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仕組まれた小沢裁判 「最高裁」の“検審”裏金疑惑 『サンデー毎日』2012/4/29号 〈小沢一郎氏裁判〉
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2012-04-17 来栖宥子★午後のアダージォ
仕組まれた小沢裁判「最高裁」の“検審”裏金疑惑
サンデー毎日2012/4/29号(2012年4月17日Tue.発売)
▼契約書に日付なしのハンドブック発注
▼恣意的に選ばれた「強制起訴」メンバー
4月5日、小沢一郎民主党元代表にエールを送る文書が永田町に出回った。
〈政党は国民との約束、対外的約束が一番重要。民主党はその理解が不十分で、代表選の事情で反故にするつもりだ。どちらに政治家としての理があるか。小沢先生に決まっている〉
〈統治機構の変革を小沢先生は考えていらっしゃる。(国歌斉唱時の)不起立教員の思想良心よりもはるかに重い政治的信条だ〉
露骨に小沢氏を持ち上げたのは橋本徹大阪市長だ。前夜のツイッターで、選挙を経ずに消費税率の引き上げに突き進む野田佳彦首相を批判。消費税を地方に移譲して地方交付税を廃止する自身の考えが、小沢氏と一致していると訴えたのだ。
小沢氏側近は、消費税政局でナニワから吹く“追い風”をコピーして配った。小沢氏は会長として率いる勉強会「新しい政策研究会」の幹事会でこれを目にすると、満面の笑顔でこう喜んだという。
「そうか、そうか。頼もしい援軍だな」
ただ小沢氏の上機嫌な素振りは、橋下氏をはじめ周囲の甘言だけが理由ではなさそうだ。資金管理団体「陸山会」の土地購入に関する政治資金規正法違反(虚偽記載)事件の公判で、自らの関与を示す証拠の大半が東京地裁によって却下され、4月26日の判決は「無罪が濃厚」との憶測が広がっているからだ。
ほかならぬ小沢氏の言葉を借りれば「政治生活の最後」を懸けた政争に邁進できる環境が整いつつある。民主党関係者が語る。
「小沢グループの議員は検事総長まで務めた大物検察OBに接触し、無罪の確証を小沢氏に伝えています。いきおい側近たちは、小沢氏を強制起訴した東京第5研検察審査会の判断に改めて疑問を抱き、審査の実態調査に乗り出しました。小沢氏は意趣返しと受け取られるのを避けるため黙認しています」
小沢氏サイドが検察審査会(検審)を目の敵にするのは、中立性が担保されていないという見立てが発端だ。2010年11月の参院予算委員会で仙谷由人法相(当時)は検審の位置づけについてこう答弁した。
「検察審査会法で独立して職権を行うものと規定しており、独立した行政機関であると理解する」
だが実情は異なるようだ。検察関係者が重い口を開く。
「大半の検審員は法律に関して素人で、検察から提供される膨大な資料を読み込むだけでも困難です。検察には事実関係を整理して示す段階で、検審員の心証を方向付けるノウハウがあります。公判が維持できないと判断して起訴を見送った案件を検審に簡単に強制起訴されるのは検察のプライドが許さない。このため検審でも起訴できないように誘導する資料を出すことがあります。逆もまた然り。小沢氏に象徴されるように、強制起訴させるために検審向けの資料が作成される可能性はあります。
検審は検察の意を酌んだ“代行役”を担っているという見立てだ。もしそうなら、仙谷氏の言うような独立機関とは言い難い。小沢氏周辺の指摘も頷ける部分がありそうだ。
本誌が取材を進めると、検審を舞台にしたある疑惑にたどり着いた。それは「検察審査会ハンドブック」の怪しい契約だ。
■「不正なし」と最高裁事務総局
検審員に最初に配られるA5判で約40nの冊子で、検審の仕組みなどを解説している。しかし、表紙に堂々と記された発行者は「最高裁判所」。独立しているはずの検審のハンドブックに、最高裁のクレジットがついているのだ。
これまで本誌は、最高裁事務総局が全国各地の検審から、検審員候補予定者の名簿ファイルを受け取った際、意図的にデータを書き換えて予定者を追加・削除することができるというシステムを暴露してきた。検審の背後に最高裁あり。検審ハンドブックの発注も例外ではなかった。
本紙が入手した契約関連の書類を精査すると、直近では2011年10月19日付で、東京都墨田区の印刷会社に1万4460部が計約55万円で注文されていた。単価は36円だ。
この業者が発行した「見積書」「納品書」「請求書」を見ていただきたい(19n下)。驚くべきことに、いずれも業者側が提出した「日付」が記入されていない。最高裁事務総局用度課の印鑑で受領日だけが分かる。さらに、「見積書」だけは品名や金額が手書きになっていて、他はすべて印字だ。
