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どちらを見ても「前のめり」
http://www.the-journal.jp/contents/kokkai/2012/04/post_297.html#more
2012年4月19日 23:34 田中良紹の「国会探検」
自民党は18日、みんなの党、新党改革と共同で前田国土交通大臣、田中防衛大臣の問責決議案を参議院に提出し、翌日から全面的な審議拒否に入った。消費税法案と原発再稼動を巡る野田政権の「前のめり」に負けるとも劣らない「前のめり」ぶりである。一体政治を分かっているのだろうかと心配になるが、その背後に何があるのかを考えてみる。
日本の政治制度では、ねじれ国会になると、参議院で多数を持つ野党が問責決議案を可決して内閣を揺さぶる戦術が可能となる。14年前に戦後初めて問責決議案案が可決されて以来、これまで7件の問責決議案が可決され、2件が間もなく可決される。自民党政権時代に1件、自公政権時代に2件、民主党政権で6件の勘定となる。
最初の額賀防衛庁長官に対する問責決議案は、参議院選挙で惨敗した橋本政権に代わり小渕政権が誕生して3ヵ月後に可決された。防衛庁内に汚職事件が起こりその解明に積極的でないというのが問責の理由である。言いがかりとしか思えない理由だが、額賀氏は1ヵ月後に防衛庁長官を辞任した。これがすべての前例となる。
この辞任に野党が味をしめて次々に問責を可決すれば、政治は機能麻痺に陥る。自民党はねじれを解消するために連立を余儀なくされた。当時の野中官房長官が「悪魔と手を組んでも」と言い、自由党の小沢一郎氏が主張する政治改革案を受け入れて自自連立政権が誕生した。そのおかげで明治から続いてきた国会の「政府委員制度」が廃止され、「党首討論」も始まった。官僚が答弁する国会から政治家が答弁する国会になり、官僚の官僚による官僚のための国会がこの時「チェンジ」された。
その後、自民党が公明党とも連立したため、自民党を操れなくなった自由党は連立から離脱し、ねじれのない自公政権時代を迎えるが、2007年の参議院選挙で小沢一郎氏の率いる民主党が大勝すると、再びねじれが生まれた。しかしその時代の問責は大臣クラスを相手にせず、政権交代を目的に総理を問責する象徴的な意味合いのものとなった。
2008年に福田康夫、2009年に麻生太郎の両総理に対して問責決議案が可決されたが、いずれも通常国会が閉幕する頃に提出されて政治を混乱させる事なく、しかし次の国会では冒頭から激しく対決する姿勢を示して退陣を迫った。その結果、福田総理は3ヵ月後に総辞職を、麻生総理は1週間後に衆議院を解散した。
ところが民主党政権が2年前の参議院選挙で敗れ、再びねじれが生まれると、自民党を中心とする野党は問責決議案を乱発して政権を揺さぶるようになった。2年前の臨時国会で仙谷官房長官と馬淵国土交通大臣、去年の臨時国会では一川防衛大臣と山岡国家公安委員長、そしてこの通常国会で前田国土交通大臣と田中防衛大臣に対して問責決議案が提出された。問責の理由は様々だが、狙いは辞任に追い込む事で民主党政権に適格性がない事を国民に印象付け、次の選挙を有利にしようというのである。
不幸な事は、額賀氏以来言いがかりに過ぎない理由で問責決議が提出される事である。大臣としての職務遂行が国民生活に多大な損失を与えたというのなら問責も分かるが、額賀氏が汚職事件の解明に積極的でないという野党の主観的判断で問責されて以来、民主党の6人の閣僚に対する問責も、一方の政治勢力の主観に過ぎない事でマスコミを煽っただけの話である。過去のスキャンダルや言葉尻で政治家の資質が問題にされるなら、アメリカ大統領など大方が問責の対象になる。
民主党政権は問責を理由に閣僚を辞任させず、しかし政治の遂行に障害になる事態を避けるため、これまでは時期を見て内閣改造を行ない問責閣僚を交代させてきた。ところが今回は自民党の「前のめり」によって異なる展開が生まれそうである。野党の中の対応が分かれて参議院の過半数が全面的に審議拒否する事にならないのである。
自民党に同調するのはみんなの党と新党改革だけで、公明党、共産党、社民党は対応が異なる。問責された閣僚が出席する委員会のみ審議拒否をするという。すると国会は一部を除いて粛々と進行する。その時、全面的に審議拒否をしている政党を国民世論がどう見るか。それでなくとも通常国会には国民生活に最も重要な予算を成立させる使命がある。その予算を執行するのに必要な予算関連法案は未だに成立していない。それを無視して審議拒否を続ければ自民党は「国民の敵」になる。
おそらく自民党は野田総理が「政治生命を賭ける」と言い切った消費税法案の行方に目を奪われている。野田総理の言う事を真に受け、ここで野田政権を追い込めば、消費税法案の成立が見込めなくなる野田総理は解散に踏み切ると見ている。もう一方ではかつて野中官房長官が「悪魔と手を組んでも」と言ったように、追い込まれた野田政権は大連立するしかなくなると見ている。どちらも自民党の望むところである。それが自民党を「前のめり」にさせているように私には見える。
しかし野田総理の「前のめり」が「短命政権」を意識した「前のめり」だったらどうなるか。野田政権は「次へのつなぎ」だから「消費税に政治生命を賭ける」と言い切る事が出来る。「捨て石」だから原発再稼動に「前のめり」になり支持率を下げても平気である。それが次の政権の支持率を上げるための地ならしだったら自民党はどうする。状況はまるで違ってくるのである。
自民党は公明党と一体でなければ何の力もない。ところが自公の対応が分かれたところに今回の問責の注目点がある。公明党に審議拒否をしてもらえないと、自民党は野田総理の解散か大連立に頼るしかなくなる。そして来週には小沢一郎氏に判決が下り、新たな政局が幕を開ける。連休後の日本政治は波乱万丈が予想される。
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