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鳩山由紀夫元総理のイラン訪問が、政局問題と化しています。輸入原油の8割以上がホルムズ海峡を通るわけですから、イランを巡って戦争が起きたら我国は干上がってしまいます。死活的な問題ですから、直談判にゆくのは当然ですが、与野党ともに鳩山氏の行動を批判し、マスコミもバッシングしました。何を話してきたかが問題なのに、イランへ行ったこと自体を問題視しているのですから話になりません。
既得権益層は、米国様に逆らったということでヒステリー状態になっています。そんなことをして見捨てられたらどうするんだ、自分たちの立場がないじゃないかというわけです。米国べったりの自民党は、与党に対する攻撃材料を常に探していますから、これは願ったり叶ったりの出来事です。その程度の連中ですから、自民党は問題外として、与党民主党の対応はいつものことながら酷過ぎます。
鳩山氏は民主党の外交最高顧問であり、その立場でイランへ行ったのですが、この地位に据えたのは野田総理です。しかも、鳩山氏のイラン訪問を以前から知っていながら、野田総理は何も言いませんでした。ところが帰国する否や、野党と共に批判する有様です。鳩山氏にしてみれば、堪ったものではありません。
野田総理は、外交に関しては外務省に丸投げ状態ですから、鳩山氏がどこへ行こうと、関心がなかったのでしょう。あちこちから批判が巻き起こると、慌てて非難の大合唱に参加したのです。任命責任は総理にあり、本来なら擁護しなければならないのですが、丸で他人の関係なのですから呆れたものです。
問題視されている鳩山発言も、別に大したものではありません。鳩山元総理は、「会談で『核拡散防止条約(NPT)に入らず核保有国になっている国にとって有利になっていることは知っているが、非核の世界をつくるためにも国際社会との協力が必要だ』という話はした」と述べています。
この発言が「IAEAのダブルスタンダード(二重基準)批判」として伝えられたのですが、IAEAがイスラエルに対して核保有を黙認していることは周知の事実で、たとえ発言内容がイラン側の発表の通りだとしても、何の問題もありません。当り前の事実を述べたまでです。
先月23日にアムル・エジプト外相が来日し、「中東地域の非核地帯構想」をぶち上げたのですが、理想家の鳩山氏はこれに共鳴し、その線に沿ってイランで話をしてきたのではないかと思います。中東を非核化するには、イスラエルから核を取り上げる必要がありますから、これは難事業ですが…。
実現するかどうかはともかく、唯一の被爆国として非核化を進めたい我国としては、支援してしかるべき構想です。ところが、与野党ともに原発推進派が実権を握っていますから、余計なことをしてもらっては困るわけです。
この件に関しては、元外務省国際情報局長の孫崎享氏が昨日付の「日刊ゲンダイ」で適切な批評をしているので、以下該当部分を引用します。
(http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-5499.html)
「まずホルムズ海峡が封鎖されれば最も被害を受けるのは日本です。だからイランとの協議は日本として当然やるべきです。米国は訪問自制を求めていたようだが、彼らは英仏独中ロと一緒にイランと協議している。行くなというなら、日本もこの協議に参加させるべきで、参加させてもらえないのだから、日本が独自協議するのは当たり前です」
「鳩山氏がIAEAの『二重基準』を批判したかどうかが問題になっているようですが、発言の有無はともかく、指摘自体は間違っていません。IAEAは核開発をやめさせることだけではなく、核保有国に対しても武器を他国への“脅し”の手段にしてはいけないと求める役割がある。しかし、米国は04〜05年にイランへの核攻撃を計画し、イスラエルも核攻撃をにおわせている。日本の外務省は60年代、核保有国が武器を“脅し”の手段にしないよう求めていて、鳩山氏の指摘は当然なのです」
米国は日本抜きでイランと交渉しながら、日本には交渉するなと言っているわけです。こんな身勝手な話はありません。日本は自分たちの決定に黙って従っていればよいというのが、米国のスタンスです。属国風情の元総理がしゃしゃり出てくるなというわけです。
米国に限らず、どこの国も自国の国益を追求しますから、他国を排除して物事が決められるなら、迷わずそれを選択します。問題は、日本政府がそうした状況に異を唱えたり、独自に動こうとしたりしないことです。
外務省を筆頭に政府は米国追従をモットーとし、それを自分たちの権力の源泉にしています。米国の後ろ盾がなくなれば、忽ちにして権力を失ってしまいます。そうなった暁には、国民に吊るし揚げられるのではないかという恐怖感も抱いています。だから、反米的な行動には気違いのような反応をするのです。
米国との腐れ縁を切ったとしても、没落するのは既得権益層で、一般国民ではありません。彼らは声が大きいですから、彼らの利益は国益に直結するという嘘を信じさせるべく、国民にマインドコントロールを仕掛けています。これが次第に通用しなくなってきており、彼らの焦りも日増しに強くなっています。
http://yokodo999.blog104.fc2.com/blog-entry-591.html
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