http://www.asyura2.com/12/senkyo128/msg/921.html
Tweet |
政治家の金が事件にされると、必ず誰かが自殺を計り、被疑者不在で事件が終わるものだという印象があった。
亡くなるのはいつも、運転手とか秘書とか副がつく役職の人で、”大物の主人”や”会社”を、死をもって守るのだとされてきた。
しかし理解しづらかった。汚職とか贈収賄事件であれば,たかだかお金の問題で、それにより社会的地位を失ったり、刑務所に入ることになったとしても、刑期が明ければ社会に戻れるわけで、罪を認め、罰を受ければ良く、命をかけて守ることではないのにと不思議だった。
それとも政治家周辺に勤める人たちは特殊で,人並みでない忠誠心に溢れているのかと考えたりしていた。
しかし、小沢一郎に対する理不尽な司法当局とマスコミの攻撃に驚き、同じような最近の事件を知りたくなり、ネットとブックオフの助けで、鈴木宗男・佐藤優事件,福島県知事事件をはじめ、リクルート事件からロッキード事件まで検察特捜部の事件史を遡ることになった。
そして、色々なことを知った。しかし亡くなった人たちは誰も帰ってこない。
以下は、政治ブログ 「日々坦々」さんの2011年2月11日付記事からの無断転載である:
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー「自殺者が出る事件はスジがいい」(特捜検察の合言葉)・自殺・変死者リスト
郷原信郎元検事の著書「検察の正義」の中に「自殺者が出る事件はスジがいい」と特捜部内で言われているという話が出てくる。
この言葉が、本を読み進む中で常に頭の片隅に残っていて、非情な検察での取調べに郷原氏自身が違和感を覚えた、という箇所など多いに共感を覚えた。
大きな事件では、必ず「自殺者」や「変死者」などが、ある意味での犠牲者として出る。
特捜部の非情な取調べに精神的に追い詰められていき、実行はしなかったものの、常に「自殺」の二文字がよぎった、などと証言する人も多い。
特捜部が扱う事件は物的証拠が少ない中での「自白」が重要視されるため、事情聴取はあらゆる手段を講じ、過酷な取調べが続くことになる。
週刊朝日2011年2/5号に「佐藤栄佐久・前福島県知事の"冤罪"、支持者脅し虚偽の自白に追い込む検察の手口」と題し、非情な検察の取調べの様子が覗える。知事の支持者らに「知事の悪口を一つでいいから言ってくれ」「想像でいいから言え」とか、会社経営者に対しては「会社をつぶされたくなかったら言え。国税を動かせばいつでもつぶせるぞ」などあの手この手で知事を追い込み、自殺者まで出たことを検察から聞かされた佐藤知事は、支援者達が「人質」になって、理不尽な 取調べをこれ以上続かせないため、逮捕から5日後に虚偽の「自白」をしている。
大型事件と自殺者を調べていく中で、表に出ているものは極一部であり、被疑者自身やその家族・参考人で聴取された関係者など、自殺や自殺未遂に追い詰められた人はもっと多いだろうということは簡単に予測できる。以下「主な疑獄・経済事件関連死」を参考にしながらまとめてみた。」と日々坦々さんの2011年2月11日付ブログに書かれていた。
日々坦々さんが参考にされたのは、「戦後政治家事件・犯罪データーベース」(http://www.geocities.jp/m_karitto_sakutto/politics/database.html)である。
***
●「長銀粉飾決算事件(日債銀不正経理)」(佐久間達哉が主任検事)
1999年5月6日、上原隆・長銀副頭取が東京・杉並のビジネスホテルで首吊り自殺
1999年5月17日、福田一憲・長銀大阪支店長が西宮の同行武庫川寮自室で首吊り自殺
2000年4月27日、阿部泰治・長銀元常務(そごう副社長)が鎌倉の自宅で首吊り自殺
2000年9月20日、本間忠世・日債銀社長が大阪・北のホテルで首吊り自殺(他殺説あり)
2000年10月10日、中沢幸夫・そごう元副社長が西宮の自宅で首吊り自殺
●「福島県ダム汚職事件」(佐久間特捜部部長・当時副部長が指揮)
・2006年8月15日、河野茂典・東急建設執行役員・東北支店長が東京・中央区のホテルで飛び降り自殺。
