http://www.asyura2.com/12/senkyo128/msg/637.html
Tweet |
“政局占い”消費増税のゆくえ 野田民主と谷垣自民の大連立の可能性
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/fe419382cacf3a593a419b68e7e1ffa5
2012年04月08日 世相を斬る あいば達也
政党を創設した“党首”が、数年後、拾ってやった奴らに追い出されるような出来事が平気でまかり通るのが永田町の政治である。戦後60年、日本の政治シーンに君臨していた自民党から、政権を奪い取った最大の功労者が、今では党内に幽閉(党員資格停止)されているのだから、まことに政治の一寸先は闇である。
このような永田町の政治の先を読む事は、大変困難である。政治評論家の多くは、それでも何かを書かないと“オマンマの食い上げ”になるので、数人の永田町の知ったかぶり連中の話などを織り交ぜ、政府やおもねる団体の意に沿う方向の政治コラムを書くわけである。げに悲しき売文業なのだ。しかし、世間では“占い”に似た“政局展望”等と云うものを鵜呑みにする人々も多いのが事実だ。昨日の拙コラムではないが、社説に名を借りて、政府広報活動を勤しむ新聞社も出てくる事になる。
現時点での政局の流れは、消費増税法案を中心にして、政党乃至は国会議員が回りをグルグル“独楽ねずみ”のように走りまわっている。法案の国会提出さえおぼつかないと思われていた既法案も、一定の政治的流れが出来てきたようにも思える。その一定の流れが正しい民主主義のルールに則っていないのは事実だが、現実は脱法的方法を駆使してでも、法案を成立させようとする野田首相と財務省の執念だ。閣議決定における、国民新党紛いの自見大臣が国民新党として署名した時点から、亀井代表辞任劇までの顛末を見ていれば、どんな法律も歪曲解釈で乗り切る意図が見え見えである。
それでは、野田首相が党内の不協和音満載を無視して党の了解を取り付け、連立を組む他党のクーデターまで容認して閣議決定まで辿りついた姿を見ていると、“不退転”はどうやら本気のようである。(笑)そうなると、この消費増税法案の今後の行方を予測する事で、野田政権の命運を占うことが可能になるだろう。少なくとも現時点のまま衆議院に法案を出せば、野党も反対、小沢グループも反対で、消費増税などと云う財務省の陰謀は10年以上お蔵入りになるだろう。
今回の消費増税法案における政治権力闘争は野田佳彦と勝栄二郎財務次官の共闘によって成り立っている。民主党内の色分けをハッキリさせるのが野田の領分。勝栄二郎は「残りすべてはこちら(財務省)で根回しするので、反増税議員を党内議論を通じて浮かびあがらせてください。脅しのネタのある議員はS谷先生を通じて切り崩します。自民への根回しも、何とかなりそうな流れです。昔のように派閥の縛りが緩いので、個別対応ですが、4月中には連立の方向で動けるよう手配しますので…」と言ったかどうか別にして、今までの事実を重ねて推理すると、概ね当たっているだろう。
今年の7月には、通常でいけば勝次官は就任2年になり、退任の筈である。異例の任期延長もあるので、必ずしも7月がタイムリミットではないが、出来ることなら、人事の秩序を守りたいのが霞が関である。勝栄二郎と云う男、猛烈に慾深い。勝は、単に現在の消費増税法案を通過させるだけでは飽き足らず、更に“歳入庁創設”の項目を削除、“再増税条項”の追加、“最低保障年金の創設”を民主党に放棄させる、法案の修正をも視野に入れて、与党攻勢をかけている。 *“国滅びてもシロアリ天国”の構築こそ、シロアリ大王の勲章を欲しいままに出来るわけで、勝栄二郎の人生にとって栄冠が目の前に迫っている。“急いてはことを仕損じる”財務省は慎重だ。野田の馬鹿は、本気で任期一杯総理で居られると思っているようだが、そうもいかない。自民党への餌は大連立への誘いで充分だ。副総裁と閣僚の椅子6席、公明1で充分だ。ところが、自民党もすんなり大連立に傾斜するには“大義不足”なのである。連立を組むのはやぶさかではないが、主たる与党でない事は党内を纏められないし、支持者の納得も得られない。
