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"民意の逆張り"を続ける野田内閣(岡留安則)
2012.04.17 幻視行日記 http://okadome.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/4-964b-2.html
このブログを書いていてもネタに困ることはほとんどない。しかし、最近はあまりにも批判すべき政治の動きが多すぎて逆にうんざり感を憶えてしまう。野田総理のメチャクチャな対応ぶりを見ていると、この政権は完全に末期症状に突入したというしかない。
その最大の理由は、野田総理の立ち位置が米国、霞が関官僚、財界の意向通り、全てが予定調和の方向性に集約されているからだ。すべてが政権交代を支持した有権者に対する裏切りの連続で、わざと民意の逆張りをやっているのではないかと疑いたくなるほどだ。野田政権は既得権益死守集団に完全にコントロールされているとしか思えない。そうでないとすれば、野田総理には政治センスもリーダ―シップも全くない無能う政治家というしかない。
維新の会を率いる橋下大阪市長が言う通り、「民主党政権は国民をバカにしている。民主党政権NO!である。日本の危機だから、政権を交代してもらう」というのは至極真っ当な感覚だろう。民主党と組むことはないし、対決するという打倒宣言も真っ当な感覚だ。橋下市長は危険な思想の持ち主ではあるが、こと福井県の大飯原発の再稼働に関しては、きわめてまともで冷静な判断を示している。
「日本の原発は一瞬ゼロになる」という枝野経産大臣のブレまくりの本音を証明する発言も、原発停止で危機感を感じた仙谷政調会長代理の「原発停止は集団自殺に等しい」との墓穴発言も批判するのも馬鹿馬鹿しいほどの民意を無視した見当違いの感覚といわざるを得ない。この二人は、財界や官僚の意向に沿った発言をしているつもりだろうが、民意からは完全にずれていることにも気づいていないのだろうか。裸の王様というか、バカの王様コンビというしかない。そうでないとすれば,確信犯の謀略グループなのか。
今回の大飯原発の再稼働の背景に、5月になれば現在稼働している唯一の泊原発が停止する。そうなれば、日本の原発54基がすべて停止することになる。それを避けるために、原発の安全基準を低下させ、防潮堤のかさ上げ、免震棟建設、ベントの際の放射能除去機能も先送りしたまま、再稼働するという神経が狂っているとしか思えない。だいたい、電力会社のいう夏場の電力不足の数字もそのまま信用できるのか。
福島第一原発の大事故の直後、東電は菅前総理に計画節電を大々的に発表させたが、その後はなし崩しで撤回したではないか。情報隠しのプロともいうべき悪質な電力会社の言い分をそのまま信じる国民はどのくらいいるのか。メディアの歯切れの悪さも、電力会社や霞が関と癒着しているためだという現実をキチンと認識しておくべきだろう。いや、もう既にバレバレというべきか。
いまだに、原発被害に苦しむ地元住民の意思など無視するお気楽な原発再稼働が如何に危険な行為であるか、明白ではないか。福島第一原発の教訓は一体どこへ行ったのか。枝野―仙谷コンビが、国民に対する安全義務よりも国策を最優先する姿勢に不自然さを感じないメディア報道もおかしすぎる。橋下市長ではないが、野田政権に任せていたら、この国は崩壊してしまうのではないか。沖縄の普天間基地の補修費を日本に長期負担させた上で、危険極まりないオズプレイを配備する計画に対して日本政府は何の外交交渉もできない。
北朝鮮の「人工衛星と称するミサイル発射」という統一キャンペーンにもうんざりだが、発射から40分後に発表した危機管理能力のなさを露呈した政府の責任も一切問われない。前田国交大臣の公職選挙法違反事案に対しても、ケジメひとつつけない無責任体制が常識になるような国は病んでいるとしか言いようがない。書いている方もストレスがたまるくらい、うんざり感がある。嗚呼!と嘆息するしかない。
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