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鳩山元首相とアフマデネジャド・イラン大統領は意気投合した可能性あり:欧米列強は核を・・・(新ベンチャー革命)
http://www.asyura2.com/12/senkyo128/msg/716.html
投稿者 メジナ 日時 2012 年 4 月 10 日 20:44:29: uZtzVkuUwtrYs
 

新ベンチャー革命2012年4月10日 No.564

タイトル:鳩山元首相とアフマデネジャド・イラン大統領は意気投合した可能性あり:欧米列強は核を持ってよいが、何故、日本やイランは核を持ってはいけないのかと・・・


1.鳩山氏イラン訪問:日本国内にて評価が真っ二つに分かれる

 鳩山氏が予定通りイランのアフマデネジャド大統領との会談を終え、4月9日、無事帰国しました。鳩山氏のイラン訪問目的(=イラン戦争の阻止)について、本ブログはすでに取り上げています(注1)。

 2012年夏、米国戦争屋とイスラエルのネオコンが仕掛けるイラン戦争が勃発したら、ホルムズ海峡が戦場となって、中東からの日本向け石油・天然ガス供給がストップすると本ブログ(注1)にて指摘しています。そうなれば、3.11事件以降、原発停止の今、日本のエネルギー危機は極めて深刻となり日本全体の経済活動が危うくなるのは間違いありません。CDS金融兵器で日本破産を狙う連中(日本国債を買っている連中)にとってシメシメですから・・・。

なお、上記、米国戦争屋およびそのロボット・悪徳ペンタゴン日本人勢力の定義は、本ブログのNo.225の注記をご覧ください。

 鳩山氏はこのような日本のエネルギー危機シナリオを回避するため、ネオコンによるイラン戦争の挑発に乗らないようイラン政府説得に出かけたと本ブログでは理解しています。

 ちなみに、本ブログとほぼ同じ見解をもっているのは孫崎享・元外務官僚&防衛大教授(日米同盟批判論客)であることがわかりました(注2)。

 一方、悪徳ペンタゴンの民主・自民政治家、マスコミ、そしてネットウヨ(親米エセ右翼)は鳩山氏を猛攻撃し始めました。彼らの言い分は鳩山氏がイランに利用され、日本外交(悪徳ペンタゴン外務省の外交)をメチャメチャにしてくれたというものです。

2.イランのアフマデネジャド大統領の正体とは

 今回、鳩山氏のイラン訪問の目的はアフマデネジャド大統領と会見し、ネオコンによりイラン攻撃の口実にされるイランの核兵器開発を止めるようイラン政府に要請することでした。このイランのアフマデネジャド大統領は米戦争屋やイスラエルのネオコン(戦争中毒)に対し、非常に過激で挑発的ですが、不思議なことに暗殺されません。本ブログでは、アフマデネジャドは米戦争屋と水面下である程度、通じているのではないかと疑っています(注3)。もちろん、このことは日本の悪徳ペンタゴン連中には知らされていないでしょう。イランにはイスラエルの工作員が多数、潜入しているはずですから、アフマデネジャドを暗殺するのは簡単です。にもかかわらず、アフマデネジャドは今もって健在ですが、実に不思議です。

 アフマデネジャドのウラの役割はイラン国内の世論を反イスラエルにして、イスラエル・ネオコンからのイラン攻撃の口実をつくることではないかと疑われます。いずれにしても、イランとイスラエルが常に敵対関係で有り続けるのに利用されている人物であると思われます。ただ、アフマデネジャドがズバリ、米戦争屋のエージェントなのかどうかは不明ですが、彼は訪米中に米戦争屋ボスRF財閥の私有シンクタンクCFRに招待される身分の持ち主です(注3)。

 その一方、イランとイスラエルの戦争を何とか止めさせたい勢力が欧州に存在して、アフマデネジャドの暴走を牽制していることも確かです。それは欧州寡頭勢力の中のアンチ米戦争屋勢力(=オバマ支持勢力)ではないかと思われます。彼らはライバル・米戦争屋がイスラエルと結託して中東覇権を握ることを好ましく思っていないわけです。