不可解な書類の数々は何を示すのか。オンブズマン関係者は不正経理の可能性を指摘する。
「日付のない契約書類はどうにでも使えるため、かねて役所では裏金作りに使われてきました。今回のケースでは、見積書の用紙だけを最高裁が事前に入手し、詳細を書き込んで業者に戻した恐れもあります」
浮上した裏金疑惑。当の最高裁はどう答えるか。
「日付が記載されていない契約書類が業者から提出されることもあるが、受領印の日付が間違いなく業者からの提出日である。見積書だけが手書きであっても何ら問題はなく、最高裁は記入していない」(最高裁事務総局広報課)
書類の不備を指摘しない官庁の契約など、あり得るのだろうか。疑問はこれだけではない。最高裁は10年度の概算要求で、検審ハンドブックを1冊あたり72円で計1万5500部の印刷製本費を約112万円盛り込んだ。単価36円の2倍に設定し、1090部も多く予算を得ている計算だ。
「ハンドブックの中身が毎年大きく変更されることはなく、単価が急に膨らむはずがありません。検審員の数も大幅に変動しないのに過剰請求しているのは不自然です」(前出オンブズマン)
司法行政に詳しい西川伸一明治大政治経済学部教授もいぶかる。
「裁判所時報や裁判所データブックには予算の詳細な情報が皆無です。ホームページでも、ごく簡単な項目別の決算しか把握できません。裏金を防止するには無駄の排除が必須であり、決算を検証して次年度の予算編成を改善するべきです。最高裁は“法の番人”という印象のためか、悪さはしないと思われがちです。しかし、事務総局はあくまで官僚組織であり監視する必要があるのです」
決算の詳細を示さない対応は、裏金作りを疑われても仕方がないという指摘だ。最高裁事務総局広報課はこう回答する。
「予算を執行する過程において何ら違法なことはなく、不正があったというのは事実に反する」
実は最高裁事務総局が主導する裏金疑惑は今に始まったことではない。元大阪高裁判事の生田暉雄弁護士は「裁判官の報酬が裏金に化けている可能性が高い」と発信してきた。生田氏がカラクリを説明する。
「裁判官報酬は判事が1〜8号、判事補は1^12号と基準があります。判事4号までは定期的に昇給した後、3号に上がる段階から基準が分からなくなるのです。規定では3号になれば1人あたり月額で約15万円アップし、人件費として予算が要求されます。しかし不明な基準を逆手に取って4号に据え置けば、昇給分は浮いて裏金に回せます。こうした慣例は数十年続いているとみられ、私の計算で最高裁が捻出した裏金は累計で百億円単位になります」
巨額の裏金があるなら、その使途は何なのか。
「最高裁の路線に反対する学者を囲い込んだり、裁判官に外国を視察させて手なずけているとの情報があります」(生田氏)
■「起訴議決は無効です」
信じがたい証言である。生田氏は最高裁への情報公開請求などで追及を続けていくという。そんな最高裁をバックに小沢氏を強制起訴した検審。その手続きに違法性がある可能性が出てきた。注目すべきは、2回目の小沢氏への強制起訴が議決された10年9月14日と、遅れて議決書が作成された同10月4日の検審メンバーだ。問題を調査してきた小沢グループの森裕子参院議員が語る。
「検審員の旅費の支払い調書など資料を突き合わせると、議決日は検審員が1人早退し、臨時の補充員と入れ替わっていたことが判明しました。この早退者は議決書の作成日には出席したのですが、補充員が再び選ばれたのです。議決をした検審員が署名しなければ議決が無効になるために取った措置だとしても、正規の検審員が参加しているのに補充員を選出するのは検審法25条に反します。つまり起訴議決は無効になるのです」
強制起訴を議決した検審メンバーが土壇場で恣意的に選ばれたという構図だ。そもそも、検審法は議決の後で議決書が作成される事態を想定していない。法に抵触するリスクを冒してまで検審が急きょ議決に踏み切った理由は、「9月14日」という日付に隠されていそうだ。森氏が続ける。
「まさに小沢氏と菅直人前首相が争った民主党代表選の当日。『議論が煮詰まった』と議決したタイミングは小沢氏落選の30分前とされています。それに本当に煮詰まっていたなら、議決書を作るために20日間も必要なはずがありません」
「小沢起訴」議決は不可解なことばかりだ。本誌は「検審のくじ引きソフト疑惑」(2月26日号)、「最高裁の官製談合疑惑」(3月11日号)などを報じてきた。「4・26」小沢判決を機に最高裁は一連の疑惑について国民に説明すべきだ。
本誌・鳴海 崇
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