武雄市　江原市議、出席停止に
2012.03.29　佐賀新聞　16頁　　

　武雄市議会で、一般質問中に議会の品位を汚す発言をしたなどとして江原一雄議員（共産）に懲罰動機が出され、最終日の２８日、賛成多数で出席停止（１日）と議決した。江原議員は同日の新年度予算案などの討論、採決に加われなかった。

　江原議員は１５日の一般質問で、米海兵隊について「殴り込み部隊」と発言。翌日、山口昌宏議員（自民）ら４議員が「海兵隊を侮辱した発言で市議会の品位を著しく汚す。議長から発言取り消しが求められても反省の態度が見られない」として懲罰動議を出した。付託された特別委員会では賛成多数で出席停止（１日）の結論を出した。

　最終日の本会議では、江原議員が「同様の発言は国会でも取り上げられている」などと弁明し、「発言は議長により議事録から削除され、懲罰の理由がなくなった」などと反対討論があったが、賛成多数で可決した。

　同市議会では２００９年１月に宮本栄八議員（無所属）が「戒告」、昨年９月にも同議員が「陳謝」の処分を受けている。

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＝微風強風＝

〈内向きでいいのか〉

　武雄市議会でまたも議員が懲罰を科された。ただ「出席停止は無理筋」と言って採決を棄権した議員もおり、今回はそこまでの重い処分を科するほどのものだったか疑問も残る。

　「殴り込み部隊」が米海兵隊を説明するのに、適当な表現だったかは別にして、軍事評論家などが分かりやすく形容しようと使う表現である。現地に急襲して米国民を保護するのが役目だからだ。国会だけでなく過去、佐賀県議会でも共産議員が取り上げており、沖縄県の地元紙も社説で使っている。

　もちろん、言葉に対する感受性はそれぞれ違うだろうが、懲罰動議を出した市長支持派が敏感に反応したのは、議会内の対立が背景にあるようにも見える。処分を受けた議員は市長の政敵。棄権した議員は「日ごろの感情で動いている」と分析してみせた。

　出席停止は除名に次ぐ重い処分。有権者の声を議会に届けられないことを意味する。議員と市民の権利を制約するものだから、だれが聞いても納得できるものでなければ議会不信を生む。市民が求めているのは内向きの「攻撃」ではなく、議会本来の役目である執行部のチェックや政策の点検ではないか。（横尾章）

佐賀新聞社

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＜参照＞

【質の低い武雄市議会】市長いいなりでは、市の活性化と民主主義は育たず（ゆみさんの日記）
http://hibino.saga-s.co.jp/diary/242347

武雄市議会「海兵隊は殴り込み部隊」不当懲罰（法政大学�U部同窓生九条の会）
http://hosei-9.com/?p=283

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http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2012-04-10/2012041015_01_1.html

「しんぶん赤旗」2012年4月10日
佐賀・武雄　米海兵隊批判の共産党議員出席停止／沖縄県民への「懲罰」／演説会　赤嶺衆院議員が批判

　日本共産党佐賀県西部地区委員会は８日、武雄市議会が日本共産党議員の米海兵隊批判に「懲罰」を強行した問題で、赤嶺政賢衆院議員を迎えて演説会を開きました。

　赤嶺議員は、江原一雄議員への「懲罰」が「沖縄県民への『懲罰』と同じ」と批判。

　米海兵隊について、「沖縄県民は『クレージーマリーン』（荒くれ海兵隊）と呼ぶ」と紹介し、隊の任務が米軍の海外遠征打撃群、イラクやアフガンの侵略戦争に参戦する殴り込み部隊そのものだとして､｢自民･公明や民主の歴代政権が美化してきた『防衛力や抑止力』などというものではない。真実に対する不当な『懲罰』を許さないたたかいを｣と訴えました｡

　「懲罰」に屈せず断固たたかう江原議員は「市民とともに憲法を生かして平和を守り、社会保障充実へ頑張りたい」と決意を述べました。

　日本共産党の大森ひとし衆院佐賀１区候補や平野邦夫市議のほか、「懲罰」に反対した自民党の谷口攝久（せつひさ）、無所属の宮本栄八の両市議があいさつしました。

　米海兵隊批判への「懲罰」問題　３月１５日の佐賀県武雄市議会一般質問で日本共産党の江原一雄議員が米海兵隊を「殴り込み部隊」と指摘したことについて、休憩中に樋渡（ひわたし）啓祐市長を支持する議員らが問題視。「議長の撤回・謝罪の求めに応じなかった」として「議会の品位を著しく汚す」などと｢懲罰｣動議を提出。自民党の一部や公明党などが２８日に｢懲罰｣動議を強行可決、江原議員を１日間の出席停止とし、議会での言論の自由を封殺しました。

＜関連キーワード＞

・安保・米軍基地
・国会

コメント
01. 2012年4月10日 13:58:04 : Q5D5fFKwyw 共産党が正しいことを言えば、適切な表現を使えば、こうして懲罰とやらで、妨害する。なんか、共産党の物言いが、今一軟でいらいらさせられてきた理由が、今頃になってよ〜わかりました。 　そういえば、都議会でも、こんなことが過去何回かありましたよ。 　ともかく、懲罰動議にかけるなら、殴りこみ舞台でないと思う根拠、そちらが考える「適切な表現」を示すべきでしょう。 　まったく、議会の品位も何もあったものじゃない。石原や橋下もそうだが、一億総品性劣化バージョンですね。
02. 2012年4月10日 16:02:57 : FijhpXM9AU 殴り込み部隊どころか、元海兵隊少将だったスメドレー・バトラー自身がその経験から「海兵隊はウォール街に雇われた暴力団だ」と喝破しているではないか？
03. 2012年4月10日 20:28:46 : ZQm3ijzRPU 殴りこみ部隊など手ぬるい。彼奴らは人を殺すという究極の暴力を専門的に訓練した「殺人部隊」だ。 個人的な利害関係も怨恨も無い人を平気で殺すように訓練された殺人のエキスパートが海兵隊。 こんな殺人鬼が近所に居る危険性と隣り合わせで生活させられているのが沖縄の人達。
04. スージークワトロ 2013年4月17日 09:51:39 : Nnjv6Mfbo3BSE : opCikUPy2A この事件をきょう知りました。（２０１３年４月１７日） 　「非常に寒々しい議会」と感じました。また、戦前の日本はこんな状況（自分と意見が異なるものの存在を認めない。という）だったのかなと想像しています。 　この社会は、さまざまな意見や考えを持った市民によって構成されており、そんな有権者が地方議員を選んでいる。議会はそうした市民の「鏡」であるとすれば、今回の懲罰は市民の存在さえ否定していくことになるのではないか。議長のとった行為も公正さに著しく欠けたものと思います。

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