 2007年3月、戦争中毒のネオコンがホルムズ海峡にてイラン先制攻撃の口実をつくるための謀略工作を仕掛けたのですが、アンチ戦争屋の欧州寡頭勢力は、アフマデネジャドがネオコンの挑発に乗るのを防いだことがあります(注4)。この暴走阻止が失敗していたら、2007年にイラン戦争が起きていた可能性があります。

3.鳩山氏の背後に控えるのは欧州寡頭勢力の中のアンチ米戦争屋勢力ではないか

 鳩山氏は2009年の政権交代以降、一貫してアンチ・米戦争屋の立場を維持していますが、やはり、鳩山氏には欧州貴族のバックがついているような気がします。

 今回、鳩山氏が強引にアフマデネジャドとの会見を強行できたのは、同氏が欧州寡頭勢力の中のアンチ米戦争屋勢力にある程度、マインド・コントロールされているからではないかと疑われます。

 2009年8月末、政権交代直前の鳩山氏は鬼より怖い米戦争屋を挑発するエッセーをNYタイムスに発表して、日米安保マフィアと米戦争屋ジャパンハンドラーを怒らせました(注5)。このエッセーから鳩山氏は米戦争屋の目の上のタンコブである欧州貴族とコネがあることが窺えます。この点において、鳩山氏は日本の他の政治家とは根本的に異なる出自の政治家であることがわかります。

 今回、鳩山氏は日本国内の反発を意に介さず、すべて超越して、何かにとりつかれたようにイランに行ったのですが、欧州貴族からの誘導があった可能性は高いでしょう。現に、米戦争屋ジャパンハンドラーの巣窟・虎ノ門米国大使館も鳩山氏のイラン訪問を阻止できなかったわけですから・・・

4.アフマデネジャドとの会談で意気投合した鳩山氏は欧米列強の自分勝手な核論理を批判したかも

 米国戦争屋ロボットの悪徳ペンタゴン連中が鬼の首でも獲ったかのように鳩山攻撃しているのは、鳩山氏がイランにてIAEAは二重基準を適用していると批判したとイラン・マスコミが報じたことに対し、鳩山氏がそれを捏造報道だと即座に否定した点にあります(注6)。

 一方、悪徳ペンタゴン連中は、周囲の反対を押し切ってイラン行きを強行した鳩山氏に対し、イランに利用されるぞ、飛んで火にいる夏の虫ならぬ、春の鳩だと揶揄していましたから、それ見たことかと、絶好の攻撃材料を鳩山氏は与えてしまいました。

 ところで上記、IAEAの二重基準に関して、本ブログにてかつて取り上げています(注7)が、本ブログの結論は一言、IAEAが二重基準であるのは確かです。現在のイランは戦前の日本と同じく欧米列強に逆らっているわけで、イラン首脳は勇ましかった戦前の日本を知っているはずです。そして鳩山氏は実は、隠れ核武装論者です(注8)。だから、鳩山氏が直接にIAEA批判はしなくとも、欧米列強の自分勝手な核論理、すなわち、自分たちは核兵器を持つが、日本やイランは核兵器を持ってはならぬと言う非対称論理に鳩山氏が反感を持っているのは確かです。

 われら国民は、鳩山氏を攻撃する連中の方こそ米国戦争屋に心底、毒されていることに気付くべきです。IAEAを含む欧米列強の核論理は上記のように非対称なのです。とりわけ米戦争屋の核論理は矛盾だらけです。彼らは北朝鮮の核保有に反対する振りをして、内心では暗黙に認めています(否、それどころか闇でむしろ供与している疑惑あり)、だからこそ結果的に、北の核は日本の脅威となっています。鳩山攻撃に余念のない悪徳ペンタゴン連中はそれをおかしいと思わないのでしょうか。

