのだ。
その舞台裏を垣間見せるような出来事が先日の与野党国対委員長会議(4月16日)であった。民主党が衆院に「社会保障・税一体改革特別委員会」の設置を提案し、自民・公明両党が応じたのである。消費税増税法案(10%値上げ)、年金一元化法案(厚生年金と共済年金の一元化)、国民年金法改定案(基礎年金の財源に交付国債発行)など、これまで審議方法をめぐって民主党と自公両党が激しく対立してきた重要法案11本を「一括審議」してしまおうというのである。
このような11本もの重要法案を「一括審議」しようとすることなど、通常の国会運営では考えられない。国会の舞台裏で“重大な取引”があったと考えるのが自然だ。私は民主党主流派(野田・仙谷一派)と自公両党との間で“民自公大連立シナリオ”が具体的な形まではともかく、内容的には合意されたとのではないかと観測している。
いうまでもなく保守2大政党が機能しなくなった現在、「民自公大連立(政権)」は財界など日本の支配層が不可欠と考える次の政権構想だ。しかしそのためには、自民党が繰り返し要求してきたように「小沢切り」が前提条件であり、民主党主流派がそれを断行できないことがネックとなっていた。民主党の分裂をどのような形で次の政権構想に繋げていくかという「政界再編シナリオ」を描けず、再編戦略が未確定だったからだ。
ところがここに来て、仙谷氏は橋下新党を利用して「小沢切り」に踏み切ったのではないか。つまり原発再稼働を争点にして総選挙を実施する。そうなると橋下新党は一定の議席数を獲得することになるので、その煽りを喰って「小沢チルドレン」が壊滅する。民主党主流派にも落選組が出るかもしれないが、それは次の総選挙まで党内でそれなりの処遇をすればよい。そして小沢一派が少数派に転落すれば、「民自公大連立」を一気に本格政権へと成立させることが出来るというものだ。
そう考えてみると、今回の大飯原発再稼働をめぐる枝野氏や仙谷氏の言動はあまりにも不自然だ。わざとブレまくって世間の注目をひこうとする仕草が露骨であり稚拙なので、大根役者にもならない。仙谷氏などは本来黒子役なのにわざわざ舞台表に踊り出て、下手なセリフで観客を驚かせる始末だ。全てが田舎芝居という他はないが、観客の目を舞台裏から逸らすという点ではそれなりの役割を果たしている点が要注意だろう。
マスメディアは今後、原発再稼働をめぐる民主党と橋下新党の「バトル劇」一色に染まっていくに違いない。そしてチンドン屋よろしく観客(国民)の目を橋下新党に釘づけにして、舞台裏で進行している“大芝居”から目を逸らさせる役割を演じ続けるだろう。問題はこの騒動劇の幕が下りたとき、次にどんな場面が待っているかということだ。
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