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ガソリン価格の上昇を横目に本来ならば政府は気が気ではないはずなのだ。
ガソリン価格の高騰時にはガソリン、軽油の課税停止措置があった。政府の2010年税制改正大綱に盛り込まれた。
具体的には、総務省の小売物価統計調査で、ガソリンの平均価格が3カ月連続で1リットル当たり160円を超えた場合だ。
課税が停止されるのはガソリン、軽油の本来の税率に上乗せされた部分だ。道路整備の特定財源として暫定的に上乗せされたはずが、恒久化した。ガソリン税は1リットル当たり約25円、軽油引取税は同約17円である。政権交代前の民主党はこの暫定税率廃止を公約の一つに掲げた。
だが、上乗せ分を廃止すると国と地方合計約1兆9千億円の税収減が見込まれる。それをどうやって補うか。そんな議論があり、結局は廃止は見送られた。
その代わりに出てきたのが、高騰時の上乗せ分の課税停止措置だったわけだ。一定の条件を満たせば発動されるからトリガー(引き金)条項とも呼ばれた。
ところで、なぜ160円超が基準になったのか。ガソリンが暴騰した08年度上半期の平均価格が1リットル当たり167円だったのに対し、停止措置が議論されていた09年12月ころは同126円だった。
それで160円をおおむね上限と考えた。だが、まさか再び3割近く上がると思っていなかったのではないか。この条項はいったん発動されると大変なのだ。
課税停止が解除される条件は3カ月連続で平均価格が130円を切ることだ。
ガソリンの高値傾向が続けば1リットル当たり約25円の減税が続く。利用者は有り難いが、財政当局は大変だ。税収減がいくらになるか見通しが立てられない。
暫定税率を廃止する公約が果たせなかったが、せめて高騰時だけでも国民の負担軽減を図る。発想は分かるが、当時から「こんな複雑な仕組みが本当に機能するのか」などと疑問の声があった。
私たちも当時、簡素な税制を複雑化させ、弊害が多いと見直しを求めた。
結局、政府も課税停止措置の適用を停止する、トリガー条項を当面発動しないと方針を変えた。それは、東日本大震災の被災者に対する税の軽減を図るための関係法改正案の一項目として昨年4月、国会に提出され、可決、成立した。
ガソリン価格が1リットル当たり160円近辺にあっても、いまや政府はそわそわする必要はない。ただ、方針転換のやり方はどうか。とても堂々とは言い難い。
きちんとした説明はあったか。どうも記憶にないのだ。どうせできはしないと国民もはなから諦めているのか。国民が物分かりが良すぎるのもどうだろう。
定期検査で停止中の原子力発電所の運転再開問題でも、消費税増税論議でもそうだが、政府要人の言動に軽さを感じてしまう。もっと精密な論理と制度設計、仕組みがなければ国民は到底納得しないのではないか。少し甘く見ていると、今度こそ国民の怒りを買いかねない。
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