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「安住財務相、IMFに電話一本で500億ドル以上の拠出を表明」について
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2012/04/500-cc26.html
2012年4月16日 神州の泉
今月の12日、ヨーロッパ信用不安の拡大を防ぐため、G20では、IMF=国際通貨基金の融資基盤の強化について、日本の安住淳財務大臣は500億ドルを超える資金をIMFに拠出する方向をIMFトップのラガルド専務理事に電話で表明した。IMFは融資できる資金規模を最大で5000億ドル拡大する目標を持っているが、安住大臣は日本枠として500億ドル(約4兆円)以上の資金供出を用意できると言ったらしい。今月19日からワシントンで開催されるG20を睨んでのことらしい。
日本はリーマンショック直後の世界的金融危機の際、各先進諸国の先陣を切ってIMFに1000億ドルの拠出(融資)を行っているが、これを実行した人物が、麻生政権時の(故)中川昭一元財務大臣であった。神州の泉は、中川昭一氏は、郵政民営化法案が上げられた2005年の小泉政権以前から、国際金融資本やCIA筋からマークされていたと考えている。人権擁護法への警戒と言い、小泉郵政民営化一色に翼賛傾向になっていた時、小泉内閣の閣僚にありながら、政治家の中で唯一、「エクソンフロリオ条項」に触れていることなどを考え合わせると、中川氏は間違いなく憂国派、愛国派の人物だった。
IMFの存在意義や国際的な位置付けなどについては、漠然とながら国際金融資本の犬であり、米国エスタブリッシュメントの利益を代行する機関という見方をしている。つまり、グローバリゼーションという国際収奪システムを構築する世界盗賊機関の一環という位置づけである。もう少し卑俗な言い方をすれば、国際機関の体裁をまとった高利貸しであり、この機関から融資を受けた国々は例外なく不幸になるという認識である。韓国が締結してしまった不平等米韓FTAもその前提的流れとしては、韓国がIMFに支配されていたことが原因であると見なしている。
ただし、リーマンショックという強烈な金融不安に陥った時、弱小国家群は致命的な打撃を受け、IMFに頼らざるを得ない状況に陥っていたが、この時、中川昭一氏が率先して、IMFの貸し付け条件を緩和する提案を行うとともに、日本から1000億ドルの資金供出を申し出ている。これによって救われた国々は多かったと聞く。この時期に中川昭一氏が行ったIMFへの巨額な資金供出は、世界的な金融ショックという特殊な事情下で十分な意義を持つ素晴らしい仕事だったという評価は多い。
ところが、非常に不自然なことに、中川昭一氏はアメリカに強く敵視され、2009年2月、G7の財務大臣・中央銀行総裁会議出席のためにイタリア・ローマを訪れた時、例の朦朧記者会見で、各マスコミから猛批判を受け、辞任に追い込まれた。随伴した日銀関係者や読売新聞記者などの不自然極まりない不作為から、この朦朧会見は仕組まれたものではないかという説が有力になっている。中川昭一氏はこれがきっかけで汚名を受け、選挙には落選した上、政治家としてこれからという若さで死亡するというむごい結末を迎えている。神州の泉の思想的立場から言えば、中川昭一氏の逝去はあまりにも惜しいことであり、日本の大きな希望が一つ失われたと思っている。本物の愛国者が一人また潰されてしまったのである。
中川氏が嵌められたのは、IMF拠出金を米国債で貸し付けたからで、それが米国を激怒させたということが言われているが、おそらくそれが中川氏失脚の直接の動因だろう。つまり、中川氏は、国際金融資本から受動的に国富を吸い取られない形で、外貨準備金を有効活用して多くの困窮した国家群を助けるという、実に愛国的かつ愛他的な働きをしていたことになる。これは、米国債だから、国際的な融資というIMF本来の機能には有効に役立つが、アメリカの実利には結びつかないわけである。日本収奪を当然の権利と心得ているアメリカが、中川氏に対して激怒した理由がその辺にあると考えれば納得がいく。
中川氏が1000億ドルを拠出する宣言をしたとき、当時のIMF専務理事であったストロス・カーン氏は「人類の歴史上、最大の貢献である」と絶賛しているが、日本のマスメディアはそのことをほとんど報じなかった。そのストロス・カーン氏がその後、破廉恥行為の容疑で失脚しているが、これも中川氏の失脚と同質の背景を持っている可能性がある。
さて、今回、安住財務大臣が電話一本で、IMFに500億ドル(4兆円)以上の拠出を約束したが、問題はこれが中川元財務大臣の1000億ドルの拠出と同じ文脈で捉えてもいいのかという疑念が湧く。今の日本はリーマンショック直後の時期と事情が大きく変わっている。311大震災と原発事故が起き、日本の経済状況は根底から変わっていて、当座の復興資金が何よりも最優先されるべき時期に、このような多額な資金を拠出していいのだろうか。欧州危機回避のためとは言うが、それを言うなら、日本国内の危機の方が優先されるべきで、IMFに拠出するということよりも、日本復興のために、今までIMFに貸し付けた金を返還してもらって、国内の復興に充てるという方向性ではないだろうか。
国民利益から乖離した野田政権は、財務省や米国の言うがままの売国的傀儡政権に成り下がっている。この状況で悪徳閣僚の一人である安住財務相が電話一本で打ち上げた500億ドル以上の拠出金は、欧州危機支援に対し、物の役に立たないどころか、国際金融資本にそのまま丸投げの形になってしまうのではないだろうか。中川昭一氏と安住淳氏では、愛国者とチンピラの違いがあると思うのである。
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