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日本政府は、北朝鮮の「人工衛星」打ち上げを察知できず、発表が40分も遅れてしまい、赤っ恥をかきました。これでは、北朝鮮の後進国ぶりを笑うことができません。ミサイルだったら疾うに着弾していて、大きな被害を出していたことでしょう。この件についてはあちこちから批判されていて、中身はどれも殆ど同じですが、一例として「誠」に掲載されたジャーナリストの藤田正美氏の記事を以下引用します。(本日付、http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1204/16/news021.html)
ミサイル実験が明らかにした日本の危機管理の未熟さ
北朝鮮がミサイル発射実験に失敗した。そして日本は危機管理の未熟さをまたも露呈した。民主党政権だからこうなのか。それとも政治主導という掛け声ばかりで実態が伴わないということなのか。北朝鮮の「ミサイル危機」では初めからボタンを掛け違えているところがあった。自衛隊を南西諸島に配置して、万が一に備えるというのは分からなくもない。
対中安全保障ということを考えれば、南西諸島は重要な戦略的意味を持っているから、そこに配備できることを示しておく必要があるだろう。しかし今回の場合、日本に落ちてくるとすれば、発射されたミサイルに事故が起きた場合と想定されていた。ロケットの切り離しがうまくいかないとか、あるいは軌道をそれたために自爆するといった場合である。
「破片」になってしまえば、PAC3などで迎撃することは難しい。その意味では、自衛隊の配置よりも前に、まずミサイルの破片から子どもや市民の安全をどう守るかという問題があったはずだ。だからこそJ-Alert(全国瞬時警報システム)を使うことにし、テストも行って不具合がないかどうか点検した。
J-Alertで「打ち上げた」という警報を出し防空壕はないから鉄筋コンクリートなどの建物に「避難」するというのが筋である。その上で、PAC3やイージス艦による迎撃というシナリオがある。もちろん「避難」シナリオと「迎撃」シナリオは、どちらが優先ということでなくてもいい。避難は総務省や警察庁、迎撃は防衛省管掌だろうから、それぞれが準備すればいい話である。もちろん情報の共有は文字通り「瞬時」に行われなければならない。
ところが実際に北朝鮮が打ち上げたら、日本の対応は結果的にみっともないことになった。米軍の早期警戒衛星(SEW)から発射したという情報が直後に流れたにもかかわらず、国民に知らされたのは40分後だった。3年前に誤報を出して大顰蹙をかったから、その二の舞をせぬようダブルチェックしようとしたのだという。ところが、発射後、間もなく爆発したために、イージス艦や地上のレーダーで確認することができず、「わが国としては確認していない」という発表をせざるをえなくなった。
しかし、ここに大きな勘違いがある。結果的に誤報あるいは騒ぎ過ぎになったとしても、北朝鮮の発射がいつになるのか自治体は神経をとがらせていたのだから、米軍からの第一報を受けて、「発射した模様」で発表すればよかったのだと思う。何も日本に影響がなく、「騒ぎ過ぎ」だったという結果になったとしても、それは非難されるような話ではない。
政府の使命のうち、最も重要なことは、国民の生命、財産を守ることだ。その1点において、たとえ政府が「前のめり」になって行動したところで、何を恐れることがあるだろう。万が一に備えるとはまさにそういうことだと思う。結果的に「誤報」であっても、それは仕方のないことだ。(後略)
膨大な予算を注ぎ込んだJ-Alert(全国瞬時警報システム)は結局使われず、福島第1原発事故でSPEEDIが活用されなかった件と同じ構図です。政府は、金をドブに捨てるような使い方しかできないようです。日本も韓国も、米国の早期警戒衛星(SEW)頼みだったわけですが、他国からの情報に依存していて国防などできるはずがありません。いくら同盟国とは言え、米国ですから、わざと誤報を流すことだって有り得ます。
政府もそれを承知していますから、自衛隊独自の情報と突き合わせてダブルチェックしようとして確認が遅れてしまったということのようです。しかし、本当のミサイルであれば1分1秒を争う事態なのですから、40分の遅れは取り繕うことも正当化することも出来ません。沖縄の役所では大混乱したと伝えられていますが、当然でしょう。
問題は、何故40分も発表が遅れてしまったのか、何故確認に手間取ったのかという点にあります。我が国の場合、地上から発射を探知せざるを得ず、位置的に把握できなかったという冗談のような説明がなされています。それを端的に示したのが、次の図です。(http://livedoor.blogimg.jp/yukawanet/imgs/2/b/2b365327.jpg)
地球は球形なので、イージス艦などから探知する場合、死角ができます。今回の「人工衛星」は低空で墜落してしまったので、レーダーに映らなかったようです。それで発表が遅れてしまったわけです。初歩的なミスですが、自衛隊は「人工衛星」がそんなに早く墜落するとは思いもよらなかったのでしょう。しかし、安全保障に想定外は通用しません。態勢の不備を是正すべきことは言うまでもありません。
米国は早期警戒衛星を持っていますから、対応の速さは際立っていますが、逆に言えば何故そんなに素早く探知できたのか疑問が残ります。飛翔体が本当に北朝鮮が発射しようとした「人工衛星」なのかどうか、確認には多少の時間が掛かるはずです。これは推測ですが、発射と同時に北朝鮮は米国に通報したのではないでしょうか? 北朝鮮が米国との関係改善を望んでいることは周知の事実ですし、裏で繋がっているのであれば、通報して当然です。
こうして米国の情報が迅速・精確であることを際立たせれば、日米同盟や米韓同盟の必要性をアピールすることができます。日本政府や自衛隊に、新たな軍事・情報機器を売りつけることも可能です。日米の利権集団にとって、願ったり叶ったりの展開です。今も昔も、政府は国民の安全など真面目に考えたことはありません。
真剣に国防ということを考えたら、日本海側に原発を並べたりしないでしょう。これでは北朝鮮に弱点をさらけ出しているのと同じです。日本政府は、北朝鮮を脅威だとは思っていないわけです。国防の重要性をアピールするのも、穴だらけの防衛体制を問題視するのも、国防予算を確保して利権にありつくのが主目的です。そしてそれを理由に増税を国民に求めるわけです。こうしたカラクリに国民は早く気づかなければなりません。そうしなければ何もかもむしり取られてしまうでしょう。
http://yokodo999.blog104.fc2.com/blog-entry-595.html
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