注1:本ブログNo.563『鳩山元首相、日本政府の制止を振り切ってイランへ:オバマとの絶妙の連携プレイか?悪徳ペンタゴン外務省よ、ザマーミロ!』2012年4月8日


注3:本ブログNo.177『極めて危険!窮鼠、猫を噛む米国戦争屋(D系):日本国民資産が奪われる?』2010年8月20日

注4:ベンチャー革命No.227『バージニア対長崎同時射殺事件:未必の故意か?』2007年4月21日

注5:本ブログNo.16『喝采!:戦争屋=CIAを挑発する画期的な鳩山宣言』2009年8月30日

注6:産経ニュース“鳩山由紀夫元首相帰国会見「作られた捏造記事」”2012年4月9日

注7:ベンチャー革命No.185『イランの危険な抵抗』2006年2月6日

注8:本ブログNo.371『地下式原発推進一派は悪徳ペンタゴンからの総攻撃に備えよ!』2011年5月23日

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元記事リンク:http://blogs.yahoo.co.jp/hisa_yamamot/29041402.html

 

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コメント
 
01. 2012年4月10日 21:31:45 : B7MjKnNw36
なるほど、もっともな話だ。
理解できます。

02. 2012年4月11日 01:25:47 : v9zEjVoOMI
IAEAは核を全てアメリカのコントロール化に置くべくして大義をでっち上げて他国を規制する機関であることは世界の常識なんだけど、それを批判したくらいで鳩ぽっぽを良い人だと言うのは無理。
ウケ狙いで沖縄の基地問題に火をつけた結果の国防に対しての悪影響は大きい。
核武装には賛成だけどいろいろ面倒なので、とりあえず世界でも類を見ない原子炉製造技術を持って原潜を数隻建造すべし。
潜水艦も日本が世界一だし法律上問題ない。

03. 2012年4月11日 06:09:26 : S6bO5ciPzA
彼らは北朝鮮の核保有に反対する振りをして、内心では暗黙に認めています(否、それどころか闇でむしろ供与している疑惑あり)


全くそのとうりだ。


04. 2012年4月11日 06:25:07 : lFtrGPhedw
悲惨軽珍聞が鳩山を解任しろと言い出したから正しい訪問だったと解釈出来る

05. 2012年4月11日 07:33:47 : hD6CiuETZU
アメリカ様の言いなりになっていると、アザデガン石油の放棄のような煮え湯を飲まされることになる。
イランに友好のサインを送っておくことは、間違いなく長期的にメリットがあることだと思う。
ネオコン翼賛連中には不愉快なことだろうが。

06. 2012年4月11日 08:45:24 : wmZxYSdWJw
●アメリカ「三ない運動」
 ○アメリカを「利用しない」
 ○アメリカを「恐れない」
 ○アメリカに「金を出さない」

【1】アメリカを「利用しない」・・・
   1度利用してしまったら、「金づる」にされる危険性があります
  ・アメリカはタダでは動かず、お金を要求されます。
  ・アメリカは、相手が弱いと見ると、付け込んできます。

【2】アメリカを「恐れない」・・・
   恐れることがアメリカを助長させます
 ・(政治家や官僚は)アメリカが怖いから要求を受け入れるのではなく、
   何かあれば、すぐに国民に相談しましょう。
 ・「アメリカによる戦争を許さない」という勇気を持って、
   毅然とした対応をしましょう。

【3】アメリカに「金を出さない」・・・
   金が腐れ縁のもと!戦争を支援することになります
  ・アメリカは1度味を占めると、何回もお金を要求してきます。
  ・アメリカに金を払うことは、結果的に戦争を認め、
   戦争行為の手助けをすることになります。
  ・アメリカは戦争資金のため、「金づる」を探しています。


07. 2012年4月11日 11:43:46 : mFoI2whE7E
常にメディアの逆が真実の道であることを悟る時が来ましたね。
それもこんな明快にわかることって今までなかったので、助かります。