・佐藤栄佐久元福島県知事の弟の会社の総務部長と支援者、東急建設の2人の合計4人が自殺を図る。総務部長は一命を取り留めたが意識不明の重体。
・ 佐藤氏の妹さんは、東京地検に連日の事情聴取を受け、倒れました。郡山の家族が上京し、地検まで駆け付けると、医者も呼ばず病院にも連れていかれず,意識不明のまま。家族が救急病院に連れていったときには、脱水症状で危険な状態にあったそうです。膨大な数の佐藤元知事の関係者が、絨毯爆撃のように取り調べを受け「嘘でもいいから、佐藤の悪口を言え」と強要されたといいます。苦しくなって、虚偽の証言をした人は、良心の呵責に耐えられず、死にたくなったと、何人の方々が告白したそうです。検事は、佐藤氏に、「金も、人も、時間も、いくらでもあるんだ」と言って脅したそうです。誰の金だ、と言いた い。(ジャーナリスト岩上安身氏がツイッターで)
参照:知事抹殺 つくられた福島県汚職事件
●「西松建設事件」(佐久間特捜部長)
2009年2月25日、右近謙一・長野県参事(部長級)・県知事元秘書が長野市西長野の裾花川沿いで首吊り自殺(東京地検特捜部の事情聴取を受けていた)
●「利益供与事件(日興證券事件)」
1997年6月29日、宮崎邦次・元第一勧業銀行会長 が東京の自宅で首吊り自殺
1998年1月28日、大月 洋一・大蔵省銀行局・金融取引管理官が官舎で首吊り自殺 (東京地検から出頭要請を受けていた。)
1998年1月30日、吉田 一雄・道路施設サービス社長が首吊り自殺
1998年2月19日、新井将敬・ 衆議院議員が品川のホテルで首吊り自殺(衆議院議院運営委員会で逮捕許諾決議が可決され本会議で逮捕許諾決議が採決される直前に『最後の言葉だけ は聞いてください。私は潔白です』と発言した翌日、都内のホテルパシフィック東京で首を吊った死体として発見された。自殺か他殺かには諸説があり、いまだ明らかになっていない。参照:誰が新井将敬を殺したか )
1998年3月12日、杉山吉男・大蔵省銀行局中小金融課・課長補佐、自宅で首吊り自殺
1998年5月1日、鴨志田孝之・日本銀行理事が東京板橋の分譲団地(実家)で首吊り自殺
●「りそな疑獄事件」
2003年4月24日、平田聡・朝日監査法人・シニアマネージャー・公認会計士が自宅マンションから飛び降り自殺(他殺説あり)参照:りそなの会計士はなぜ死んだのか
●「緑資源機構談合疑惑」(岩村修二検事)
2007年5月28日、松岡利勝・農林水産大臣が東京・赤坂の議員宿舎で首吊り自殺。(他殺疑惑もあり)談合疑惑で検察が松岡大臣にターゲットを絞り捜査を進めてきていた。本人聴取は時間の問題だったと言われている。
2007年5月29日、山崎 進一・元森林開発公団(現・緑資源機構)理事が横浜・青葉の自宅マンションから飛び降り自殺
●「ライブドア事件」(大鶴基成特捜部長)
2006年1月18日、野口英昭・エイチ・エス証券副社長(ライブドア元取締役)が沖縄のカプセルホテルで自殺(他殺説あり)
大西LD投資組合社長が行方不明
●「耐震強度偽装事件」
・1級建築士姉歯秀次の妻
2005年11月2日、森田設計事務所の森田信秀社長(ただこの自殺は他殺説があり、鎌倉の海岸で全裸で発見された、という報道と黒ズボンで発見されたとする報道があったり、遺書もないのに警察の自殺の断定があまりにも早いことにも不信感が出ている)
2005年12月6日、草苅逸男一級建築士の設計事務所爆発で焼死。
2006年2月、朝日新聞社会部次長の斎賀孝治氏が死去(自転車の転倒による脳内出血?不自然な事故死。朝日社内では自殺。大臣認定の構造計算プログラムに問題ありと指摘していた)
●歴史を振り返ると
「造船疑獄」
・1954年3月29日、雛田英夫・運輸省海運調整部総務課・雛田英夫課長補佐が運輸省本庁舎から飛び降り自殺
・1954年4月13日、宮島利雄・石川島重工重役が世田谷の自宅で首吊り自殺
「日通事件」
・1968年2月18日、福島秀行・日本通運・資金課長(日通前社長・福島敏行の次男)が検察庁ビルから飛び降り自殺(その日参考人として検察庁で取調べを受けていた)
「ロッキード事件」
・1976年8月1日、笠原政則・田中角栄元首相私設秘書が埼玉・都畿川村排ガス自殺
「リクルート事件」(主任検事は宗像紀夫)
・1989年4月26日、青木伊平・元竹下登在東京秘書が東京・代々木の自宅で首吊り自殺
