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野田首相 NHK電波ジャックの怪
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2012/4/6 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
NHKは野田首相に何か弱みを握られているのか。
一昨日(4日)の「クローズアップ現代」を見た国民は皆、そう思っただろう。消費増税に対する野田の持論を延々とタレ流すだけ。批判はおろか、ひたすらヨイショのありさまで、この蜜月ぶりは何やらにおうのである。
番組のタイトルは「“停滞”を打破できるか 野田総理に問う」。政治停滞をつくった当事者に打破もヘチマもないが、異様だったのは番組の30分間、終始ヨイショムードで進んだことだ。
消費税増税について、「決断する政治の象徴的なテーマ」と恍惚の表情で語る野田をアップで映したかと思えば、女性キャスターが「政治家の『命をかけて』という言葉はなかなか聞かない」と持ち上げる。それでいて反増税派の小沢元代表らの映像を流し、女性キャスターが「反対派に理解を求めるのはムリではないか」「自民党に活路を見いだす方が現実的ではないのか」と迫るのだ。なぜ、NHKが野田に“助け舟”を出そうとするのか。理解に苦しむ。
揚げ句、NHKが3月に行った世論調査で、増税賛成はわずか「27%」にもかかわらず、「世論は何が何でも反対というわけではない」との“迷”解説ぶり。36%もの反対には、なぜか完黙だった。NHKは「消費税率引き上げ法案が国会に提出されたことを受けて、野田総理に考えを聞きました。増税に反対する立場の意見も、番組中でVTRでお伝えしました」(広報局)と説明するが、番組を見た元NHK政治部記者で評論家の川崎泰資氏はこう言った。
「野田首相の宣伝番組のようで、最低(の内容)でした。消費税増税をテーマに放送するなら反対派も呼び、交互に質問する形を取るべき。それをワンサイドの主張しか放送しないのは公共放送としてあるまじき行為です。それに野田首相に聞くべきは、本人の覚悟ではない。増税が生活に与える影響を一体どう考えているのか、でしょう。重要な内容も質問せずに何を考えているのか」
その通りだ。だいたい野田は2月17日にもNHKの「ニュースウオッチ9」に出演した。2カ月の間に2回も出演とは珍しい。これほど頻繁に現職の首相がテレビ出演することが異例だ。あの小泉元首相だって在任5年でテレビ出演は1回だ。NHKはなぜ野田の公共電波の「私物化」を許すのか。
「NHKは3月中旬、岡田副総理が自民党幹部に大連立を打診していたことをスクープし、これが増税反対派に火を付けるキッカケになりました。火消しに躍起になった岡田副総理や党執行部はNHKの報道を否定し、前原政調会長は消費税論議の事前審議の際、『岡田氏はNHKを訴えるはず』と言って理解を求めた。この動きにNHKがビビったんじゃないか、とみられてもしょうがない内容でした」(民主党関係者)
3月下旬の衆院総務委員会では、NHK職員の年間報酬がサラリーマンの平均年収の4倍、約1780万円に上ることが問題視された。NHKはこの問題を1分も取り上げていないが、野田ヨイショの裏に自分たちの権益を守ろうとする考えがあるのなら、フザケた話だ。
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