08. 2012年4月11日 12:11:47 : AVPV1LQoGg
自公、鳩山氏を参考人招致で一致 イラン訪問を追及(04/11 11:28)

 自民、公明両党は11日午前の幹事長、国対委員長会談で、民主党の鳩山由紀夫元首相のイラン訪問は国益を著しく損ねたとして参考人招致を要求する方針で一致した。

 北朝鮮が「衛星」打ち上げと称する長距離弾道ミサイルを発射した後、予算委員会の集中審議を要求し、ミサイル問題と併せて問題点を追及する構えだ。

 大阪維新の会が掲げる「大阪都」構想の実現に向けた地方自治法改正案の共同提出を目指すことも再確認した。

 消費税増税関連法案をめぐっては、政府、与党からの積極的な働き掛けがないとして、4月中の審議入りは困難との意見が出た。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/364228.html


09. 2012年4月11日 13:53:31 : 0vnInNfxTg
これを機に、不公平に目覚めた鳩山には裏金や脱税告発逮捕不公平の是正に
取り組んで貰いたいものだ。
被害者としては小沢とか鈴木宗男もいるだろうし仲間になるだろう。

尤も脱税公平化して捕まるのは鳩山だから、それがまずいならば
交通違反取締と不取締不公平是正運動に取り組むのもいいだろう。
お仲間は、消費税据え置き運動は不調なガソリン税値下げ運動の川内あたりで、
二人でまず大阪御堂筋あたりを皮切りに全国の不公平交通違反の
取り締まり現場に行って「俺たちは国会議員だ」とでも脅せば、
取締警察官の戦意は大幅に低下できるだろう。
(こうすると大阪のおばちゃんの支持が増し、橋下人気も低下できる)


10. 2012年4月11日 14:41:36 : AVPV1LQoGg
イラン核問題が妥結に向かいそう
2012年4月10日  田中 宇

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 4月14日からの国際社会(米英仏露中独。P5+1)とイランとの半年ぶりの核問題の交渉再開を前に、イスラエルの政府高官たちが、イランがどこまで譲歩したらイランを脅威とみなすことをやめるかという、問題の落としどころについて語り始めた。(Israel signals willingness to accept Western plans for next round of Iran nuclear talks)

 ネタニヤフ首相は、イスラエルのマスコミ取材に対し、イランが同国内のフォルドの施設で行っているウラン濃縮をやめて、すでに濃縮してあるウランを国際社会の側に引き渡すなら、核問題の解決とみなすと表明した。ネタニヤフは、イランが濃縮したウランを引き渡す代わりに、医療用など非軍事用途のウランを受け取るのはかまわないとも述べた。バラク国防相も、CNNに対して似たようなことを述べた。(Have Netanyahu and Obama agreed on the outcome of negotiations with Iran?)

 イランは、ガン治療などに使う医療用アイソトープ(放射性同位体)が不足している。イランは以前、テヘランの実験炉で20%の濃縮ウランを燃やして医療用アイソトープを作っていたが、実験炉のウラン燃料が切れている。イランは一昨年から、国際社会との交渉で、国内に保有する発電用原子炉用の低濃縮(3%)のウラン燃料1200キロを引き渡すので、それをロシアかフランスあたりがアイソトープ製造用の実験炉の燃料120キロに再処理して返送してほしいと言っていた。1200キロの低濃縮ウランは、イランが保有する低濃縮ウランの6割にあたる。これを手放せば、イランが低濃縮ウランを追加で濃縮して核兵器を作ることが困難になり、イランが核兵器を作っていないことの証明にもなる。昨年、トルコとブラジルが仲介して、このシナリオを進めようとしたが、うまくいかなかった。(善悪が逆転するイラン核問題)