つまり、大連立を組むか組まないは“解散総選挙の確約”が前提だ。消費増税法案の成立以上に解散総選挙の確約が重要だ。これは、少なくとも建前上譲れない。解散総選挙を確約するなら、今国会で公債特例法案も消費税法案も賛成してやる。連立をどうするかは、選挙後の情勢如何だ、と云うのが自民党の主たる考えだろう。法案の修正協議で「“歳入庁創設”の項目を削除、“再増税条項”の追加、“最低保障年金の創設”を民主党に放棄」をさせたら、民主党は自民党の実弟のような存在、国民新党並である。財務省に貸しも出来る、与党復帰の道筋もつけられる。谷垣にとって垂涎だ。
ただ、このようなシナリオの前に立ち塞がるのが、小沢一郎率いる民主党内勢力であり、その他親小沢政党だ。それだけなら、自民も民主も大連立の皮算用しながら解散を迎え、選挙出来るのだが、此処にもう一つの重大な勢力の台頭がある。勿論、橋下勢力の事だ。様々な調査を総合すると、参戦してくれば衆議院で100〜150人以上確実当選と云うラインが出ている。現在の自民党が117人だから、同等の政党の誕生が現実化している。民主党も小沢勢力が抜ければ200人前後の第一党だ。
消費増税法案を大連立後に成立させようと、解散総選挙終了後の連立で法案を成立させようと、民主党と自民党と公明党で241議席以上確保の自信が生まれないのが現実なのだ。消費増税法案が国会で通過しても、次の政権(多分連立)が法案を凍結する事は可能なので、財務省の夢は頓挫する。民主と自民と公明が大連立しても241議席確保出来ない事態も想定出来るのが、現状の世論分析だ。
それでは、此処で民主・自民・公明の大連立で漸く五分の戦いになる政権とはどういうものなのだろう?と云う事になる。「橋下と石原新党」?産経などはそれを望んでいるようだが、橋下の足を引っ張るだけの選挙戦になり、200議席が100議席に落ち込むリスクを抱えるだろう。協力が冷や水を掛ける結果になるのが必定だ。そうなると「橋下と小沢」はどうか?船中八策と新政研の理念がすべて一致していないので、糾合はない。しかし、連立は十二分にある。理由は、橋下も小沢も独自の器量で選挙を戦う能力を維持しているからだ。どちらが上位でも構わないが、必ずしも“俺が俺がでない”二人と云うのが味噌である。
いずれにしても、この大連立とか、法案の修正とか始める為に、必須の条件が自民党に、そして民主党執行部に存在する。その必須の条件と云うのが“小沢裁判のゆくえ”だ。この答えを待たずに動いているのは、野田と財務省だが、その他は到底動けない。その意味でも、東京地裁の大善裁判長は日本中の注目の的である。ある意味で、世界中も興味深く見つめている事だろう。この裁判の判決如何で、日本の行く末が一定の期間制約されるのだから、重大だ。しかし、その答えを知っているのが大善裁判長であり、最高裁事務総局だとしても、今までのような流れで、坦々と有罪!有罪と云うのは躊躇われる環境に成りつつある。これだけは、判決を聞いてからしか考えない方がいい。故に、政治家たちも実は動けないのだ。故に朝日新聞は、政治家は決める政治をしろ!と焦っているのである。
今夜の結論と云うほどではないが、財務省が画策する大連立による消費増税法案通過は、小沢判決で右往左往する。何も決められずに継続審議を望んでいる輿石が、どのような手を講ずるかも見ものだ。朝日はこうなる予測があったので”決められる政治”などという強弁社説を書いたのだろう。少なくとも4月26日までは四の五のと野党は野次馬のように取巻くだけで、審議などに応じるつもりはないだろう。応じても、無茶な要求を突きつけ、誰かドジを踏まないかネチネチ虐めに興ずるだけである。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK128掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。