・「鈴木宗男事件」(取調べ検事:谷川恒太・現最高検検事)
子宮がんで治療を受けていた秘書を逮捕し取り調べ
・「平成14年7月23日、私の事務所の政治資金担当者である女性秘書が逮捕された。その女性秘書はその年の4月に子宮ガンの手術をし、その後放射線治療を受けていた。それにも関わらず、検察は彼女を逮捕した。20 日間勾留されている間、治療は受けられない。検察の意図が私に不利な調書を取ることにあったのは目に見えていた。それでも私は「命が大事だ」と言い、早く 20日間で出ることを 優先する様にと弁護士に話した。案の定、その女性秘書の調書は検察の思い通りのものであった。公判でその女性秘書は「検察に言わされました」と証言してくれたが、日本の裁判は調書主義で、裁判長は法廷での真実の発言、叫びは採用してくれなかった。残念なことに、その女性秘書はガンが転移、進行し、翌15年 9月、亡くなってしまった。亡くなる直前に私は保釈されたが、その女性秘書との面会は禁止という検察側の条件が付いており、お墓での対面となってしまった。 その女性秘書を検察は起訴できなかった。最初から起訴できないことを承知で女性を拘束し、私に不利な調書をつくり、自分達の都合の良いシナリオ、ストー リーを描いていくのが検察のやり方である。」 (2009/3/4ムネオ日記より)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「日々坦々」さんは、●「警察による取り調べ後の被疑者や関係者の自殺はもっと多い」とリストを続けておられるが、ここでは割愛させていただく。選挙絡みの冤罪ということで、全員無罪になった「志布志事件」だけを転載しておく。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「志布志事件」
2003 年4月13日投開票の鹿児島県議会議員選挙(統一地方選挙)の曽於郡選挙区で当選した中山信一県議会議員の陣営が曽於郡志布志町(現・志布志市)の集落で 住民に焼酎や現金を配ったとして中山やその家族と住民らが公職選挙法違反容疑で逮捕された事件を巡る捜査において、鹿児島県警察が自白の強要や数ヶ月から 1年以上にわたる異例の長期勾留などの違法な取り調べを行なったとされる事件の通称。
・3人もの被害者の方が自殺未遂をおこすまでに追いつめられていたわけで、最悪の場合は死者が出ても不思議ではない事件であったと思うからです。 突然、身に覚えのない容疑で警察の任意同行を受け、連日の厳しい取り調べで精神的・肉体的に追いつめられていく高齢の被告たち。
・結果、3人が自殺未遂、3人が意識不明となって倒れ、5人が救急車で運ばれた。容疑を裏付ける物証が一切無い中、警察は「自白」だけに頼って逮捕起訴するが、被告13人全員が自白は強要されたものとして無実を主張している。
・ 容疑者が自殺を図る為谷底に飛び込むが、助けた付近にいた人が事情聴取を受け、助けた容疑者から「何を言っても信じてもらえないから死にたい」と聞いたと 話しても、調書には「死んでお詫びする」とねつ造し、抗議したところ警察は何時間にもわたり身柄を拘束し脅しをかけてウソの調書にサインさせるといった事 まで行われた。
2月10日鈴木宗男議員が「民主党可視化議連」で講演し、「取り調べの可視化も必要」
「容疑者だけでなく、参考人や証人に対する任意の聴取も可視化すべきだ」と強調した。。
これ以上犠牲者を増やさないためにも「取り調べ可視化法案」は早急に提出すべきだ!」と「日々坦々」さんは1年前に書かれた。
4月26日には 陸山会事件の判決が出る。
「リクルート事件・江副浩正の真実」(中央公論社2009年刊)と「ロッキード事件「葬られた真実」(平野貞夫著)を並行して読んでいる。BookOffで2冊で1000円以内だったので購入できた。
本稿の続きは「死者が出なくてよかった」、しかし「自殺者が出なかった事件はスジが悪い」(特捜部の反省)としたい。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK128掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。