 イランは昨年、自力で3%のウランを20%まで濃縮することをIAEAに報告し、IAEAの監視を受けながら、濃縮を開始した。米国やイスラエルがイランの核施設を空爆すると言い出したので、イランは空爆を避けるため、聖地コムの近くのフォルドに地下の施設を作り、そこに遠心分離器を並べて濃縮作業をしている。イスラエルの高官たちは、イランがフォルドの施設を停止し、自力で濃縮したウランを手放す代わりに、アイソトープを作るための実験炉の燃料を受け取るなら、イランを脅威と見なすことをやめると表明した。これは昨年、トルコとブラジルが仲裁しようとしたシナリオの再現である。イスラエル政府の表明と前後して、米国政府も、フォルドのウラン濃縮施設を閉鎖することが、イランに求める最重要課題だと表明した。(U.S. Defines Its Demands for New Round of Talks With Iran)

 イランは今のところ、フォルドのウラン濃縮について、IAEAも認めた事業であり、IAEAの監視も受け、あらゆる国に認められた核の平和利用権を行使しているだけなので、やめないと言っている。しかしイランは昨年、トルコとブラジルが同じシナリオを提案したとき、賛成している。今後の交渉しだいで、イランが実験炉の核燃料を得る代わりにフォルドのウラン濃縮をやめ、イスラエルも認めるイラン核問題の解決が達成される可能性が高まる。(Iran nuclear talks: west demands closure of Fordo underground facility)

▼イスラエルの態度転換は画期的

 イスラエル政府はこれまで、核問題でイランが何を譲歩したら解決と見なすかについて、全く語ったことがなかった。解決の道筋を示さず、イランは核兵器開発しているので核施設を空爆してやる、と根拠の薄い非難を繰り返してきた。イスラエルが今回、フォルドの閉鎖と濃縮ウラン放棄を解決の条件として出してきたことは、画期的だ。米イスラエルなどは、表向き解決したい素振りを見せつつ、細部に交渉相手が拒否せざるを得ない点を潜ませておき、交渉を決裂させる外交術をよくやるので、本当に解決につながるのか不明な部分がある。だが、ここにきてイラン核問題が妥結に向かいそうな流れが急に見えてきたことも確かだ。(Time for reaching diplomatic solution to Iran nuclear standoff limited)

 オバマ大統領は、先日韓国で開かれた核安保サミットの席上、トルコのエルドアン首相と2時間も会談した。エルドアンはその後テヘランを訪問してハメネイ最高指導者と会うことになっていた。オバマはエルドアンに「イランが世界に対し、核兵器を開発していないことを証明できたら、米国はイランが核の平和利用を続けることを認める」と、ハメネイに伝えるよう、伝言を託したという。この伝言が意味するものは、イランがフォルドを閉鎖して濃縮したウランを外国に移転したら、米国はイランが核兵器開発していないことを認め、イランがロシアに作ってもらった原発を稼働させて発電することなど、従来からイランがやってきた核の平和利用を認める流れだろう。('Obama signaled to Khamenei that U.S. could accept civilian nuclear program in Iran')

 今後もし核問題が解決すると、国際社会がイランを許すことになり、中東におけるイランの地位が急上昇する。イランは国際社会(米欧)から敵視される従来の状況でさえ、シーア派の宗教ネットワークや反米主義の仲間意識などを使って、イラク、レバノン、ガザ、シリア、アフガニスタン西部など広範な地域に影響力を持ってきた。この状態で国際社会がイランを許すと、中東の国際政治のバランスが急変動する。スンニ派王室(少数派)に弾圧されているシーア派国民(多数派)が反政府運動を続けるバーレーンで、王政が転覆されるかもしれない。サウジ東部の油田地帯も不安定化する。(バーレーンの混乱、サウジアラビアの危機)

 イランが許されることは、中東において、米国とイスラエルの力が衰えていることの象徴としてとらえられるだろう。米英の傀儡として機能してきたヨルダンやクウェートの王室も、生き残り策を間違うと転覆される。対照的に、パレスチナ人はイスラエルや米欧に強気の要求をするようになる。エジプトや北アフリカ諸国のムスリム同胞団やサラフィ主義者などイスラム主義勢力の政治力が強まる。イラン問題が解決されると、イランとイスラエルとの戦争は回避されるが、イランが許されて台頭すると、パレスチナ問題におけるイスラエルへの非難が強まり、ガザや西岸、レバノンが戦争になりかねない。(Iran, China's Rise, and American Strategy)(◆多極化に呼応するイスラエルのガス外交)

 こうした新事態について、ロシアや中国などBRICSは、すでに準備を始めている。BRICS諸国(中露印伯南ア)は、3月末にインドで開いたサミットの共同声明(デリー宣言)の中で、パレスチナ問題の解決に対して注力すると、比較的詳細に述べている。中東の問題解決の主導役がこれまでの米英から露中に交代する傾向が強まっているが、その傾向はBRICSのデリー宣言からもうかがえる。(BRICS Summit: Delhi Declaration)

 イスラエルが自国の存続を米英でなく中露に頼む傾向を強めそうなことも、これからの注目点だ。今後の1−2年で、中東の国際政治状況が大きく変わるかもしれない。

▼鳩山イラン訪問との関係

 中東の主導役が米欧から中露になっていきそうな今の時期に、折も良く日本の鳩山由紀夫元首相がイランを訪問し、アハマディネジャド大統領と会談した。対米従属からの離脱や、日中連携となる東アジア共同体の創設などを掲げて首相になった鳩山ならではの、多極化への対応といえる。核問題でイランが許されれば、各国は、イランとの貿易や投資を再びやれるようになる。鳩山は勝手に個人的にイランに行ったのでなく、野田政権の名代として行ったのだろう。

 もう一つ余談だが、米国のパパブッシュ政権時代の元国務次官補(Bernard Aronson)がニューヨークタイムスに、ブラジルがイランに範を示すためにウラン濃縮を放棄し、イランとブラジルが新興諸国と発展途上諸国に呼びかけ、世界的にウラン濃縮に規制をかける新たな国際体制を構築すべきだという提案を発表した。(Can Brazil Stop Iran? )

 ちょうどブラジルのルセフ大統領が米国を訪問中なので、こうした提案が出たのだろうが、BRICSの中で、露中印のように核兵器を持っておらず、南アのように過去に核兵器開発もしたことがないのは、ブラジルだけであることを考えると、深い提案だ。最近の記事に書いたように、核兵器の不拡散を徹底するには「第4世代」の原子炉に比べて核兵器転用が比較的容易な軽水炉の原発システムを、ウラン濃縮や核燃料再処理を含め、世界的に廃止していく必要がある。(◆日本の原発は再稼働しない)

 すでに核兵器を持っている米英仏露中印などに、自国の核兵器を廃棄して核廃絶運動を主導することを期待するのは無理だ。対照的に、これからウラン濃縮を放棄しそうなイランは、米国から脅されてもひるまず堂々と非難し返せる力量を持っている上、自国が世界から尊敬されることを強く希望している。せっかくイランがウラン濃縮をやめるなら、返す刀でウラン濃縮の規制を含めた新たな世界的な核廃絶運動を、途上諸国を率いて行えば、イランは世界的に尊敬される。米国は、オバマがめざしてきた核廃絶を、代わりにイランに推進してもらえる。

 イランだけだと世界は聞く耳を持たないだろうから、そこにBRICSの一角からブラジルを合流させ、イランとブラジルでウラン濃縮に対する規制を含めた核廃絶をやってもらうべきだ、というのが今回の提案の趣旨だろう。イランと同様、北朝鮮も、世界から「大国」として尊敬されたいと強く考えている。今後イランの核問題が解決するとしたら、次は北朝鮮が核廃棄に応じ、イランと北朝鮮という「悪の枢軸」が、米中露などの大国に核廃絶を迫るという、奇想天外な展開になるかもしれない。

http://tanakanews.com/120410iran.htm


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